「IT業界は、パソコンが使えたら働ける?」
「SEって言葉は知ってるけど、実はどんな仕事をしているのかわからない」
「IT系への転職を考えているけど、どんな職種を選んだらいい?」
など、IT業界に興味はあっても仕事内容を想像できない人も多いのでは?
IT業界は、ハードウェア業界、ソフトウェア業界、情報処理サービス業界、インターネット・Web業界の大きく4つに分けられます。
業界の人材は不足しており、求人は豊富。
さまざまな産業でITの技術は活用されていることから、将来性のある業界です。
転職には、ITコンサルタントなど経験が必要な職種もありますが、プログラマーなど未経験でも働きやすい職種もあります。
未経験の場合、20代なら資格なしでも転職できる可能性はありますが、20代でも不安な人や30代以降で未経験の人は資格を取るとよいでしょう。
勢いのある業界で働きたい、プログラミング言語など専門的な知識を活かして働きたい人にIT企業への転職はオススメです。
今回は、IT業界の職種とその仕事内容、転職の際にあるとよい資格などを紹介します。
目次
IT業界とは?4つの業界の取扱商品や代表的な企業からわかりやすく紹介!
ITは〈Information Technology〉の略で、コンピュータやインターネット通信が関連する技術を意味します。
IT業界の中でさらに、ハードウェア業界、ソフトウエア業界、情報処理サービス業界=システムインテグレータ(SI)、インターネット・Web業界に分けられます。
ハードウェア業界
パソコン本体や、キーボード、マウス、モニター、プリンターなどの周辺機器、それらを構成する電子回路をハードウェアといい、それらを扱う企業がハードウェア業界です。
インターネットなどのIT技術が使われていることから、家電やゲーム機などもハードウェアに含まれます。
電子機器を動かすためのシステムを組むのが、ハードウェア業界の主な仕事。
組込みシステムエンジニアは、ハードウェア業界の職種です。
ハードウェア業界の代表的な会社
Apple、SONY、Panasonic、日立、ゼネラル・エレクトリック など
ソフトウエア業界
ハードウェアの動作を制御するための手順や命令をまとめたプログラム、特定の目的や機能のために作られたアプリケーションで、それ自体では形を持たないものをソフトウェアと言います。
ソフトウェア業界の仕事は、プログラム言語を使って、コンピューターを動かすシステムを作ること。
具体的には、コンピューターなどのハードウェアを動かすためのプログラムであるオペレーティング・システム(OS)や、メール、表計算ソフトなどのアプリケーションソフトの開発を行っています。
ソフトウエア業界では、プログラマー、システムエンジニア、ネットワークエンジニアの求人が多く出ています。
ソフトウェア業界の代表的な会社
Windows、Oracle、Microsoft、ソースネクスト、サイボウズなど
情報処理サービス業界
システムインテグレータ(SI)と表現されることもある、情報処理サービス業界。
情報処理サービス業界では、企業の情報システムの導入時に必要となる企画や設計、構築、導入・保守などすべてのサービスを取り扱い、対応しています。
企業に対して、情報システムの導入を行う際に必要となるすべてのサービスを提供するわけですから、ハードウェアの選定やデータベースの構築、ソフトウェアの開発・管理・保守など、ハードウェアとソフトウェア両方の知識が必要。
情報処理サービス業界には、ITコンサルタント、セールスエンジニアなどの職があります。
情報処理サービス業界の代表的な会社
NTTデータ、富士通ビジネスシステム、野村総合研究所、日本IBM、伊藤忠テクノソリューションズなど
インターネット・Web業界
Webサイトの制作や更新を行うインターネット・Web業界。
企業向けのWebサイトの制作やネットワークの構築、個人向けのポータルサイト、SNS、ショッピングサイト制作を行います。
流行をいち早く取り入れて実践する、フットワークの軽さがポイントとなるため、働く人は比較的若い世代の人が多い業界です。
インターネット・Web業界には、WebプログラマーやWebザイナー、WebディレクターやWebプロデューサーなどの求人があります。
インターネット・Web業界の代表的な会社
Google、サイバーエージェント、Amazon、DeNA、Facebookなど
転職しても大丈夫?IT業界の将来性
転職を考えた場合、その業界で長く働けるかどうかも気になるところです。
IT業界においては、中長期的にもITに対する需要は増加する可能性が高いと見られています。
それは、ITの技術が情報通信業だけにとどまらず、金融業や運輸業、娯楽業、医療・福祉など、すべての産業で活用されているから。
IT利活用の多様化・高度化で、今後もITの需要は拡大するとされています。
IT業界の中でも特に注目の分野は?
IT業界の中でも、今後需要が高まりさらなる人手不足が予想される分野は「ビッグデータ」「IoT(/M2M)」「人工知能」市場です。
「ビッグデータ」や「IoT(/M2M)」「人工知能」は今後大幅に市場が拡大するとされていますが、十分な知識を持った人が少なく、製品やサービスを具体化できる人材が不足している状況。
そのため、これらを扱う企業への転職は狙い目です。
- ビッグデータ
ウェブ上の配信サイトで提供される音楽や動画、販売管理などの業務システム、アクセスログ等のデータの中でも、事業に役立つ情報を導入するためのデータのことをビッグデータといいます。
ビッグデータは、利用者のニーズや将来必要になるサービスを創出するために利用されます。
- IoT
モノのインターネットと言われるIoT(Internet of Things)。
データ処理やセンサーなどパソコンやスマホ、IT機器のみでできていたことが、椅子やコップなどモノでもできるようになることを目指します。
たとえば自動販売機にセンサーを付けて売れ行きをチェックすれば、顧客ニーズを正確に効率よく収集できます。
お掃除ロボットのルンバ、ドアに装着するだけでスマホでドアのカギの開け締めができるスマートロックなど、商品自体にネット通信やセンサーがつけばより便利な商品やサービスが提供できるというわけです。
- 人工知能
IBMのWatson、ソフトバンクのPepper、Appleに搭載されているSiriなど、人が脳で行っているような知的な情報処理を行うソフトウェアを人工知能(AI)と言います。
プログラム自体が自ら思考する能力を持つところが、ロボットとの違い。
IBMでは人工知能が音声認識を行い、会話の内容を文字ベースで記録するほか、顧客の声をリアルタイムで解析し顧客の課題を突き止め、その回答の手助けとなる情報を、オペーレーターの手元に表示するなど、さまざまな場面でAIの技術は活用されています。
参照)経済産業省
IT企業で働く人の職種別年収
IT業界へ転職するとなると、年収も気になるところです。
厚生労働省の平成28年賃金構造基本統計調査によると、産業・年齢全体の平均年収は347万円です。
IT業界全体の年収は企業によって異なりますが、20代367万円、30代488万円、40代603万円というデータがあります。
IT業界にもさまざまな職種があり、比較的未経験の人でも採用されやすいプログラマーと経験が必要なマネージャー職では年収は異なります。
20代 | 30代 | 40代 | |
---|---|---|---|
IT業界全体 | 367万円 | 488万円 | 603万円 |
プログラマー | 324万円 | 419万円 | 503万円 |
プロジェクトマネージャー | 469万円 | 590万円 | 661万円 |
参照)『転職完全ガイド 失敗しない転職必勝ルール』(晋遊舎)
IT業界のエンジニア職一覧
IT業界には、SEやプログラマー、組み込みシステムエンジニアなど多くの職種があります。
こちらの章ではエンジニア(技術)職のそれぞれの仕事内容や適性、あるとよい知識などを紹介します。
- プログラマー
- システムエンジニア
- ネットワークエンジニア
- 組み込みシステムエンジニア
- 社内SE
1. プログラマー
プログラミング作業を行うプログラマーは、ソフトウェア開発の基本となる職種といわれ、未経験からでも始めやすい仕事です。
- 仕事内容
- プログラマーは、システムエンジニアが設計したシステムに対してプログラミング作業を行う仕事です。
自社システムの構築やショッピングサイト、アプリの開発など、プログラミング言語を使いコンピューターを動かすためのさまざまなシステムやソフトウェアを開発します。
- 必要な知識や適性
- 使用するプログラミング言語は、Java、JavaScript、Perl、PHP、Objective-Cなどがあり、Web サイトを作る、アプリを開発する、家電機器を制御するプログラムを作るなど、仕事内容によって使用する言語は異なります。
未経験の求人も多い職種ですが、プログラミング言語の知識があると採用されやすいでしょう。
また作業は、地道にプログラムを組み不具合を修正するなど細かい作業がほとんどなため、根気のある人、コツコツと作業を進めるのが好きな人、集中力のある人などが向いています。
2. システムエンジニア
SEという表記でもおなじみのシステムエンジニアは、顧客のニーズに合ったシステムを構築する仕事で、顧客のヒアリングからシステムの設計、納品までシステム開発に総合的に関わります。
- 仕事内容
- ヒアリングを行い、顧客の要望に合ったシステムを開発します。
システムの全体図が記された仕様書の作成、システムの基本設計、プログラマーがプログラミングをするために必要な、細かな設計を行うのもシステムエンジニアの仕事。
予算や人員、進捗管理などのマネジメント業務も行います。
- 必要な知識や適性
- システムエンジニアは、顧客の要望を聞き問題解決のために最適なシステムを提案しなければいけないことから、深く広い専門知識が必要です。
そのため、プログラマーとして経験を積んだ人がシステムエンジニアを目指すことが多いと言います。
専門知識のほかに、プログラマーに指示を与える、進行管理を行うことからマネジメント能力や経験があるとよいでしょう。
さらに顧客やプログラマーなど多くの人と連携しながら仕事を行うことが多いので、コミュニケーション能力もあれば高く評価されます。
3. ネットワークエンジニア
有線や無線、インターネットやイントラネットなど、複数のPC同士を接続する方法をネットワークといいます。
ネットワークエンジニアは、快適で安心なインターネット環境を実現するために、ネットワークの構築や運用、保守を行っています。
- 仕事内容
- 顧客にヒアリングをして、最適なネットワークを設計することから始まり、回線の設置やアプリケーションのセットアップまで手がけます。
ネットワークの構築後は、ネットワークがうまく働いているかを監視し、ネットワークに問題が発生した際の対応にあたります。
ネットワーク構築後に、増設などの依頼があればそれにも応じます。
このように個々のPCデータを快適に送受信できるネットワークシステムを作るのがネットワークエンジニアの仕事で、設計・構築から運用・保守までトータルに対応しています。
- 必要な知識や適性
- ネットワーク技術と、サーバ基礎技術が必要です。
また、ネットワーク文書の最新の技術が書かれたものは英語のものが多いことから英語力も役に立つでしょう。
4. 組み込みシステムエンジニア
組み込みシステムエンジニアは、家電や自動車など製品に組み込まれるシステムを開発する仕事です。
- 仕事内容
- 家電や自動車など、独立した機械の中に組み込まれたコンピューターが、正常・安全に作動させるためのコンピュータシステムを開発します。
製品の精度や安全性に関わる重要な部分を担当するため、興味のあるメーカーで働くと、ものづくりの楽しさを感じられる「やりがいのある仕事」です。
- 必要な知識や適性
- 組み込むシステム自体はソフトウェアですが、そのシステムはハードウェアに搭載されるため、ソフトウェアとハードウェア両方の知識があるとよいでしょう。
またシステム開発には、プログラミングのスキルは必須です。
組み込みシステムエンジニアが主に使用する言語は、C、C++、C#、アセンブリなど。
それらの知識があると採用に有利です。
求人は「◯◯年の実務経験のある人」など経験者が求められることがほとんどですが、大手企業では、作業が分散されていることもあり、プログラミング言語の知識があれば大丈夫、というところもあるようです。
ものづくりが好き、機械に興味があり身近なものを分解して遊んだ経験があるなどの人は、組み込みシステムエンジニアに向いています。
5. 社内SE
自社の情報システムの企画・運用を行う社内SE。
社内SEは、「自分の作ったシステムが実際に活用されている様子が見られる」「不具合にすぐに対応でき感謝される」などからやりがいを感じられる仕事で、SEの中でも人気の職種です。
- 仕事内容
- 社内SEは、社内の仕事を円滑に進めるための、または起きている問題を解決するためのシステム開発を行います。
一般的なSEは「他社」のシステムを開発しますが、社内SEは「自社」のシステムを開発・運用するところに違いがあります。
システム開発の他に、社員が使うパソコントラブルの対応や、新入社員や中途入社の社員にパソコンの使い方を教えるなど、仕事内容が多岐にわたるのも社内SEの特徴。
企業内の情報通信に関係することはすべて、社内SEが対応している企業も少なくありません。
- 必要な知識や適性
- 社内で使用するシステムを開発するので、システム構築ができる、プログラマー以上の知識は欲しいところ。
また社員のパソコントラブルのサポートも仕事のひとつなので、セキュリティやネットワーク、ハードウェアなどの幅広い知識も必要です。
システム開発の際には、社内はもちろん外注スタッフなど多くの人と関わることになるので、コミュニケーション能力もあるといいですね。
営業・コンサルタント職一覧
IT業界というと、プログラマーやSEなどの技術職を一番に思い浮かべがちですが、営業やコンサルタントという職種もあります。
- セールスエンジニア
- ITコンサルタント
1. セールスエンジニア
セールスエンジニアは、営業の要素と自社製品の導入などの作業を行う技術的な要素を持つ仕事です。
- 仕事内容
- 営業としてクライアント側の担当者と交渉や調整を行ないながら、技術者として自社製品の導入にあたってのアドバイスを行います。
セールスエンジニアは、SEなどと違いシステムの設計やプログラミングは基本的に行いません。
自社製品の販売・契約から、システムをフル活用してもらうためのサポートを、セールスエンジニアが担当します。
- 必要な知識や適性
- セールスエンジニアは扱っている製品の専門性が高く、顧客に製品の説明や提案をしなければいけないこともあり、自社製品のことはもちろん、ITに関する幅広い知識が必要です。
ITに関する幅広い知識とともに、営業職の要素もあるため、プレゼンテーション能力やコミュニケーション能力もあると転職に有利でしょう。
2. ITコンサルタント
ITコンサルタントは、企業から経営や業務上の問題点を聞いて、その問題をIT技術により解決する解決策を提案する仕事です。
- 仕事内容
- ITコンサルタントの仕事は、企業の経営方針に沿ったシステム開発を提案すること。
よくSEの仕事と混同されますが、ITコンサルタントは「顧客の経営課題の解決」が、SEは「顧客の経営課題を解決するためのシステムを開発」が主な仕事となります。
ITの知識はもちろん、経営の知識も必要で、SE経験者がキャリアアップとしてITコンサルタントを目指すのが一般的です。
- 必要な知識や適性
- ITコンサルタントには、ビジネスの知識とITの知識が必要です。
経営を含めた顧客のビジネスを理解できなければ、良いコンサルティングはできません。
そのため、ビジネスに関する知識は必須。
また、ITコンサルタントは顧客のニーズや問題解決のために必要なIT技術を紹介しなければいけないため、IT全般の知識が求められます。
SEとしての経験やスキルがあれば、より効率的なシステムの提案や、リスク回避のアドバイスなど現実的なアドバイスができることから、ITコンサルタントはSEなどIT業界の技術職からの転職が多いのだとか。
ヒアリングや提案・アドバイスをする仕事なので、コミュニケーション能力も大事です。
ITコンサルタントは、クライアントの経営に影響する責任の大きな仕事で大変な反面、やりがいのある仕事といえます。
ITの営業・コンサルタント職への転職ならdodaエージェント
インターネット・Web業界の職種一覧
GoogleやAmazonなど、勢いがあり華やかなイメージのインターネット・Web業界の職種を紹介しましょう。
- Webデザイナー
- Webプログラマー
- Webディレクター
1. Webデザイナー
Webサイトのデザインを行うWebデザイナー。
具体的には、サイトの管理やデザイン、コーディング作業を行います。
- 必要な知識や適性
- サイトの構築や管理を行うのに、HTMLやCSS、JavaScriptなどのプログラム言語の知識があるとよいでしょう。
これらのプログラム言語はWebスクールで学ぶことができますが、独学も可能。
プログラム言語の知識があれば、未経験でも仕事に就きやすくなります。
写真やイラストの処理をするのに、IllustratorやPhotoshopが使えることも望ましいです。
画像の補修や調整などの細かい作業も多いため、集中力があり集中力を維持できる人にオススメの仕事です。
2. Webプログラマー
Webプログラマーは、プログラミング言語を使ってWebサイトを作る仕事です。
プログラマーと同様に、システムエンジニアが設計したシステムに対してプログラミング作業を行いますが、その対象はWebサイトに限定されるところが一般のプログラマーとの違いです。
- 必要な知識や適性
- Webデザイナーと同様に、HTML、CSS,JavaScriptなどのプログラミング言語の知識が必要です。
さらに、ブラウザーやデータベース、サーバーなどの知識もあると重宝します。
プログラミング言語が一文字でも間違っているとシステムは動かないので、細かい作業が得意な人が向いています。
3. Webディレクター
Webサイト制作を監督・指揮するWebディレクター。
クライアントやWebデザイナー、WebプログラマーなどWebサイト制作に関わる人々をまとめ、Webサイト制作の進行管理と品質管理を行います。
また企業内の制作であれば、各部署との連携や調整もWebディレクターの仕事です。
- 必要な知識や適性
- Webディレクターの仕事は、コーディングや写真やビジュアル素材の制作のほか、サイト制作に必要なチームの編成、スケジュール管理、予算管理、クオリティ管理など多岐にわたるため、Webサイトの構築・運用・管理を行う幅広い知識が必要です。
チームを指揮するリーダシップや、プロジェクトを管理するマネジメント能力も転職の際に高く評価されるでしょう。
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IT業界へ転職するなら何歳まで?未経者のIT業界への転職のポイント
求人サイトで「IT 未経験」と検索すると「年齢不問」「中高年活躍中!」などの求人を見かけますが、実際には何歳までOKなのでしょう?
IT業界へ転職する人の年齢
IT業界で働く人の平均年齢は40.4歳ですが、IT業界へ転職した人の平均年齢は以下の通りです。
ITコンサルタント | 平均34.6歳 |
---|---|
Webエンジニア | 平均31.5歳 |
ネットワークエンジニア | 平均34.1歳 |
ITコンサルタントは経験と知識が必要な職種のため、他の職種に比べると転職者の年齢は高めで、40歳以降でも28%転職者がいます。
一方で、Webエンジニアの40歳以降の転職者は11%と少なめで、25~29歳の転職者が全体の34%と最も多くの割合を占める結果となりました。
インターネット・Web業界は40歳以降の転職希望者が多いのですが、比較的若い人が求められており20代から30代前半の方が転職に成功しているようです。
とくに未経験の方の場合、30代以上での転職は厳しいと思われます。
ネットワークエンジニアの40代以降の転職者は、18%とwebエンジニアよりは高め。
30代以降でも努力次第で未経験からの転職は可能と言えます。
参照)doda職種図鑑
未経者がIT業界へ転職するポイント
IT業界が転職者に求めるものは、専門知識や能力・経験です。
「厚生労働省 平成27年転職者実態調査の概況」によると、専門的・技術的な仕事の場合、転職者を採用した理由として最も多いのが「経験を活かし即戦力になるから」64.8%、次いで「専門知識・能力があるから」55.0%、「職場への適応力があるから」21.1%という結果となりました。
事務的な仕事や販売の仕事、サービスの仕事に比べると、それぞれの数値は高め。
つまりIT業界は他業界に比べて、専門知識や能力が求められる傾向にあるといえます。
以上のことから、未経験の人は専門知識を身に付けてから転職活動をするとよい結果が出そうです。
また30代以降で未経験の転職に関しては、IT業界は人手不足のため、厳しいですが適切なアピールをすれば可能でしょう。
資格をとって未経験をカバーするのも大切ですが、営業ならコミュニケーション能力を、リーダー経験者ならマネジメントの経験があるなど、以前の仕事で培ってきた技術をアピールするのもひとつです。
年齢不問や未経験OKなど、採用基準の低い企業は離職率が高くブラック企業の可能性が高いので、ブラック企業に気をつけることも大切です。
未経者がIT業界へ転職するなら、IT系の転職に強いワークポート
IT業界に関するよくある質問
IT業界で働くことを考えたときに生じる疑問を解消しましょう。
- IT業界は残業が多いってほんと?
- 情報通信業の労働時間は長めです。
週60時間以上雇用者の割合は、情報通信業8.2%、全産業7.7%と平均より高く、年間総実労働時間は全産業が1724時間に対して、情報通信業は1933時間です。
情報通信業の労働時間が長いのは、システムの開発に、元請け、一次請け、二次請け等が関わる多重下請構造になることが多く、作業の進捗管理や製品の品質管理が難しいため。
しかし、情報通信業の離職率が低いことから、情報通信業は労働時間は長いですが、労働環境は悪くないと言えます。
「厚生労働省 毎月勤労統計調査 平成28年分結果確報」によると、離職率は、調査産業全体の2.04%に対して、情報通信業1.62%でした。
同じく労働時間が長いといわれている飲食サービス業等の離職率は4.28%、生活関連サービス等は2.95%、年収が高く人気の金融業・保険業1.77%と比べても低いことがわかります。
参照)厚生労働省IT業界の働き方・休み方推進、毎月勤労統計調査平成28年分
- IT企業で働く女性は少ないイメージがあるけれど、IT業界は女性が働きづらい環境なの?
- 「平成26年特定サービス産業実態調査確報」によると、IT関連産業における女性の比率は24.1%、つまりIT業界全体の4分の1が女性であるという結果が出ました。
女性がIT業界で働く際の課題として、「離職率の高さ」が挙げられています。
これは、健康や美容に気を使う暇がないほど忙しい、プライベートな時間を確保しづらいなどIT業界の労働時間の長さが影響しているよう。
ですが、女性の労働力の確保は人材不足の緩和になることから、女性が働きやすい環境を整える努力を行う企業も増えています。
今後もIT業界は人手不足が続く、需要の高い職種です。
また、プログラミングの知識や経験などは手に職をつけることになるため、女性にもオススメの業界です。
労働時間が気になる人は、大手企業の派遣社員から始める、ワーク・ライフバランスを大事にする外資系企業で働くなどで検討してみては。
- IT業界は理系じゃないと働けない?
- 文系・理系に関わらずIT業界で働くことができます。
大学成績センター「数理情報系科目取得者数調査・推定結果」によると、IT系スキル保有者の文系の割合は、プログラミングが全体の約15%、ネットワークセキュリティ約18%、データベース約15%というデータがあります。
IT系スキルを持っている人の割合は、理系の方が圧倒的に多いですね。
やはりIT業界は理系の人が向いているのでは?
上のデータからわかることは、理系の場合学校で情報系の知識を学ぶ機会があることから、IT業界へ進む理系出身が多いということです。
では、文系出身でもIT業界で働けますか?
もちろん働けます。
たとえば、システムエンジニアの書いた設計書をプログラム言語に変換するプログラマーは、文系・理系に関係なく、プログラム言語の知識があればできる仕事です。
このほかにもシステムエンジニアは、ITの知識の他に、顧客の困っていることや改善したい点をを正しく理解する力が必要です。
IT業界は、文系の人も活躍できる業界。
文系・理系に関わらず興味のある人は挑戦してみるといいですよ。
- IT業界へ転職するのにオススメの資格は?
- IT業界を目指す人全般にITパスポート、ITコンサルタントなどキャリアアップしたい人は基本情報技術者やプロジェクトマネージャー試験がオススメです。
- ITパスポート
ITパスポートは、経済産業省が認定する国家資格。セキュリティやネットワークなどITの知識のほかに、プロジェクトマネジメント等のビジネスの知識など、幅広い分野の知識が問われます。
合格すると、IT関連の基礎知識はもちろん、企業コンプライアンスや経営戦略、財務などエンジニアとして、社会人としての基礎知識が備わっていると認識してもらえるため、IT業界の仕事が未経験の人でも高く評価してもらえます。
合格率は、IT系54.7%、非IT系では59.1%(平成30年3月度)と高めでそれほど難しくないので、採用に不安な人はチャレンジしてみては?
- 基本情報技術者
基本情報技術者は、IPA(情報処理推進機構)が実施する情報処理技術者試験です。情報システム開発プロジェクトにおいて、プログラム設計書の作成、プログラム開発、単体テストまでの一連のプロセスを担当するなどの経験があり、情報技術全般に関する基本的な知識と技能を持つ人が対象。
合格率は平成29年実施分で22.1%と難易度は高めですが、IT業界でキャリアアップを目指す人は取得しておいて損はない資格です。
- プロジェクトマネージャー試験
プロジェクトマネージャー試験は、IPA(情報処理推進機構)が実施する情報処理技術者試験です。高度IT人材として専門分野をもち、システム開発プロジェクトの責任者として、プロジェクト計画を立案、必要となる要員や資源の確保、計画した予算、納期、品質の達成について責任をもってプロジェクトを管理・運営した経験のある人が対象。
合格率は平成29年実施分で13.1%と難易度はかなり高めですが、ITコンサルタントを目指す人にオススメの資格です。
このほか、ITコンサルタントを目指すなら、経営コンサルタント業務を行う国家資格で、顧客の問題解決になる経営の知識が得られる「中小企業診断士」もオススメです。
また、インターネット・Web業界を目指す人には、Webデザイナー検定・Photoshopクリエーター能力認定試験・Webクリエーター能力認定試験などさまざまな試験があるので、Web業界で働くのが初めての人や、30代の転職で不安な人は資格取得を検討するとよいでしょう。
IT業界の職種一覧のまとめ
現在、IT業界の人材は不足しており当分の間は求人が豊富な状態です。
ITの技術は今や情報通信業だけにとどまらず、金融業、運輸業、娯楽業や医療・福祉など、すべての産業で活用されているため、中長期的にもITに対する需要は引き続き増加する可能性が高いと言われています。
労働時間の長さからIT業界で働く女性の離職率の高さが問題になっていますが、人材不足緩和のため、労働環境の改善に取り組む企業も多く、大手企業の派遣社員など働き方を考えて転職すれば女性にもオススメの業界です。
また、30代以降で未経験者の転職は一般的に厳しいものですが、ブラック企業に気をつける、資格を取って経験不足をカバーするなどの対策で、満足度の高い転職ができるでしょう。