派遣社員になるまでの流れ

「派遣に登録するのがはじめてだから、どうしたらよいかわからない。」
「派遣社員の登録から就業までの流れを知りたい。」

はじめて派遣に登録するときは、わからないことばかりで不安ですよね。

正社員やアルバイトの採用とは異なる点があるので、派遣登録をする前に採用までの流れをきちんと把握しておくと安心です。

そこで今回は、派遣社員の登録から就業までの流れを詳しく紹介します。

派遣先とのやりとりは基本的に派遣会社がすべて行い、面接も行われないため、採用まであなたが派遣先企業と直接やりとりをすることはありません。

※顔合わせのための面談は行われる場合があります。

だからといって、すべて派遣会社任せにするのではなく、不安な点やわからないことがあれば、その都度確認するようにしてくださいね。

派遣先の会社で気持ちよくお仕事がスタートできるように、準備を進めていきましょう。

石峰朱実石峰朱実

“派遣”という働き方をよく耳にはするものの、複雑な印象を持っている方も多いかも知れませんね。
派遣の働き方を理解すれば、その働き方にメリットを感じられる場合もあるかも知れませんよ。
働き方の選択肢を増やすためにも、派遣についての理解を深めることはきっと有益!
自分にマッチする仕事内容を知るうえで、派遣会社への登録だけでも視野が広がるかも。
派遣社員の期間ももちろん職歴になります。
自分自身のキャリアビジョンを考えるうえで参考にしてください。

派遣社員になるには派遣会社への登録が必要

派遣社員として働くには、必ず派遣会社に登録する必要があります。

正社員や契約社員は、働く企業で直接雇用されるのに対し、派遣社員は派遣会社が雇用主となるのです。

正社員、契約社員、派遣社員の雇用の仕組み

派遣会社が雇用主なので、以下のような派遣社員の管理は派遣会社が行います。

派遣会社が管理すること

  • 派遣社員採用の選考
  • 紹介時の仕事内容の説明
  • 仕事や職場に関する相談
  • 欠勤の連絡
  • 給料支払

採用が決まったあとも派遣会社とやりとりをすることがあるので、担当者とは良好な関係を築いておくことが大切です。

ちなみに派遣会社のことを派遣元企業、そして派遣社員が実際に勤務する企業のことを派遣先企業ともいいます。

「派遣先企業」「派遣元企業」という言葉はよく使われるので、覚えておくといいでしょう。

派遣社員の登録から就業までの流れ

それではここから、派遣会社への登録から、派遣先でお仕事をはじめるまでの流れを詳しく見てみましょう。

派遣会社に登録するまでの流れは人によって多少異なるかもしれませんが、基本的には以下のような流れになります。

派遣社員になるまでの流れ

  1. Webサイトから派遣会社に登録申込をする
  2. 派遣会社の登録会に参加する
  3. 仕事を紹介してもらう
  4. 派遣先企業との顔合わせ
  5. 派遣先でのお仕事開始

ステップ1の派遣会社に登録する前に、求人サイト等で気になる求人を発見し、その求人の申込みフォームから派遣会社に登録する人も多くいます。

求人サイトから派遣会社に登録する人も、登録までの流れはほとんど同じなので、これから紹介する手順に沿って登録を進めていきましょう。

1. Webサイトから派遣会社に登録申込をする

まずはじめに、登録する派遣会社を決めます。

派遣会社は複数あり、それぞれ扱う求人や得意な分野が異なるため、あなたが希望する業界や職種に強い派遣会社に登録しましょう。

たとえば人気の事務職や、Webデザイナーといったクリエイティブ職で派遣の仕事を探しているならマイナビスタッフがオススメ。

まだやりたい仕事が決まっておらず、いろいろな選択肢から選びたいのであれば、豊富な求人を扱うリクナビ派遣もよいでしょう。

ほかにもアパレル派遣なびといった、職種に特化した派遣会社もあるので、職種が決まっている人はこのような特化型の派遣会社を利用すると、効率よく仕事がみつかります。

登録する派遣会社を決めたら、派遣公式サイトから派遣会社に仮登録をします。

マイナビ派遣公式サイトの申込ボタン

求人サイトの求人情報を通して派遣会社に登録する場合は、「この仕事にエントリー」や「応募する」と書かれたボタンを押すと、氏名や生年月日、連絡先などを入力するページに移動するので、内容に従って入力しましょう。

派遣会社公式サイトの応募するのボタン

エントリーページに入力したあなたのデータは派遣会社に送られ、当日もしくはそれ以降に派遣会社から「派遣登録会」や「カウンセリング」の案内メールが届きます。

「特定の求人に応募したいだけなんだけど、派遣会社への登録は必要?」という質問をよく聞くのですが、派遣社員を募集する求人は派遣会社が保有する求人ですから、求人に応募したい場合は登録が必要です。

ちなみに求人サイト等に掲載されている求人については、応募ができたとしても、採用枠がすでに埋まっている場合もあります。

申し込みが完了しても、応募した会社で働けないことがあるので、注意しましょう。

2. 派遣会社の登録会に参加する

派遣会社によってはWeb上で登録が完了する場合もありますが、登録会に参加することで、登録完了となるところもあります。

派遣社員登録会の様子

派遣会社の登録会ではまず、派遣会社と派遣先企業との関係や、働く際の注意点など派遣の仕事の仕組みについて、動画等で学びます。

このほか派遣会社によっては、エントリーシートの記入や、スキルチェックを行うところもあるようです。

スキルチェックは、PCの基本操作やタイピングスキル、一般常識などが問われますが文字通りスキルをチェックするもので、合否を判定するものではありません。

どういうスキルや知識があるかを把握し、仕事紹介の際の参考データにするものです。

スキルチェックのあと、派遣会社のスタッフと個別で面談が行われます。

面談ではエントリーシート等に記入された職歴の詳細や、希望の職種、労働時間や勤務エリアなど働く会社に対する条件、現在の就業状況についてを確認。

このヒアリングを通して、担当者があなたに最適の派遣先を選んでくれるので、あなたの経験や保有スキル、希望する派遣先などをきちんと伝えましょう。

登録会の所要時間は、1時間~1時間半程度かかります。

ちなみに派遣の登録会に行くときの服装は、基本的に自由です。

面接ではないので、リクルートスーツでなくてもOKですが、登録会は派遣会社の第一段階の面接となります。

派遣会社の担当者が安心して仕事を紹介できるよう、ビジネスの場にふさわしい清潔感のある服装で行きましょう。

派遣の登録会に必要な持ち物

登録会参加の前に、派遣会社から当日の持ち物についての連絡があるので、必ず確認しましょう。

派遣会社によって異なりますが、印鑑、免許証、パスポート、マイナンバーカード、健康保険証等の身分証明書が必要なところが多いです。

印鑑はシヤチハタ不可の会社もあるので、あらかじめシヤチハタ以外の印鑑を用意するとよいでしょう。

このほか、給料の振込先を記入しなければいけない場合、銀行の預金通帳やキャッシュカードが必要なので持っていると安心です。

さらに履歴書や職務経歴書、ポートフォリオの持参を求める派遣会社もあります。

履歴書や職務経歴書がいらない場合は当日登録会でエントリーシートを記入することになるので、事前に書いておいた職務経歴書など、経歴のわかるものを持参しておくと、当日スムーズです。

3. 仕事を紹介してもらう

派遣会社の担当者と面談をしたあと、あなたの適性に合った仕事を紹介してもらえます。

求人情報を見てエントリーした人は、基本的にはあなたが応募した仕事を紹介されるでしょう。

ただ派遣会社は、求人サイトに載せない非公開求人も保有しているので、いくつか紹介してもらってから決めるのもよい方法です。

もし紹介してもらった仕事が希望条件と合わない場合は、その場ですぐに決めなくても大丈夫です。

仕事が決まるまであなたが希望する条件に近い求人情報を、案内してくれるので、焦らず仕事を選びましょう。

また2020年4月から労働者派遣法改正により、派遣社員の賃金の決め方に新たな基準が設けられました。

改正に伴って、賃金の決め方について派遣会社から説明を受けることができるので、必ず確認するようにしましょう。

4. 派遣先企業との顔合わせ

派遣会社によっては、就業前に「顔合わせ」「会社訪問」などの名目で派遣先企業を訪れることがあります。

当日は、自己紹介と業務内容や勤務時間についての説明があり、企業によっては職場見学を行うところもあるようです。

面接ではありませんが、これまでの職歴や現在の業務レベル、取得した資格について聞かれることもあるので、事前に確認しておきましょう。

不安な人は派遣会社のスタッフに「自己紹介はどの程度、話せばよいのでしょう?」と聞いておくと安心ですね。

質疑応答の時間も設けられているので、業務で不明な点や、職場の環境について、わからないことを質問できるようにしておくのも忘れずに。

とくに質問がない場合も、「就業までに準備しておくことはありますか?」など聞いておくと、働く意欲が感じられてよい印象を与えられるでしょう。

顔合わせの際の服装ですが、派遣先企業の人とは初対面になるので、スーツかオフィスカジュアルがベスト。

派遣先企業の人に不快感を与えることのないよう、長い髪をまとめたり、服にきちんとアイロンをかけるなどして、清潔感を意識しましょう。

派遣先企業との面接は行わない(紹介予定派遣を除く)

派遣先企業は、派遣社員の面接を行うことはできません。

それは、労働者派遣法で派遣先企業による派遣社員の面接行為は禁止されているためです。

また、派遣先企業が「派遣労働者を特定することを目的とする行為」は禁止されており、具体的には、事前面接や履歴書等の書類を提出させること、採用を若年者に限ることなどが該当します。

派遣先企業に対しては、派遣元企業(派遣会社)が雇用主として責任を持って派遣労働者を派遣することになっているため、派遣元企業では面接ができますが、派遣先企業は面接ができないのです。

派遣元企業の面接については登録会での個別面談や、お仕事紹介時に担当者と行われる面談が、いわゆる面接にあたります。

面談という形でリラックスしながら話ができるので、面接が苦手という人にも心理的負担は軽減されてよいかもしれません。

※派遣期間終了後に正社員や契約社員として採用することを前提とした「紹介予定派遣」の場合は、書類選考と面接が行われる場合があります。

5. 派遣先でのお仕事開始

新しい社員が入社する

顔合わせが済み、問題がなければお仕事開始です。

就業日当日までのスケジュールや持ち物などの確認は、派遣会社の担当者と行います。

また就業日初日は、派遣会社の担当者が派遣先企業まで同行してくれることが多いです

はじめての職場はやはり緊張しますから、一緒に行ってくれると嬉しいですよね。

挨拶などを済ませたら派遣会社の担当者は帰り、いよいよ本格的にお仕事がスタート。派遣社員として働きはじめることになるのです。

ちなみに派遣会社によって異なりますが、就業後も派遣会社の担当者が状況確認のために定期訪問することがあります(月1回程度)。

お仕事が始まったあとでも相談に応じてくれるので、困ったことがあれば派遣会社に遠慮なく相談しましょう。

はじめての方でも安心の派遣会社2社

大企業の派遣会社もあれば、地域に密着した中小企業の派遣会社もありますが、はじめて派遣会社に登録するなら、大手の派遣会社が安心です。

登録申込からお仕事開始までの手続きがスムーズなので、はじめて派遣会社に登録する方でも迷うことなく手続きが進められるでしょう。

また大手の派遣会社は保有する求人が豊富なのもポイント。

登録は無料なので、気になる派遣会社があればお気軽に登録してみてください。

マイナビスタッフ(事務職の求人が豊富)

マイナビスタッフ

事務職とクリエイティブ職の求人が豊富なマイナビスタッフ。

全体の求人の中で事務職の占める割合は40%、クリエイティブ職は32%と圧倒的です。

未経験から働ける一般事務や営業事務、実務経験を活かして働ける、総務、経理、英文事務など、それぞれのキャリアや希望に合わせてマッチングしてくれます。

広告・出版業界のDTPオペレーター、プランナー、営業や、web業界のデザイナー、プログラマーなど人気のクリエイティブ職の求人も豊富。

マイナビグループの大手派遣会社だから、福利厚生や教育訓練など手厚いサポートが受けられるのも魅力です。

マイナビスタッフを利用する

リクナビ派遣(求人数や職種がとにかく豊富)

リクルートグループが運営する派遣求人サイト、リクナビ派遣では、日本全国のさまざまな職種の求人が揃います。

リクナビ派遣の公式サイトから、求人情報を見ることができるので、気になる派遣先をみつけることからはじめてもいいかもしれません。

「インターネット・Web業界で働きたい!」「医療系の仕事を探している」など業界から探せるのはもちろん、紹介予定派遣といった雇用形態や、時給額でも検索可能。

最近では在宅勤務な可能なお仕事も選べるようになっているので、柔軟な働き方を希望する方は、リクナビ派遣でお仕事を探してみてはいかがでしょうか。

リクナビ派遣を利用する

派遣社員になるまでの流れに関するよくある質問

これから派遣社員になる人のよくある質問を、Q&A形式で紹介します。

今すぐ働くわけではないけど派遣会社に登録だけしておいてもいい?
派遣会社に登録だけしていても大丈夫です。

むしろ余裕をもって先に登録しておくほうが、いざ仕事を始めたいとき、すぐに求人に応募できるので登録だけ済ませておくことは賢い選択ともいえます。

派遣社員は応募してすぐに働けるもの?
基本的には「登録→登録会→仕事紹介→就業」と通常の手順を踏むので、登録したその日から働けるわけではありません。

就業までの期間は、1週間~10日くらいかかると考えておきましょう。
ちなみに1日限りのような単発の仕事は、登録の当日に働けるものもあるようです。

派遣社員の募集はどんな仕事が多い?
平成30年派遣労働者実態調査によると、派遣労働者が就業している業務別事業所割合で一番多い職種は、29.3%の一般事務。

このほか、受付・案内12.9%、添乗8.5%、事務用機器操作5.3%と続きます。
「上記以外の職種の案件はないのか?」というとそんなことはなく、情報処理システム開発4.1%、営業1.8%などさまざまな職種があります。

※参照厚生労働省

未経験でも働ける仕事はある?
未経験の人でも積極的に採用している企業はあります。

一般事務やテレフォンオペレーター、コールセンターなど、マニュアル・研修がしっかりしている職種では未経験歓迎の求人が多く、未経験で働く人も多くいます。

ただプログラマーなどの専門スキルが必要な場合は、未経験の採用は難しいかもしれません。

「紹介予定派遣」と普通の派遣社員と何が違うの?
紹介予定派遣は、直接雇用されることを前提に派遣されることを言います。

一定期間(最大6カ月)派遣として就業し、期間終了後に企業と本人が合意した場合、直接雇用として採用されます。

重要な点は、「企業と本人が合意した場合」直接雇用になるという点です。
労働者と派遣先企業の双方の合意が必要で、派遣先企業が断ることもありますし、もちろん労働者側から断ることもできます。

派遣の期間に職場の人間関係や、仕事の適性を確認できる点はメリットと言えます。

紹介予定派遣で働きたい人は派遣会社に登録する際に、紹介予定派遣で働きたい旨を伝えましょう。

年齢が高くても仕事を紹介してもらえる?
派遣社員として働く人は、男性・女性ともに、40歳代の割合が多くなっています。

平成30年度派遣労働者実態調査
※参照厚生労働省

30代、40代でも派遣社員として活躍している方もたくさんいるので、まずは派遣会社に相談してみましょう。

1つの企業で派遣社員として働き続けることは可能?
「無期雇用派遣」なら1つの企業で長期間働き続けることは可能です。

派遣には2種類あり、登録型派遣(有期雇用派遣)常用型派遣(無期雇用派遣)にわけられます。

登録型派遣(有期雇用派遣)は、いわゆる派遣会社に登録をして、派遣先企業でお仕事をする一般的な派遣社員のことです。雇用期間が終了したらまた別の派遣先を紹介してもらいます。

そして登録型派遣の場合、1つの企業で働けるのは最長3年と決まっているのが特徴です。

一方常用型派遣(無期雇用派遣)は、派遣会社と無期限の雇用契約を結び、派遣先で仕事をする雇用形態のことを言います。

登録型派遣との違いは、派遣先での仕事が終了しても契約が切れないこと。次の仕事が決まるまでの待機期間がなく、待機期間中も給料が発生します。

待機期間中は、派遣会社(派遣元)で仕事をすることもあります。

この常用型派遣なら、1つの企業で働ける期間が決まっていないので、1つの企業で3年以上働くことも可能です。

派遣社員の副業は可能?
派遣会社の就業規則で副業が禁止されていなかったら、副業をすることはできます。
ただし副業を行うことにより、派遣会社または派遣先企業に損害を与えてしまうと、規則に違反する可能性があるので要注意です。

競合他社で働いたり、副業のために遅刻や欠勤が増えたりすると、トラブルの原因となるので、派遣会社や派遣先企業に迷惑がかからないような働き方を心がけましょう。

【まとめ】派遣社員になるまでの流れは簡単!担当スタッフが全面サポート

派遣会社への登録から、派遣先でお仕事をはじめるまでの流れを紹介しました。

登録したい派遣会社を決めたら、Webサイトから名前、生年月日、職歴などを記入して登録を進めましょう。

お仕事の紹介は、担当者との面接後になります。仕事の紹介から仕事開始後のサポートまで派遣会社が行ってくれるので、スムーズにお仕事がはじめられるでしょう。

派遣会社は複数あるので、どこに登録するべきか迷うかもしれませんが、派遣会社はお仕事開始後も長期にわたってやりとりすることになるので、信頼できる会社を選びたいところ。

大手のマイナビスタッフリクナビ派遣ははじめての派遣登録にオススメです。

登録は無料なので、いくつか登録してそれぞれの対応を比較してから、利用する派遣会社を決めてもよいでしょう。

監修者:石峰朱実(キャリア・コンサルタント)
石峰朱実
各種学校、公共事業にて主に就職支援を担当。また転職エージェントでの面接指導にもあたっており、人材業界での10年の勤務経験も含め、就転職支援では20年超のキャリア。>>詳細はこちら