社会人留学のメリット

社会人になってから留学する人の中には、スキルアップやキャリアアップ転職を目標としている人もいるでしょう。

ですが中には社会人留学をすれば、本当に帰国後の転職にメリットになるのかな……?」と思っている人もいるかもしれません。

社会人留学は、留学前にしっかりと情報収集し準備をすれば、帰国後の転職でキャリアアップにつなげることができます。

逆に、「とりあえず留学したらなんとかなるだろう!」と思っていると、帰国後の転職活動の際に「留学中にもっとこうしといたらよかった…」と後悔してしまうかもしれません。

そんな事にならないように、今回はキャリアアップ転職を成功させる、社会人留学のポイントを紹介します。

キャリアアップを目的として社会人留学を考えている人は、ぜひ読んでみてください。

目次

社会人留学は意味がある?社会人留学のメリットとデメリット

キャリアアップを第一の目的に留学し用としている人は、「社会人留学って本当にする意味があるのかな?」と疑問に思ったことがあるのではないでしょうか?

もちろん海外で生活するわけですから、語学力が伸びることは期待できます。

さらに日本ではできない貴重な経験ができるというメリットがあるので、社会人留学をする意味は十分にあるでしょう。

ただ、社会人留学にはデメリットもあります。

ここでは社会人留学のメリットとデメリットを紹介するので、あなたにとって社会人留学は意味のある経験になりそうか確かめてみてください。

社会人留学の5つのメリット!語学力だけなく人生の経験値でプラスになる

社会人留学には、大きく5つのメリットがあります。

  1. 英語漬けの環境で勉強することができる。
  2. 海外での生活から生きた実践的な英語を身につけることができる。
  3. 海外での生活で現地の文化や人と交流することができる。
  4. 海外で生活することで日本のことを客観的に見る視点を持つことができる。
  5. 海外の友達やネイティブとのつながりができる。

これらのメリットは社会人留学に限らず、全般的な海外留学に言えることですね。

留学ジャーナルによる留学生を対象とした調査によると、「留学で身についたもの」という項目で以下のような結果となりました。

語学力 70%
コミュニケーション力 49%
異文化適応力 48%
広い視野 29%
積極性 27%
忍耐力 20%
交渉力 18%
専門知識 12%
参考図書)留学ジャーナル 2016年8月号

語学力が身についたと答えた留学生は70%、その他約半数の留学生がコミュニケーション力や異文化適応力が身についたと回答していますね。

このことから、留学は英語力だけでなく、さまざまな力が身につくプラスの経験になると言えると思います。

池上 彰子

いつか留学をしたいと思ってる社会人の方は、まずどんな留学をしたいのか具体的に考えてみることをオススメします!

社会人留学のデメリットとは?帰国後の転職やキャリアアップに失敗

次は、社会人留学のデメリットについてです。

社会人留学で考えられる大きなリスクは、日本でのこれまでのキャリアにブランクができてしまうことです。

短期留学だと、現在勤めている会社を退職せずにできる場合もあるでしょう。

しかし長期留学だと、会社の社内留学を除いて、今勤めている会社を退職する必要がある人がほとんど。

留学によってキャリアにブランクができることは、留学後の転職において少なからず影響があることを、念頭に置いておかなければいけません。

この他にも社会人留学を経験した人は、以下のようなデメリットがあると言っています。

  • 英語力はそこそこ上達したが、仕事で使うには自信がない。
  • 英語が使えれば、キャリアアップ・給料アップにつながると思っていたが違った。
  • 思ったよりも英語力が伸びず、ビジネス英語の授業も受けることができなかった。
  • 英語を使う仕事の求人が思っていたより少なかった。
  • 英語が使えたとしても、キャリアがない分野への転職は難しい。

留学はしたけれど、期待以上に英語力が伸びず、留学後のキャリアアップに活かせなかったという意見が多いのがわかります。

つまり、必ずしも「社会人留学=英語力が身につく=キャリアップ」という訳ではないということです。

池上 彰子

社会人留学を成功させるためには、留学前の準備が大きなポイントになります。どんな準備が必要か、これから詳しくみていきましょう。

社会人留学のメリットを帰国後の転職に最大限活かすためにはどんな留学がいい?

せっかく海外留学に行くのですから、帰国後の転職にプラスになるような留学にしたいですよね。

ただ海外に行って、語学学校に通うだけでは、帰国後のキャリアアップに活かすことはできません。

ここでは留学に行く前に、留学後の転職事情と留学経験を最大限活かす方法を紹介します。

社会人留学経験の企業側の評価と未経験分野への転職

社会人留学を終えて、帰国後の転職はスムーズにいくのか、英語を使ったお仕事に就けるのかどうか気になる人もいますよね。

結論から言うと、社会人留学をしたからといって必ずしも転職に有利になるとは限りません。

なぜなら企業側が人材を採用するとき、留学経験だけで採用することはないからです。

ここでは、企業が社会人留学をどのようにみているのか、帰国後の転職で未経験の職種のお仕事に就くことはできるかどうかなどについて詳しく紹介します。

社会人留学自体は直接的なキャリア評価に繋がらない

社会人留学を計画している人のなかには、「留学=キャリアアップ・給料アップ」と思っている人もいるかもしれませんね。

しかし、実際のところ、企業側は語学留学を直接的なキャリアの評価とはみていません。

それどころか、「留学は遊び」というマイナスのイメージを持っている会社や採用担当者がいることもあるのです。

日本での就職が一番しやすいと言われている新卒採用でも、英語力は必ずしも重要視されているわけではないという調査結果もあります。

  • 「採用に当たっては、留学経験の有無は考慮しない」と答えた企業は72.5%
  • 「留学経験者を積極的に採用したい」と回答した企業は14.2%

やはり社会人の転職の際に重視されるのは、「専門的なスキル」を持っているかどうかです。

「英語力は専門的なスキルにならないの?」と思った人もいるかもしれませんね。

ですが「日常的会話に困らない英語力」を専門的なスキルとみなす企業は、残念ながらあまりありません。

つまり、一般的な転職と同様に留学後の転職の際には、これまでの仕事で培った経験やスキルを、次の会社でどう活かせるかをアピールできるかが一番のポイントになるわけです。

留学で身に着けた英語力は、転職においては、あくまで「プラスアルファーのアピールポイント」と考えておいた方がいいでしょう。

社会人留学後の未経験の業界・職種への転職はやはり難しい傾向に

「留学前に働いていたお仕事とまったく違う未経験の業界・職種に就きたい」または、「留学前のキャリアが短い」という人もいるでしょう。

以下は、転職・求職サイト「doda(デューダ)」の調査結果で、未経験でも申込みができる業種・職種の求人の割合を示しています。

業種や職種経験不問の求人割合

このグラフから、未経験でも申し込むことができる業種の求人は、全体の求人の約半分を占めていることがわかりますね。

一方で、未経験でも申し込むことができる職種の求人数は、全体の中でたったの8%という結果です。

つまり転職において、業種(例:IT・通信/メーカー/マスコミ)を変えて求人を探すことは、比較的簡単といえるでしょう。

しかし職種(例:事務/営業/ITエンジニアなど)を変えて求人を探すというのは、求人自体の数が少ないので、難しいということになります。

未経験職種への転職を成功させるには「英語力+知識や技術の習得」が必要

以下は、実際に転職活動をおこなった人が、未経験の業種・職種にどのくらい就職できたかを示したグラフです。

異業種と異職種への転職割合

転職活動の結果、まったく違う業種に転職した人の数は、全体の約半分で、求人の割合とほぼ同じです。

一方で、違う職種に転職した人の数は、全体の約30%と、求人数の割合に対して約3倍という結果に。

未経験でも申し込める職種は少ないのに、なぜ多くの人が転職に成功しているかというと、この30%の中に次のように転職した人がいたからです。

  • 販売職の経験を活かして営業職へ転職した人
  • 営業経験を活かして営業アシスタントに転職する人
  • 技術職の経験を活かしてセールスエンジニアへ転職する人

つまり未経験職種への転職だけど、前職の知識やスキルを活かせる職種に転職している人が多いというわけです。

これらのデータを見ると、社会人留学で英語力という強みができたとしても、なんのスキルもなしに未経験の職種に転職することは厳しいことがわかりますよね。

池上 彰子

社会人留学後に未経験の職種への転職を考えている人は、英語プラス専門分野の勉強をしたり、資格をとったりすることをオススメします。また海外で働く経験をするのもいいでしょう。

転職に失敗しない社会人留学をするための5つのポイント

ではどのような社会人留学をすれば、帰国後のキャリアップや未経験の業種・職種への転職につながるのでしょうか?

社会人留学を考えるときには、次の5つのポイントをおさえることで、帰国後のキャリアアップや転職につなげることができます。

  1. 留学のために退職するべきか迷っている人は在職中の短期留学も検討する
  2. 退職してから留学する場合は帰国後に転職したい業界や職種を調べておく
  3. 英語の勉強だけでなくボランティア体験や専門分野の勉強もする
  4. エージェントや学校を選ぶときはキャリアサポートがあるかチェックする
  5. 留学前の自分の英語レベルを把握してできるだけ英語力を伸ばしておく

では、これら5つのポイントを詳しく説明していきたいと思います。

1. 留学のために退職するべきか迷っている人は在職中の短期留学も検討する

いつか長期留学をしたいと考えているけど、今働いている会社を辞めるべきか迷っている社会人の方もいるでしょう。

また「会社を辞めるまでもないけど英語が話せるようになりたい」「ただ単に海外生活に憧れている」という理由で、社会人留学を考えている人もいるかもしれませんね。

そんな人は、会社を辞めずにできる短期留学の検討をオススメします。

私立の語学学校だと1週間からでも入学ができるので、お仕事の都合に合わせて留学期間を決めることが可能です。

また、コースやプログラムが豊富な語学学校だと、あなたの目的に合った内容の授業を受けることもできます。

ちなみに最近では、フィリピンのセブ島も社会人の短期留学先として人気です。

セブ島の語学学校では、短期間で集中的に朝から夜までスピーキングやTOEICなどの試験に重点をおいて、マンツーマンで勉強する強化プログラムなどを設けていることもあります。

「短期留学じゃ話せるようにならないだろう」「英語力はつかないだろう」と思っている人は、このようなコースも検討してみるといいかもしれません。

なにより短期留学は、長期留学に比べて費用が抑えられるという点と、これまでのキャリアに穴をあけずに済むという点で、留学によるリスクを避けることできます。

社会人の短期留学のメリット

  • 現在の会社を辞めずにすむので、帰国後の転職の心配や不安がない。
  • 仕事の都合に合わせて自分で留学期間を決めることができる。
  • 長期留学と比べて、留学費用を抑えることができる。

2. 退職してから留学する場合は帰国後に転職したい業界や職種を調べておく

現在働いている会社を退職して留学する場合は、留学を終えて帰国後どんな業界で、どんな職種で働きたいかも考えてみてください。

そして、その企業や部署で働くためには、今のあなたには何か足りないのか、それを補うためには何が必要かを具体的に書き出してみましょう。

するとおのずと、あなたがどのような留学をすればいいのか、留学中にどのようなスキルや知識を身につけたらいいのかわかってくると思います。

社会人の語学留学がメリットになる、英語力を活かせる企業や職種を8つピックアップしたので参考にしてください。

1. 外資系企業

外資系の企業は、海外とのやりとりが多いので、必然的に英語力を求められることが多いです。

職種によっては、かなり高い英語力を応募条件としているものもあります。

社会人留学のメリットが活かせる外資系企業の求人
社会人留学のメリットが活かせる外資系企業の求人2

2. 旅行・ホテル業界

最近では海外からの旅行者が増加しているので、日本にいても英語力が必要になる場面も多くあります。

とくにホテルのフロントや、海外旅行客向けのバスの添乗員、サポートデスクでの対応など、外国人と直接コミュニケーションをとるような職種を目指すなら、英語ができると転職に有利になるでしょう。

しかし英語力を必須としない求人も多く、必ずしも英語力が必要という訳ではありません。

旅行企画担当や、日本人向けの旅行を販売する旅行会社の店員などは、英語を使うことはあまりないでしょう。

一口に旅行・ホテル業界といっても働く職種によって英語の使用頻度や英語力も違ってくるのです。

業務によっては、旅行業取扱管理者など他の資格が必要になることもあります。

社会人留学のメリットが活かせるホテルの求人
社会人留学のメリットが活かせる旅行関係の求人

3. 海外営業

外資系企業だけでなく、国内の企業で海外営業として働く場合も多く、ある一定の英語力を必須としています。

社会人留学のメリットが活かせる海外営業の1
社会人留学のメリットが活かせる海外営業の求人2

4. 国内営業

基本的な仕事は国内ですが、最近はどんな業種でも海外とのやりとりが増え英語が必要になることも多いです。

英語のスキルが必要な場合は、以下の求人情報のように、TOEICの点数が記載されいていることもあります。

社会人留学のメリットが活かせる国内営業の求人1
社会人留学のメリットが活かせる国内営業の求人2

6. 貿易事務

輸出・輸入に関する書類の作成だけでなく、出荷から輸送、通関、そして納品などの手配や管理などの業務が主な仕事になります。

貿易事務の経験がない人は、留学中に貿易実務検定や通関士の資格の勉強もしておき、帰国後に受験してみるのもよいかもしれません。

貿易実務検定は、日本の民間試験で、知名度の高い認定試験の一つです。

レベルはA級・B級・C級と3段階で、難易度ではA級が一番難しくなります。

貿易事務の求人の中には、貿易実務検定の資格を持っていると未経験でも申し込むことができるものも。

また、貿易関係の国家資格では、通関士もよく知られています。

通関士とは、輸出・輸入の貿易をするときに貨物が必ず通る「通関」で受ける手続きをおこなうスペシャリストです。

試験は年に1回秋ごろ実施されます。

そして貿易事務の求人にも、以下のように英語能力についての記載があります。

社会人留学のメリットが活かせる貿易事務の求人1
社会人留学のメリットが活かせる貿易事務の求人2

7. バイヤー・マーチャンダイザー(MD)

バイヤー・マーチャンダイザーは、おもに海外のファッション・食品・家具・雑貨・ジュエリー・家電などの商品を取り扱う仕事です。

マーチャンダイザーとは、主にアパレルメーカーやデパートなどで、市場調査をもとに商品の開発を企画し、販売におけるプロモーション活動や予算管理などの業務をおこないます。

以下は、バイヤー・マーチャンダイザー(MD)の求人の一部です。

社会人留学のメリットが活かせるバイヤーの求人1
社会人留学のメリットが活かせるバイヤーの求人2

8. 専門学校・大学の事務

最近は留学生も増え、英語が堪能な留学担当の求人も増加しています。

なので大学事務の求人情報を見ると、英語に関する条件の記載があることも多いです。

しかし、雇用形態は、正社員よりも派遣社員や契約社員が多いようです。

社会人留学のメリットが活かせる大学事務の求人1

社会人留学のメリットが活かせる大学事務の求人2

池上 彰子

社会人留学後にどんな仕事をしたい考えて、その仕事に就くには何が必要か調べてみましょう。
そして、どんな留学が自分に必要なのかしっかり検討してくださいね!

※求人参照)マイナビ転職、en転職、enミドルの転職、
ロバート・ウォルターズ、マイナビ転職女性のおしごと、リクナビ転職

3. 英語の勉強だけでなくボランティア体験や専門分野の勉強もする

企業が人材を採用するときに重視するのは、履歴書や職務経歴書に書かれたこれまでの経験や資格です。

留学先で単に英語を勉強して、海外生活を満喫しているだけでは、履歴書にはTOEICの点数しか書くことができず、それ以外の経験を書くことができません。

今までにキャリアがある人は、そのキャリアに英語力がプラスされるので、留学で身についた英語力もアピールポイントの一つになるでしょう。

ですが、これまでのキャリアがあまりない人や、キャリアのない未経験の職種で転職したいと思っている人は、英語力だけをアピールしてもなかなか決め手に欠けるのは事実です。

そんな人は、留学の目的を英語学習や海外生活だけでなく、プラスアルファの目標を立てて留学を検討してみることをオススメします。

ただしプラスアルファの体験や勉強をするには、留学前になるべく英語力を伸ばしておかなければいけません。

目安としては、TOEIC600点(英検2級程度)くらいまで伸ばしておくと、海外でアルバイトやインターン、ボランティアで働きながら英語を勉強をすることも可能に。

アルバイト、インターン、ボランティアは、英語力によって働ける仕事が限られてくるので、できるだけ留学前に英語の勉強をしておくことをオススメします。

ビジネス英語のコースについては、受講の目安を中級以上の英語力(TOEIC550~)と設定している学校が多いようです。

また、社会人の海外の大学・大学院への留学に人気な資格の一つに、海外MBAがあります。

MBAとは「Master of Business Administration」の略。

日本でいうと「経営学修士/経営学修士(専門職)」のことを指し、ビジネス経営に関わるさまざまな知識を実践的に学びます。

海外のMBAは、日本の企業も認めている資格の一つです。

しかし海外でMBAを取得したからといって、必ずしも帰国後のキャリアアップにつながるかというと、そういうわけではありません。

というのも、海外でMBAを取得できる学校は、ピンからキリまで非常にたくさんあるからです。

なので、就職で有利になりやすいMBAの学校を選ぶことが重要になります。

このほかITやエンジニアなど、ある特定の分野のスキルを学ぶことも帰国後の転職につながるでしょう。

池上 彰子

英語学習だけでなく、プラスαのことを体験したり勉強する場合は、学校選びを慎重におこなってくださいね。

4. エージェントや学校を選ぶときはキャリアサポートがあるかチェックする

帰国後の転職も見据えて、あなたの留学での目的・目標が立てられたとします。

次に、留学エージェントや学校のホームページから、社会人向けの留学にはどんなコースやプログラムがあるのか実際に調べてみましょう。

日本国内の留学エージェントだと、留学説明会などを開催していることもあるので参加してみるのもいいかもしれません。

その際には、帰国後にキャリカウンセラーによる就職サポートがあるかどうか、そしてサポートの具体的な内容もチェックしてみてください。

留学エージェントや学校によっては、次のようなキャリアサポートがあります。

  • 留学前のキャリアセミナー・個別のキャリアカウンセリング
  • 留学中の就職情報をメルマガで配信
  • 留学中のキャリアカウンセリング
  • 帰国後の就職セミナー・個別キャリアカウンセリング
  • エントリーシートの書き方のサポート
  • 模擬面接の練習

キャリアサポートは対面だけでなく、メールやスカイプなどのオンライン通信を利用して、有料または無償で提供していることもあります。

池上 彰子

帰国後の転職活動が心配な人は、キャリアサポートが充実している留学エージェントを選んで、留学前から帰国後まで相談にのってもらえると安心かもしれませんね。

5. 留学前の自分の英語レベルを把握してできるだけ英語力を伸ばしておく

前項でも述べた通り、留学前に英語力をできるだけ伸ばしておくことは、留学の幅が広がるだけでなく、帰国後の転職活動においても重要になります。

「学生時代から英語が苦手で初心者レベルの語学力だけど、海外で勉強したら何とかなるだろう」と思っている人は、気を付けてください。

なぜなら、スタートの時点で英語の基礎の文法や単語が身についているか、そうでないかでその後の英語力の伸び方にも差がでてくるからです。

以下は、留学前と留学後のTOEICのスコアを比較して、どのくらい点数が伸びたかを示しています。

留学前後のTOEICの伸び

参考図書)留学ジャーナル 2018年11月号

留学後にTOEICのスコアが、100~249点伸びたという人が半数以上という結果です。

まずは、TOEICなどの試験を受けてみて、今の自分の英語力がどのくらいか把握しておきましょう。

留学前のスコアを知っておけば、帰国後の転職活動で「留学で〇〇点伸びました」と明確にアピールできる材料の一つにもなります。

そしてできれば最低限、中学生レベルの文法や単語は、留学前に理解しておいてください。

以下は、TOEICのスコアで見る英語力のレベルの目安です。

TOEICスコア 英語力のレベル
200~
395点
相手にゆっくりと話してもらったても、簡単な会話を断片的にしか理解できない。
自分から話しかけるときにも、単語を並べて話す程度なので、日常会話においても意思疎通が難しいレベル。
400~
495点
街にある標識がどんな指示か、看板からどんな店なのか理解できる。
会話においては、文法や構成、語彙力が足りない部分は多いが、相手がゆっくりと話してくれたり繰り返して話してくれたりする場合には、最低限のコミュニケーションをとることができるレベル。
500~
595点
飛行機やバス、電車の時刻表を見て理解することができる。
長い複雑な文章でのやりとりは難しいが、短く簡単な文章でのやりとりであれば、意思疎通が可能なレベル。
2018年度の企業内定者のデータによると、TOEICの平均スコアは538点というデータがある。
600~
695点
自分への簡単な仕事についてのメモやメールであれば理解することができる。
海外旅行などで道を尋ねる場合、相手にゆっくりと話してもらうことで目的地までの道のりを理解することができたり、お店で食べ物の注文もできるレベル。
700~
795点
仕事での会議の案内や連絡、社内文書などを読んで理解することができる。
自身の仕事のやり方を説明することができるレベル。
800~
895点
日常会話は完全に理解でき、スムーズにやりとりを続けて意思疎通を図ることができる。
ビジネスにおいても本格的に英語を活用することができ、職種や企業によっても異なるが、国際部門での仕事や通訳・翻訳・英語講師としても働くことが可能なレベル。
900~
990点
文法や構成、語彙を正確に把握しており、日常会話からビジネスまで、ネイティブとのやりとりを流暢にこなすことができる。
ネイティブスピーカーに近いレベル。

転職を成功させるために社会人留学後にやるべきこと5つ

社会人留学後の転職を成功させるために、留学前にするべきことについて紹介しましたが、帰国後にもやるべきことがあります。

ここでは、社会人留学を終えて帰国後の転職活動を迎えるときに、知っておきたいポイントや心がまえを紹介します。

  1. 社会人留学が終わる1~2か月前には転職サイトに登録して情報収集する
  2. 海外での就職は狭き門!まずは日本での転職を検討してみよう
  3. 面接で留学に関する質問をされたときに備えて事前に回答を準備する
  4. 英語を使う仕事だけに絞らず転職先を探してみる
  5. 転職活動で英語力をアピールする場合はTOEIC700点以上を目指そう

これら5つのポイントを抑えて、社会人留学での経験を活かせるように、帰国後の転職活動に挑みましょう。

1. 社会人留学が終わる1~2か月前には転職サイトに登録して情報収集する

帰国後の転職活動をスムーズにするために、留学が終わる1~2か月前には、転職サイトに登録して、求人などの情報収集を始めることをオススメします。

「転職活動は、帰国して落ち着いてからで大丈夫だろう」と思っている人もいるかもしれませんね。

しかし、帰国してから転職活動までの期間があまり長くなると、その分キャリアのブランク期間が長くなってしまいます。

キャリアのブランクは少ない方が転職に有利になるので、留学が終わる時期が近づいてきたら少しずつ転職活動の準備をしていきましょう。

転職サイトにもいろいろありますから、あなたの目的に合った転職サイトに登録してください。

20代の転職 マイナビジョブ20’s
30代の転職 リクナビNEXT
外資系の転職 ロバート・ウォルターズ

2. 海外での就職は狭き門!まずは日本での転職を検討してみる

海外でのびのびと充実した留学生活が終わりにかかると、「数ヶ月や1年間の留学ではなく、もっと海外で勉強したい!」「できたら現地で就職をしたい!」と思う人もいるでしょう。

ですが海外で就職するなら数か月や1年間の留学だけでは難しい、というのが事実です。

まず、ビザの関係で観光ビザや学生ビザのままでは、海外で就職できません。

また日本の大学を卒業して学士などの学位が取れていても、海外で資格を取れていないとなかなか評価されず、現地での就職は厳しいのが現状です。

日本国内でも英語力を活かせる仕事はありますから、すぐに働きたいという方は日本で仕事を探すのが賢明でしょう。

どうしても海外で転職したいと考えるなら、海外の大学や大学院への入学、または編入をして卒業することを検討してみてください。

海外の大学や大学院の学位コースを修了して、現地で就職活動をするときには、学校のインターンシップ制度と就職カウンセリングの活用をオススメします。

これはどの国にでも言えることですが、やはりコンピューター関係や理工系、ビジネス、会計などの専門分野での資格を持っていると、海外でも比較的就職しやすいでしょう。

池上 彰子

海外での就職活動では、現地の日本企業、日本の外資系企業も選択肢の一つとして考えてみてください。

3. 面接で留学に関する質問をされたときに備えて事前に回答を準備する

以下は、留学経験者が就職や転職での面接の際によく聞かれる質問です。

  • なぜ留学しようと思ったのですか?
  • それは日本では達成できなかったことですか?
  • 現地での生活(学校やインターンシップなど)の具体的な内容は?
  • 留学の経験をどのように仕事に活かしたいと考えていますか?
  • 留学から何を得ましたか?それは我が社にどう役に立ちますか?
  • どうしたら英語を話せるようになりましたか?
  • 留学する前と後で何が変わりましたか?
  • 留学で自分が一番成長したと感じたことは何ですか?
  • 日本のよいところは何ですか?
参考図書)留学ジャーナル 2015年2月号

社会人留学でなにを学んだか、海外生活でなにが身に着いたかを明確にして、これらの質問に答えられるようにしておきましょう。

面接では「どのように自分が転職先の会社で役に立つことができるか」を、具体的にアピールできるかが大きなポイントになります。

4. 英語を使う仕事だけに絞らず転職先を探してみる

社会人留学を終えて転職活動を始める際、「留学をしたのだから、英語が使える仕事をしたい」と考える人は多いでしょう。

しかし、帰国後の転職活動をするときは、英語を使う求人だけに絞らずに、仕事を探すことをオススメします。

というのも、転職してすぐは英語を活かせる業務に就けなくても、その後キャリアを積めば英語力が活かせることも多々あるからです。

また、英語を使う仕事以外の求人も探すことで、転職のチャンスが広がります。

転職を希望する業界・職種を中心に仕事を探しつつ、それ以外の仕事についても調べてみてましょう。

5. 転職活動で英語力をアピールする場合はTOEIC700点以上を目指そう

転職の際に、英語力は直接的なメリットになる訳ではないと前項で言いました。

では「留学で身につけた英語力を面接でアピールすることはムダなのか」というと、そうではありません。

英語力が直接的な採用のポイントにならないとしても、「英語力がある」ということはプラスに捉えてもらえるでしょう。

ただし、転職活動で英語力をアピールする場合は、最低でもTOEIC700点以上を取得しておくことをオススメします。

なぜかというと、700点以下(英検2級程度)のスコアだと、選考する企業に「留学=遊学」と思われてしまう可能性があるからです。

以下は留学前と比べて、留学を終えてどのくらいの英語力がついたのか、TOEICの点数をもとにしたデータです。

TOEICスコア 留学前 留学後
895~990点 5% 5%
845~894点 2% 12%
795~844点 6% 9%
745~794点 13% 12%
695~744点 9% 12%
645~694点 9% 8%
595~644点 7% 5%
545~594点 5% 3%
495~544点 8% 2%
445~494点 4% 2%
395~144点 9% 3%
受験経験なし 23% 27%
参考図書)留学ジャーナル 2018年11月号

留学後のTOEICのスコアで700点以上をとっている人が、全体の約半分という結果です。

なので、転職活動でもアピールできる最低700点以上を目標にして、留学中に英語力アップを目指すといいでしょう。

もしかすると、留学前に自分が掲げていたTOEICの目標のスコアを達成できなかったという人もいるかもしれませんね。

その場合は、目標スコアがとれなかった原因や理由を考えてみて、帰国してからも苦手な部分を勉強しなおし再チャレンジしましょう。

池上 彰子

もし面接で目標のTOEICのスコアがとれなかったことを尋ねられたら、「いつまでに何点とることを目指している」と明確に答えると、印象がよくなります。

社会人留学はいつ行くべき?留学のメリットを転職に活かせるタイミングや年齢

「社会人留学はしたいけど、いつのタイミングがいいんだろう?」

「30代だけど、この年齢で留学することが転職のメリットになるのかな?」

このように、留学するタイミングについて悩んでいる方もいるでしょう。

社会人留学に年齢制限はないので、何歳で留学をしても早過ぎたり、遅すぎたりすることはありません。

「自分の留学の決断に迷いがなく、留学に向けての準備が十分に整ったとき」が、留学に行くベストタイミングと言えるでしょう。

ただし帰国後の転職を考える場合は、留学するタイミングや年齢を無視するわけにはいきません。

帰国後の転職先を、前職の経験を生かした同じような職種を希望するか、前職とはまったく違う職種を希望するかによってベストなタイミングが変わってくるのです。

そこでここでは、社会人留学をするタイミングや年齢による帰国後の転職活動の影響を説明したいと思います。

社会人留学をいつするべきか迷っている人は、参考にしてください。

社会人3年目の留学は帰国後の転職でメリットになりにくい傾向がある

社会人3年目で留学を考えて迷う人も多いと思います。

「今の仕事にやりがいを感じない…」「自分の人生はこのままで本当にいいのかな…」といったように、現状に不安や不満を感じて、留学を考える社会人の方もいるでしょう。

社会人3年目は、年齢で言うと25歳または26歳です。

たとえば1年間の社会人留学をした場合、帰国するころには26歳や27歳になります。

25歳、26歳の年齢を超えてくると、中途採用する企業側も前職での実績や専門スキルなどを重視します。

もし帰国後に前職とは違う職種でキャリアチェンジをしようとしても、経験値がないので採用してもらえる可能性がどうしても低くなってしまうでしょう。

また、社会人3年目というのは、やっとそのお仕事の内容や働き方を覚えてきたころです。

その分野のエキスパートになったとは断言しにくい微妙な年数とも言え、企業側に中途半端な印象を与えてしまうかもしれません。

なので、帰国後に同じ職種でのキャリアップを考えている社会人3年目の方は、少なくともあと2年は社会人経験を積むことをオススメします。

そしてその間に留学費用を貯めて、英語力を伸ばすことを目指すといいでしょう。

20代の社会人が留学後にキャリアチェンジをするなら早期の留学を!

「どうしても今のお仕事に満足できない」「社会人留学後は前職とは別の職種でキャリアチェンジをしたい」という理由で社会人留学を考えているなら、社会人3年目と言わずなるべく早く留学した方がいいでしょう。

その理由は、年齢が若くて熱意があれば、スキルがなくても「この人を会社で育てよう」と考えて、新卒のような扱いで中途採用してくれる企業もあるからです。

帰国後に経験がない職種で転職を考える場合は、留学先で英語だけでなく転職でアピールできそうなプラスアルファの勉強や体験をすることも検討してみるといいでしょう。

池上 彰子

社会人3年目の人は、十分な基礎スキルや実務能力が身についてから留学に挑んでも遅くはないでしょう。ただ、帰国後にキャリアチェンジしようと思っている人は、なるべく早く留学をすることをオススメします!

30代や40代の社会人留学は「職歴+英語力」がキャリアアップに繋がる

「40代だけど、社会人留学をするにはもう遅い?」

「30代で社会人留学をすると、帰国後の転職は不利になるのかな…?」

30代・40代での社会人の方で、このように留学を迷っている人もいるでしょう。

30代や40代は、20代と違って実績やキャリアが十分にあると考えられる年代です。

その実績やキャリアにプラスして、社会人留学による英語力がアピールできれば、帰国後の転職においてもメリットになると考えられるでしょう。

ただ転職のしやすさは、30代の人と40代の人とでは変わってきます。

なぜなら、求人によっては「30代まで」と年齢制限を設けていることも多く、企業側はできるだけ長く働ける人材を求める傾向があるからです。

30代前半の人なら求人数も多く、業種や職種の選択肢も広がるでしょう。

一方40代の人は、30代の人に比べて帰国後に選べる仕事の幅が狭くなってしまうかもしれません。

ですが40代向けの管理職の求人も多くあるので、前職の経験と留学経験を活かせば、管理職としての転職に成功する可能性があります。

30代の人も40代の人も、留学前の職歴や経験、専門スキルが採用に大きく影響することは間違いないでしょう。

帰国後の転職活動では、留学経験のアピールをする前に、前職で培ったキャリアやスキルを明確にしておき、面接で十分に伝えられるかどうかがポイントになります。

30代や40代が社会人留学後の転職活動にかかる期間

帰国後の転職活動の期間がどれくらいかかるのか、気になりますよね。

再就職したい期日が、「来年の◯月」というふうに決まっているという人は、その期日に転職が完了するように留学内容を考える必要があります。

enミドルの調査によると、30代と40代の転職活動にかかった期間は次のような結果となりました。

転職活動期間 30代 40代
1ヶ月以内 8% 8%
1~2ヶ月 22% 16%
3ヶ月程度 38% 27%
半年 22% 32%
1年以上 10% 17%

30代の人も40代の人も、半数以上が3ヶ月以内で転職活動を完了しています(30代は68%、40代は51%が3ヶ月以内で完了)。

ただやはり、30代の方が40代よりも転職活動の期間が短い人が多いようです。

一方で30代の場合は約3割、40代の場合は約半数の人が、次のお仕事に就くまでに3か月以上かかったいうことに。

また、転職活動が「想定より長引いた」かという質問に対して「長引いた」と答えた30~50代は44%、「予想通り」と答えた人は36%というデータもあります。

つまり、次のお仕事が見つかるまで、思ったより長くかかったと感じる人が多いようです。

なので、十分な職歴・スキルがある30代・40代でも、転職活動には思ったより時間がかかると考えておいた方がいいかもしれませんね。

留学先で働くことは費用面だけなく帰国後の転職のメリットにもなる

社会人留学をするなら、海外現地で仕事体験をするのもオススメです。

というのも、留学中に働くという体験は、お金を稼ぐということ以上に、帰国後の転職活動でも英語力にプラスしてアピールできる材料の一つになるからです。

ここでは、海外で働いた経験を帰国後の転職でどのようにアピールすればメリットになるのか、また海外で働くにはどうしたらいいのかを紹介します。

海外で働いた体験は転職の面接で英語力にプラスしてアピールできる

社会人留学の経験で身に付いたもので一番アピールできるのは、英語力ですよね。

だた留学自体が珍しくないこの時代では、英語ができる人はたくさんいます。

なので英語力だけアピールしたとしても、他の人材との差別化が難しいところです。

また企業は、留学経験者の中途採用において、英語力だけでなく「ビジネスで使えるスキルや経験」「即戦力としての力」「これまでの仕事での実績」の3点を重視しています。

社会人留学後の中途採用で重視される点

これまでの働いた経験やスキルを活かして、どれだけ会社に貢献できるかということが英語力に加えてポイントになるわけです。

「海外でも働いた」という実績をアピールすることで、これまでの経歴をさらに強化できるというメリットがあります。

また企業が一般的に留学経験者に期待している能力は、コミュニケーション能力に加えて「国際理解」「バイタリティー」「多様性」の3つ。

企業が社会人留学経験者に期待すること

海外の顧客を相手にしている企業はとくに、相手の文化やその時の状況に合わせて臨機応変に対応できる人材を必要としています。

つまり企業は、英語によるコミュニケーション以外に「働く上で遭遇する新しい場面や当たり前でない場面で、あきらめずそれに積極的に対処し乗り越えることができる」能力がある人材が欲しいわけです。

なので、海外で働いた経験を「英語力」だけでなく「国際理解」「バイタリティ」「多様性」に結びつけて面接でいかにアピールできるかが、転職成功のカギとなるでしょう。

留学中に働いた経験を職務履歴書でアピールするには?

帰国後の転職で、成功の決めてとなるのが「職務経歴書」です。

新卒者は人柄やポテンシャルを重視されますが、中途採用者には即戦力になれるかどうかがポイントになります。

つまり職務履歴書を書くときは、これまでの仕事の経歴を、その企業が求めている人物像にいかにつなげられるかを考えなければいけません。

そんなときは、留学中の仕事体験も十分経歴として活用できます。

もし留学中にアルバイトやボランティア・インターンをした経験があれば、その「仕事内容」「仕事に対する自分の心構え」「仕事を通じて自分が得たもの」を職務履歴書に書きましょう。

以下はその例文です。

留学先のアメリカでボランティアとして日本語教師のアシスタントを務めた。(仕事内容)
生徒の国の文化や習慣などの背景を理解しながら教える努力をした。(心構え)
最後は自分だけでも教えられるようになった。(得たもの)
留学先のオーストラリアでインターンシップに参加し営業アシスタントを務めた。(仕事内容)
英語力の不足を補うために、常に次に必要なことを考えて行動することを心掛けた。(心構え)
最後は英文のビジネス文書を一人で仕上げられるようになった。(得たもの)

このように、具体的に内容を記入すると、採用担当者の目に留まりやすくなります。

また、自分が持っている資格やスキルがあれば、「〇〇資格取得」と記入するだけでなく、その資格やスキルを活かしたお仕事の経験も具体的に書いておくといいでしょう。

社会人留学で働く3つの方法

海外留学中に仕事体験をするには、「ワーキングホリデー」「学生ビザ」「ボアンティアやインターン」の3つの方法があります。

基本的にお給料が発生する場合はビザの取得が必要になるので、気をつけましょう。

ボランティアや無償のインターンなら、短期の留学でもお仕事体験ができます。

では留学中に働く3つの方法について、詳しく見てみましょう。

1. フルタイムで働きながら勉強もできる「ワーキングホリデー」

「ワーキングホリデー(ワーホリ)」という言葉を耳にしたことがあると思います。

ワーキングホリデーとは、日本と協定を結んでいる国にある一定期間に滞在することができ、その間の滞在費を補うために働くことができる制度のこと。

日本国籍を持っている18歳から30歳までの人が利用することができます。

ちなみに、現在23か国との間でワーキングホリデーの制度が導入されており、英語圏の国は以下の5つです。

  • オーストラリア
  • ニュージーランド
  • カナダ
  • イギリス
  • アイルランド

このワーキングホリデー制度を利用して留学する場合は、ワーキングホリデービザを渡航前に取得しなければいけません。

ワーキングホリデービザは、渡航先の国で「観光・就学・就労」が可能で、フルタイムのアルバイトをしながら、語学学校に通ったり観光もできます。

また、フルタイムのアルバイトでお仕事をすることで、留学費用を半分ほどに抑えられるので、「英語を勉強したいけど留学費用が高すぎる…」と迷っている人には オススメです。

ただし選べる仕事は、英語力のレベルだけでなく、これまでの職歴やスキルによっても変わってきます。

2. 社会人留学中に勉強しながらアルバイトもできる「学生ビザ」

留学期間によって必要なビザが変わるのは、知っている人もいるでしょう。

たとえば、短期の語学留学だと、通常の旅行のときと同じ「観光ビザ」のまま留学することができ、渡航前に特別のビザの手続きなどが必要ありません。

一方で、国によって異なりますが、留学期間が長くなったり、週あたりの授業時間がある一定を超える場合などは「学生ビザ」が必要になるでしょう。

実は、学生ビザは学校に通うだけでなく、パートタイムでのアルバイトが許されている場合もあるのです。

フルタイムで働くことができるワーキングホリデーに比べて、働く時間は限られますが、勉強だけでなく仕事体験をすることもできます。

どれだけ働けるからは留学先によって少しずつ違うので、事前に確認しておくこといいでしょう。

※ビザの規定は国によって異なり、観光ビザのまま留学できるケースと、できないケースがあります。また、アルバイトも、学生ビザでアルバイトが可能な国と、できない国があるので、渡航前に調べておきましょう。

3. 社会人留学中に仕事体験ができる海外ボランティアやインターンシップ

海外での仕事は、アルバイトだけでなく「ボランティア」「インターンシップ」を通して体験をすることもできます。

海外でのボランティアは、基本的にお金の授受はありません。

一方で、海外でのインターンシップについては、有給の仕事と無償の仕事があります。

海外でのボランティア体験はさまざまな種類がありますが、その中の一つにあるのが「ファームボランティア」です。

ファームボランティアでは、海外の農場や牧場でスタッフとして働く変わりに、ホストは食事と泊まる場所を提供してくれます。

ファームボランティア以外にも、ホテルやゲストハウスでのボランティアや一般家庭での家事や子供のお世話の手伝いのボランティアなど、仕事がいろいろあります。

またインターンシップについても、エアライン業界やホテル業界など、さまざまな企業でのお仕事のプログラムがあるので、一度調べてみるといいでしょう。

インターンシップやボランティアで体験できるお仕事の内容は、英語のレベルによって変わり、多くが中級以上の英語力を必要とします

なので、なるべく留学前に英語のスキルを伸ばしておいた方がいいでしょう。

参考図書)31歳からのほぼ0円留学 ビジネス社

帰国後の転職にメリットをもたらす社会人留学をするには学校選びも重要

「英語は語学学校で勉強し、それ以外の専門的な勉強は海外の専門学校や大学でしかできない」

このように思っている人もいるかもしれませんね。

実は大手の語学学校だと、英語学習だけに限らず、さまざまな専門プログラムを設けていたりボランティアやインターンシップなどもサポートしています。

たとえば、EF(イー・エフ・エデュケーション・ファースト・ジャパン株式会社)世界各国に学校を構える大手の語学学校で、英語学習に関する科目だけでなく、キャリアアップのための科目や文化・アートに関する科目の授業を受けることが可能です。

社会人留学にオススメの語学学校「EF」

EFエデュケーションのロゴ

EF(イー・エフ・エデュケーション・ファースト・ジャパン株式会社)は、1965年にスウェーデンで設立。

現在は11言語、世界21か国わたって52校あるグローバル規模の語学学校で、2020年東京オリンピックのオフィシャルパートナーでもあります。

渡航前には、オンラインサポートの「MY EF」を通して、同じ学校で学ぶ社会人と交流することができ、留学中も授業の復習や試験勉強ができるなどサービスも充実。

語学学校は6週間ごとに進級のためのクラス替えがあり、授業の出席と課題提出によってクラスレベルが上がるかが決まります。

クラスが上がれなかった場合は、次のレベルに上がるまで無料で授業が受けることができる「学習保証」があるので挫折することなく学習を進めることができます。
※エグゼクティブコースを除く

現地での滞在方法はホームステイやEFの学生寮、EFが選んだアパート・学校キャンパス内にある学生寮などから選ぶことが可能。

渡航先によっては、複数名でシェアするアパートメントタイプの寮や一人部屋もあります。
※選べる滞在方法は、渡航先によって変わります。

ちなみに、このEFという語学学校は、日本にも東京本社をはじめ、札幌・横浜・名古屋・京都に支社があります。

留学エージェントを介する必要がなく、留学前にも直接カウンセリングを受けることができるので安心です。

「EF」の社会人向けプログラム

また、EFは次のような社会人向けのプログラムがいろいろと用意されています。

ディプロマプログラム(約9か月間)
「語学学習+専門分野」や「語学学習+キャリア」を組み合わせたプログラム。
学べる専門分野は次の5つ。

  • ビジネス(リーダーシップ・マーケティング・スピーチ・交渉術など)
  • 国際関係(人道問題・平和維持活動・世界経済・環境問題なと)
  • メディア・アート(写真・映像・デザイン)
  • ホテル・ツーリズム
  • ファッション・デザイン
インターンシップ・ボランティア体験
英語コースでは履歴書の書き方や面接について学び、パートタイムで地元の企業・団体で無償インターンシップやボランティアを体験することができる。
ホテル、空港、非営利団体、マスメディア、教育、営業事務など。
ビジネスイングリッシュ
基礎英語だけでなくマーケティングなどビジネスについて学ぶ。
英語力が中級者以上なら受講できる。
エグゼクティブプログラム
少人数制(最大8人)で基礎英語やビジネス英語などを集中的に勉強する。
英語初級者から受講することができる。

このように、語学学校でも帰国後の転職にメリットとなる英語プラスαのスキルを勉強することもできます。

大学や大学院への留学はハードルが高いなと思っている人は、語学学校に設けてある専門的なコースで、スキルアップや資格取得を目指してみることもオススメです。

EFの社会人留学の詳細はこちら

池上 彰子

語学学校は大手から中小までたくさんあり、民間(私立)の語学学校や大学付属の語学学校など種類もいろいろです。なので、それぞれの学校の特色やサポートなど情報収集して、自分の留学の目的に合った学校を選びましょう。

社会人留学のメリットを帰国後の転職に活かすには留学前の準備が大切

社会人留学のメリットや帰国後の転職について紹介しました。

とくに、今勤めている会社を退職して留学を考えている社会人の方は、不安や迷いもあると思います。

そんな人は、身近にいる留学経験者に相談してみるのもいいでしょう。

そして、まず自分の留学の目的を明確にし、留学を終えた帰国後のプランを立ててみて、自分が今のタイミングで留学するのがベストなのかを考えてみてください。

社会人留学を成功させるポイントは、留学に向けて迷いなく準備が進められること。

そして、自分の目的に合った留学ができるかどうかです。

ぜひ、後悔のないよう社会人留学を実現させてください!

社会人留学のメリットを転職に活かす方法

  • なぜ今のタイミングで留学をしたいのか、留学する理由と目的を明確にする
  • 退職して留学する場合は、今のタイミングでの留学が自分のキャリアに適切か検討する
  • 帰国後の転職を考えている業界研究をし、必要な英語力やスキルを調べる
  • 留学で達成したい目標を具体的にたてる
  • 自分の留学の目標を実現できる学校やコース、プログラムについて情報収集する