未経験からの転職にオススメの仕事

「今の仕事は自分に向いていないかもしれない」

「今の仕事がしんどいから、違う仕事に転職したい」

このような思いから、未経験の業界や職種への転職を考えたことはありませんか?

そんなときは未経験でも転職できる仕事があるかどうか、気になりますよね。

とくに30代や40代の方で、未経験の仕事に挑戦したい方は、年齢が原因で採用されないのではないかと不安になると思います。

結論からいうと、未経験者でも積極的に採用している企業はたくさんあります。

とくに未経験でも転職に成功しやすい仕事は、慢性的に人手不足の業界や市場の拡大で需要が多い業界の仕事。

慢性的な人手不足の仕事は、職場の労働環境や給与などの労働条件がよくないイメージを抱えがちですが、仕事をツライと感じるかどうかはその人の適正によるところが大きいため、あなたの適正に合った転職先を選ぶことが大切です。

石峰朱実石峰朱実

転職を考えた時、「新しいことにチャレンジしたい!」「今までとは違うことがしたい!」と思われる方も多いのではないでしょうか。
今までとは違うことにチャレンジする時、面接では「なぜ、この職種なのですか?」「なぜ、この業界なのですか?」と聞かれます。その時に、応募の根拠が伝えられるようご自身の適性を見極めましょう。
とはいえ、それが難しいですよね。ここでは仕事選びのヒントになるよう未経験でもチャレンジ可能な職種や業界のご紹介とともに、自分の適性を見極めて、可能性を広げるために有効な方法をお伝えします。

未経験から転職するのにオススメの業界6選

中途採用の場合、企業は基本的に即戦力となる人材を求めています。

ですが中途採用の目的が人員補充である場合や、未経験者であっても短期間で即戦力となれる仕事であれば、その業界で働いた経験がなくても採用してもらえる可能性が高いです。

とくにホテル業界や飲食業界、サービス業界、介護福祉の業界などは離職率が高く、常に人手不足に悩んでいる業界です。

また最近ではIT業界の仕事も増えており、人員が足りない状態となっています。

ここでは、そんな未経験者歓迎の求人が多く見られる6つの業界を紹介します。

1. 飲食・ホテル業界

ホテル業界で働く男性

飲食業界やホテル業界は「労働時間が長い」「労働時間が不規則」「給料が安い」「立ち仕事がツライ」などでの理由で、仕事を辞める人が多い業界です。

厚生労働省の「平成29年雇用動向調査 産業別の入職と離職」によると、飲食・ホテル業界の離職率は30%と、医療・福祉(16.3%)や情報通信業(10.6%)などと比べて離職率の高さは圧倒的

そのため人材不足に悩む企業が多く、経験の有無に問わず幅広い人材を求める傾向にあり、業界未経験でも採用されることが多いのです。

たしかに飲食やホテル業界は他業界に比べてツライ点が多いかもしれませんが、一方でさまざまな立場の人や幅広い年齢層の人と関わることができ、時に心の触れ合いもあるなど、人としての成長ができる仕事でもあります。

「人と接するのが好き」「外国語のスキルを活かした仕事がしたい」という方にとっては、やりがいを感じられる仕事と言えるでしょう。

またほとんどの飲食店やホテルではマニュアルを用意しており、研修を受けることで未経験からでもすぐに働けるのもこの業界のよいところです。

売上管理や従業員の指導を経験することで、より条件のよい所への転職が可能になったり、将来的に自分のお店をもつといったキャリアアップにもつながるでしょう。

飲食・ホテル業界は20代~40代まで、幅広い年齢層の方が転職を実現しているので、だれでも挑戦しやすい業界と言えます。

2. エステ・リラクゼーション業界

エステティシャンの女性

美容関係の仕事に興味がある女性も多いのではないでしょうか?

なかでもエステやリラクゼーション業界は、美容師と異なり免許がなくても働けるので、未経験の方でも挑戦しやすい仕事です。

また各企業独自のサービスがあり、研修内容が充実しているため、未経験の方でも安心して働けます。

女性が多い業界なので、産休制度や育休制度が充実しているのも嬉しいポイント。

もちろん男性の需要もあります。

リラクゼーション施設では力の強いマッサージを求めて、男性スタッフを指名するお客様も多いため男性マッサージ師は重宝されるのです。

待遇に関しては、基本給にインセンティブがプラスされるお店も多く、がんばった分だけお給料に反映されるため、やりがいにつながります。

エステ・リラクゼーション業界の厳しい点を挙げるなら、次の3点でしょう。

  • 立ち仕事で肉体労働な上に拘束時間も長い
  • 美容商品の販売などのノルマが厳しい
  • 女性が多い職場で人間関係に疲れる

そのため美容や健康に興味があることに加え、体力的にも精神的にもタフな人で、営業的な仕事に苦手意識がない人に向いていそうです。

また年齢は男女ともに20代~40代まで幅広く活躍できます。

3. 不動産業界

不動産営業の男性

不動産業界は「建設」「販売」「賃貸」「管理」と企業によって取り扱うサービスが異なる業界です。

私たちに身近な不動産業界の仕事といえば、家を売ったり、貸したりする不動産屋さんではないでしょうか。

人の出入りが激しい不動産業界の営業職は、採用の際に経験よりもコミュニケーション能力や人柄を重視する企業が多く、未経験者の転職者も多い業界です。

不動産業界でもさまざまな職種がありますが、未経験の方にオススメなのは賃貸不動産のカウンター営業です。

主な業務は家を借りたいお客様の対応をすることなので成約に結びつきやすく、飛び込み営業に比べて精神的負担は少ないでしょう。

また入社後は各企業で研修が行われるため、未経験の方でも挑戦しやすいですが、他業界で営業の経験がある人の方が採用には有利になると考えられます。

また賃貸不動産はお客様と一緒に部屋を見て回るため、普通自動車運転免許を持っていないと、転職は難しいでしょう。

不動産業界の特徴として土日祝日に家探しや部屋探しをする人が多いため、土日祝日に休みをとるのは難しく、とくに賃貸不動産は春先の繁忙期には残業もある業界です。

ノルマが課せられる仕事でもあるので、営業職が向いているかどうかよく考えてから挑戦することをオススメします。

年齢は20代~30代の方は挑戦しやすいかもしれませんが、40代以上の方は不動産業界または営業の経験がないと採用は厳しいかもしれません。

4. 介護業界

ホームヘルパーの男性

日本の高齢化が加速するなかで、介護の業界は今後ますます需要が見込まれます。

介護業界では未経験者の受け入れに積極的なので、未経験の転職にオススメです。

介護業界の仕事は、高齢者の自立を手助けする「人の役に立つ仕事」。

クレーム対応も多いですが、「ありがとう」とお礼を言われたときは、この上なくやりがいを感じると言います。

実務経験を積むことで、介護福祉士や社会福祉士、ケアマネジャー(介護支援専門員)へとキャリアアップも可能。

またこれらの資格を取得することで、60歳を超えても活躍できるなど、長く働けるのもメリットです。

介護の知識が身につけば、いざというときにあなた自身の生活にも活かせます。

場合によってはデイサービス勤務で夜勤なし、あるいは時給の高い夜勤だけの勤務にしてその分労働日数を減らすなど自由な働き方ができるのもよいですね。

比較的幅広い年齢から転職できるので、40代から未経験の業界に挑戦する方にもオススメです。

5. IT業界

プログラマーの男性
ITの技術はどの産業でも活用されており、将来性も高い業界です。

IT業界に転職するには、特別な知識や技術が必要と思われがちですが、そうとも言い切れません。

SE(システムエンジニア)が設計したシステムに対して、プログラミング作業を行うプログラマーという仕事は、未経験から始める人が多いです。

プログラマーからスタートしてSE、セールスエンジニアやITコンサルタントなどの営業系へ行くなどキャリアアップの道も豊富にあります。

クライアントの要望やトラブル対応など、長時間労働を課せられる場合もありますが、「女性を夜勤に配属しない」「産休・育休制度を充実」など女性も働きやすい環境作りを心がけている企業もあるので、求人情報をよく見て応募するとよいでしょう。

IT企業も離職率が高いイメージですが、IT業界が働きにくいというよりも、他業界に比べて社員の年齢層が若く、若い世代の転職は珍しいことではないため離職率が高くなってしまうと考えられます。

IT業界は常に新しい情報をキャッチして反映させる能力が求められるので、未経験でも向上心のある20代であれば採用につながるでしょう。

30代でも業界経験者や職種経験者であれば重宝されるはずです。

40代の方は、IT業界が未経験なら転職するのは難しいでしょう。

石峰朱実石峰朱実

現在IT業界への転職者の職業訓練校でキャリアコンサルティングをしていますが、30代後半以降の方には、IT業界やクリエィティブ職の未経験チャレンジは厳しいため、これまでの経験に近い職種での転職を勧めています。また40代の方で未経験者で技術・開発の職種での転職者はほとんどいらっしゃいません。結果的に、これまでの経験を活かした職種で転職される方が多いです。例えば、営業経験のある方が、IT業界の営業として転職された事例はあります。

※IT業界の転職については、「IT業界について徹底解説」で詳しく紹介しています。

6. 製造業

工場で作業をする男性と女性

製造業の工場勤務も、未経験の方にオススメの仕事です。

製造業が取り扱う商品はさまざまで、車や携帯電話といった機械の組み立てや検品、食品加工、物流倉庫の管理などがあります。

色々な種類から、自分が興味のある分野の適性に合った仕事を選ぶことができ、専門知識がなくてもはじめられる内容も多いので未経験者も働きやすい業界です。

工場の稼働時間によっては働く時間も選ぶ事が可能で、平日の8時から17時で働いたり、夜勤のみで働いたりとライフスタイルに合わせて勤務時間を選ぶことも可能。

軽作業をする工場なら女性のスタッフも多く活躍しており、40代以降の方でも応募できる求人があるので、幅広い人がチャレンジできます。

また工場勤務の場合は寮を完備しているところもあり、最近は清潔感のある施設や1人でワンルームを利用できるなど、快適な生活環境を保障する企業も多くあるので、求人情報をよく見て転職先を選ぶといいでしょう。

製造業の工場で働く場合は空調を一定に保ったクリーンルームでの作業や、オートメーションで機械操作だけの職場もありますが、扱う商品や作業工程によっては長時間の立ち仕事が続いたり、夏の暑い中作業をすることもあるので、体力に自身がない人は企業選びを慎重に行う必要があります。

製造業の転職先選びで困ったら、工場の求人が豊富に揃う転職サイト、工場求人ナビを利用すると、スムーズに仕事が探せるでしょう。

未経験の転職にオススメの職種6選

「自分にとって今の仕事は精神的にツライ。業界にこだわりはないけど自分の適性に合った仕事がしたい。」

「今までは販売職だったけど、より待遇のよい大手企業の営業職にチャレンジしたい。」

このように今までとは違った働き方を求めて、未経験の職種に転職したいと考えている人もいるでしょう。

次は職種別に未経験でも求人が豊富な仕事を紹介します。

1. 営業職

名刺を差し出す営業職の男性

営業職は、法人や個人を対象に自社商品やサービスを提案し、契約につなげるお仕事です。

営業の方法は直接訪問する場合もあれば、電話で営業する場合もあります。

営業職が未経験者にオススメの理由は、未経験者歓迎の求人が多いことと、他業種に比べて年収が多いことです。

給与面で今の仕事に納得ができていないという方は、営業職に挑戦するのもよいでしょう。

人と接するのが好きな方、目標を立てて達成することに喜びを感じる方は営業職に向いているといえます。

また営業職は未経験でも、店頭で商品を売る販売職の経験があると、面接でアピールできるでしょう。

ただ営業職は、営業の準備をするために残業する人が多い仕事でもあります。

休日でも取引先との接待や電話対応をする場合もあるので、自分の自由な時間を優先したい方にはオススメしません。

2. 事務職

電話対応をしている事務職の女性

女性の転職に人気の職業といえば、事務のお仕事です。

事務職には大きくわけて、一般事務と営業事務があります。

一般事務は電話応対や来客の応対、書類作成といった仕事が中心で、短時間で覚えられる仕事が多いため、未経験の方でも挑戦しやすいお仕事です。

一方営業事務は営業担当のサポート業務をする仕事で、主に取引先との電話やメールのやりとり、営業用の資料作成などをします。

営業事務の場合、未経験の方でも採用される可能性は高いですが、営業職の経験があると、面接などでアピールポイントとなるでしょう。

事務職で求められる能力は、主にパソコンスキルとコミュニケーション能力、そして気配りです。

周りの様子をよく見て、どの作業を優先するべきか、どういった対応するのがベストか考えて、臨機応変に動かなければなりません。

また任された業務を正確に把握し、効率的かつ丁寧に遂行することが求められます。

急な仕事が入らない限りは、定時退社できることも多いので、仕事が終わった後の時間を充実させたい方にオススメです。

3. 販売職

販売職は接客と商品販売が主な仕事ですが、店舗の掃除や商品のディスプレイ、発注、在庫管理など業務は多岐にわたります。

やはり接客業ですから、人と話すことが好きな人に向いており、前職が営業職だった方はその経験が活かせるでしょう。

販売職では研修やOJTが行われるので、未経験でも安心して仕事が始められます。

また販売職に転職を決めた理由として、「その商品が好きだから」という人も多いと思います。

採用する側も、販売する商品に対する興味や知識を持っている人材を求めているので、そういった点がアピールできると採用につながるでしょう。

経験を積めば将来店長になれたり、バイヤーや商品企画を任される可能性もゼロではないので、転職してでも関わりたいブランドや商品があるなら、積極的にチャレンジしていただきたいです。

4. 介護職

介護職は、今もっとも注目を集めている職種かもしれませんね。

ただメディアでは賃金の低さや劣悪な労働環境が取り上げられる事が多いので、介護職を避けようとする方も多いでしょう。

ですが高齢化が進むなかで、今とても必要とされている職種でもあります。

介護職の仕事はおもに老人ホームやデイケアなどの施設で、入居者の身の回りの世話をすることです。

直接お年寄りの家に行き介護をするデイサービスという仕事もあります。

未経験の方でも働くことは可能ですが、資格を持っていると採用に有利に働きます。

国家資格である介護福祉士の資格が取得できれば、給与アップも期待できますし、更新の必要がないので結婚や出産で一度仕事を辞めたとしても、またスムーズに復帰することができるでしょう。

「今はまだ何もわからないけど、一生モノのスキルを身に着けたい!」という方に、ぜひ挑戦していただきたいお仕事です。

石峰朱実石峰朱実

実務経験3年以上で介護福祉士の受験資格が得られるので、働きながら国家資格の取得を目指せますよ。

5. 技能工や配送ドライバー

特別な知識やスキルが不要で、未経験でもトライしやすい職種は技能工です。

技能工とは、金属の加工、自動車や電気機器の組み立て、繊維製品の製造、印刷物の製造などさまざま分野のものづくりに携われる仕事です。

一人で黙々と作業をする仕事もあれば、チームで作業をする仕事もあります。

細かい作業をしたり、同じ作業を繰り返すこともあるので、そういった作業が苦手という人は、あまり向いていないかもしれません。

工場で機械を扱う仕事は「男性の仕事」というイメージが強いかもしれませんが、最近では女性の求人も多く見かけます。

工場で作っているものは色々なジャンルがあるので、求人情報や会社の情報をよく見て、一番興味をもった企業に転職するとよいでしょう。

また、比較的高い年齢の未経験者でも求人があるのは配送ドライバーやタクシー・バスドライバーの仕事です。

普通運転免許さえ持っていれば、二種免許など別途必要な免許は入社後研修で取得できる会社が多いので、事前に取得しておく必要はありません(普通運転免許を取得して、3年以上経過していることを条件としている会社が多いです)

タクシードライバーやバスのドライバーはもちろん、配送ドライバーもお客様と接することが多いので、人と接するのが好きで、運転することが好きな方が向いています。

6. コールセンター(テレフォンオペレーター)

電話対応中のテレフォンオペレーターの女性

コールセンターでお客様の対応をするテレフォンオペレーターの仕事は、研修が丁寧で充実している企業が多く、知識や経験がなくても働けるところが多いです。

自分の適性で、電話をかけるアウトバウンド(テレアポ、営業電話やマーケティング調査等)と電話を受けるインバウンド(カスタマーサポート、通販の電話受付等)のどちらかを選ぶことができます。

テレフォンオペレーターの魅力は、一般事務よりも給料が高めなところ。

また、実績に応じてインセンティブとして給料に反映される企業もあります。

関東・関西の首都圏では、駅から徒歩数分以内にオフィスがあるなど通いやすい企業が多いのも嬉しいポイントです。

コールセンターの仕事は女性のイメージが強いですが、24時間対応のコールセンターやPCテクニカルサポートなど、ITの知識が求められる企業では男性も積極的に採用しています。

コールセンターの仕事は、正社員の募集よりも派遣社員の募集を積極的に行う傾向にありますが、スキルと経験を積めばスーパーバイザー(管理職・教育担当)として正社員採用の可能性もあるので、正社員を目指す人はその点も確認しておくとよいでしょう。

未経験の転職を成功させる4つのコツ

未経験の転職にオススメな職業・職種を紹介しましたが、あなたが気になる仕事は有りましたか?

ここまで紹介した職業や職種は、たしかに未経験者でもチャレンジできるお仕事ですが、だからといって誰でも採用されるわけではありません。

書類選考や面接を通して、あなたが企業にとってふさわしい人材かどうか審査されるため、企業選びや面接対策がとても重要なのです。

そこでここでは、未経験の転職に成功するための4つのコツを紹介します。

1. 企業が未経験者を募集する理由を知り面接に活かす

中途採用なら、企業側は経験豊富な人材を求めるはずですよね。

ですが、未経験者を歓迎しているといことは、何らかの理由があるはずです。

未経験者を募集する目的が把握できれば、履歴書や面接で効果的にアピールできるでしょう。

企業が未経験者を募集する目的は大きく分けて3つあると考えられます。

  1. 未経験者でもいいからたくさんの人手が必要
  2. 他業界のスキルやアイデアが欲しいからあえて未経験者を求める
  3. 未経験の状態から人材を育てたい

ではそれぞれの目的について、詳しく見てみたいと思います。

1. 未経験者でもいいからたくさんの人手が必要

業務拡大による人員補充を目的とした求人である場合、経験者に限定すると対象者が限られることから、経験を問わず募集をかけることがあります。

また最初は経験者に限定していたけれど、採用したい人材がいなかったので未経験者まで条件を広げたというケースもあるのです。

このような人員補充を目的とした求人は、経験より意欲や協調性など人物重視の採用の傾向が強いといえます。

また、研修制度がしっかり整っているなど、未経験者でもすぐに働けるような仕事環境の求人が多いのが特徴です。

2. 他業界のスキルやアイデアが欲しいからあえて未経験者を求める

自社の慣例や先入観にとらわれない、新しいアイデアを提供してくれる人材がほしい場合、あえて業界の未経験者が求められます。

この場合、ほかの業界での同様の職種の経験が求められていますので、どのように応用が利くか、前職の何が活かせるのかをアピールできるように整理しておきましょう。

3. 未経験の状態から人材を育てたい

自社でイチから人材を育てたい、という考えから若い未経験者を募集する企業もあります。

企業側のメリットは、経験がないことで先入観にとらわれないところや、前職のクセがなく自社のやり方でスムーズに仕事が教えられることです。

一方中途採用者も、教えてもらった企業のやり方に沿って仕事を進めることで、柔軟な姿勢が企業側に評価されるチャンスが得られます。

また教育してもらうことで、先輩社員とのコミュニケーションを取る機会が多い分、職場に馴染みやすくもなります。

このようにイチから人材を育てることで企業風土に溶け込みやすくし、双方に仕事がしやすい環境を築くことができるのです。

このような企業は、「なるべく早く自社の仕事のやり方を覚えてほしい、そして長く活躍してほしい」という気持ちがあることから、若年者をイメージしている企業が多く、20代の応募が有利となるでしょう。

2. 業界未経験か職種未経験かによってアピール内容を工夫する

業界未経験か職種未経験か迷う女性

「販売の仕事をしていたけどプログラマーとして働いてみたい(業界未経験)」

「営業として働いていたけど広報としての仕事は未経験(職種未経験)」

このように、未経験といっても人それぞれに事情が異なります。

そして未経験の業界で転職先を探すか、同じ業界だけど他の職種で転職するかによって、面接でピールできることも異なってくるのです。

それぞれ転職の難易度も異なるので、一緒に確かめて見ましょう。

1. 業界未経験の転職

現在の会社とは別の業界で働きたいという人は、業界未経験者です。

業界は違っても営業や販売、事務といった職種のスキルがあれば、業界の知識を覚えるだけで即戦力として働けるので、未経験の中でも転職しやすいタイプといえます。

また業界を変えることで、リフレッシュして働けるという利点も。

環境を変えて視野を広げ、新鮮な気持ちで取り組めるという点から、未経験の業界に転職するのもオススメです。

あなたの年齢が20代なら、まだ前職での実績を十分に積めないまま転職する人も多いと思います。

経験という点では30代の転職者にはかなわないかもしれませんが、経験が浅くても若い人材を求める企業はたくさんあります。

20代の方は今までの経験に加え、向上心があることをアピールすれば、採用への道が開けるでしょう。

30代の方も職種スキルが高い人や、30代以降の採用に積極的な企業なら転職はそれほど難しくないと考えられます。

ただ40代以降の方になると管理職候補を求める企業が多く、業界は未経験だとしても職種スキルが高いことを示せる実績が必要となります。

また、マネジメント経験も問われる場合も多いです。

30代、40代は前職の経験や実績が重視されるので、前職での経験からどういった形で応募先企業に貢献できるかをアピールするとよいでしょう。

2. 職種未経験の転職

営業から事務方のバックヤードへ、事務職から企画営業へのように、同じ業界で職種を変えて転職したい人は、職種未経験者に該当します。

業界に関する知識があるため、複数の職種を経験することで幅広く活躍できる人物に成長することが期待されます。

同業界での経験があると、まったくの未経験よりも採用において有利となりますが、「営業の成績がよくなかったから事務に行きたい」といったネガティブな転職理由では、企業に採用したいと思ってはもらえないので、職種チェンジの理由を明確にする必要があります。

面接では自分のどういう点が未経験ながらその職種に活かせるのか、アピールしましょう。

とくに30代、40代での職種チェンジには、納得感のある理由と自分の適性をこれまでの経験にもとづいて分析した根拠が明確に求められます。

20代の方は職種未経験でも転職出来る可能性は高いですが、単に職種への憧れだけで転職先を決めるのはオススメできません。

憧れだけで転職すると、転職後に実際の仕事とのギャップに耐えられず、再び転職する羽目になる可能性があるからです。

職種理解をするコツは、求人をよく読み、仕事のイメージをつかむこと。

イメージができたら、そこに自分が働く様子を当てはめて想像してみましょう。

イメージをした際に出てきた不明な点や曖昧な点は、面接で質問できるよう事前に書き出しておくことをオススメします。

3. 業界・職種ともに未経験

業界と職種ともに未経験の場合、経験者よりも不利な立場にあると考えていいでしょう。

ただ、業界・業種ともに未経験でもポータブルスキルをうまくアピールできれば、採用への道が開けるかもしれません。

ポータブルスキルとは業界や職種の枠を超えて、どの職種でも通用するスキルのことを言い、大きく分けて「仕事のし方」「人との関わり方」の、2つの観点があります。

仕事のし方
  • 現状の把握

    取り組む課題やテーマ設定のために行う情報収集や分析のし方

  • 課題の設定

    事業や仕事の進め方など取り組むべき課題の設定のし方

  • 計画の立案

    担当業務や課題を遂行するための計画の立て方

  • 課題の遂行

    スケジュール管理、その他各種調整、業務の障害を排除すこと、プレッシャーの乗り越え方

  • 状況への対応

    予期していなかった状況への対応のし方や責任のとり方

人との関わり方
  • 社外対応

    顧客や社外の人に対する、納得感の高いコミュニケーション、利害調整、合意形成のし方

  • 社内対応

    経営陣や上司、そしてその他の関係部署に対する納得感の高いコミュニケーションや支持獲得のし方

  • 部下マネジメント

    部下の育成やモチベーションアップ、また個人の適正を活かした業務の割当のし方

※参照)厚生労働省

つまりポータブルスキルは、仕事に取り組む姿勢や、社内の人や社外の人と接するときの姿勢のことを指しています。

中途採用の求人には経験や知識のある人が多数応募してくることもあり、とくに30代後半以降の人で業界・職種ともに未経験となると、ポータブルスキルの中にある具体的な強みを応募の根拠として伝えないと、一目置いてもらうことは難しいでしょう。

採用の可能性を考えると、30代以降で業界・職種ともに未経験の転職はあまりオススメできないのが正直なところです。

一方20代は社会人経験が浅くても、やる気や将来性が評価されるポテンシャル採用があるので、業界・職種未経験の転職に成功する可能性が高いと考えられます。

3. 30代以降の未経験業界への転職は需要を見極めて応募先を決める

さきほど「採用の可能性を考えると、30代以降で業界・職種ともに未経験の転職はあまりオススメできない」とお伝えしましたが、採用される可能性がまったくないというわけではありません。

たとえば、未経験にオススメの業界でも紹介した介護業界の仕事は人手が足りない状況で、30代以降の未経験者でも積極的に採用している企業が多くあります

経験を重ねて介護福祉士の資格をとれば、一生使える介護スキルが身につくとともに、待遇アップも期待できます。

また30代以降のビジネスパーソンが未経験の職業にキャリアアップ転職をするなら、難易度の高い資格を取得してキャリアチェンジをするのも方法の一つ。

たとえば経営コンサルタントの国家資格である中小企業診断士や、社会保障や労務に関するスペシャリストの社会保険労務士は、30代や40代の方にオススメの資格です。

これらの資格は業界に関係なく、企業の管理部門への転職に役立つでしょう。

社会人経験豊富な人が取得すると、まだ社会人経験が浅い20代の人よりも信頼度が高く、採用に繋がりやすいと考えられます。

合格率は中小企業診断士が約20%、社会保険労務士が5%~10%未満と大変難関な資格試験ですが、働きながら勉強をして合格する方もいるので、チャレンジしてみてはいかがでしょうか?

このように、業界や職業によっては30代以降の需要も十分にあるので、需要を見極めて転職先を決めると転職成功への道が開けるでしょう。

4. 正社員以外の働き方も視野に入れて転職活動をする

「未経験の仕事に転職して、もし自分に合っていなかったらどうしよう……」

このように、転職後の仕事が続けられるかどうか不安に思っている人もいるかもしれませんね。

憧れを持って転職した業界だったけど、思っていた業務と違っていたり、転職先の社風と合わなかったりして、「転職に失敗したかも……」と悩んでいる人もたくさんいます。

転職はしたいけどまだやりたい仕事が明確でない方や、チャレンジしたい業界はあるけど、自分の適性に合っているかわからないという方は、正社員ではなく非正規雇用(アルバイトや派遣社員、契約社員)から始めるのもよいかもしれません。

自分の適性を探り、可能性を広げるためにアルバイトや派遣社員として、さまざまな業界や職種を経験するのもひとつの手です。

とくに派遣社員や契約社員は、パートやアルバイトに比べ時給がよく、未経験でも可という求人もあるところが魅力。

派遣社員になるには、派遣会社に登録してから担当のコーディネーターと面接を通して、あなたにピッタリの派遣先を紹介してもらうのが一般的です。

またリクナビ派遣のように、派遣の仕事を検索できる転職サイトもあるので、活用してみてください。

未経験者は転職しないほうがいい業界や職種はあるの?

未経験の転職に限らず、転職しないほうがよい業界や職種は、人によって違います。

なぜなら、人によって価値観が異なるからです。

一般的に厳しい仕事、ツライ仕事と言われている職業でも、あなた自身はツライと感じない可能性もあります。

ですから転職先を決める前に自己分析をきちんと行い、以下のように働く目的を明確にすることが大切です。

  • ノルマがあっても、高収入を第一に仕事を選びたい
  • 将来のことを考えて介護について現場で学びたい
  • 給料は少なくても、コツコツ作業をする仕事がしたい

とくに未経験者歓迎の仕事の中には、人員補充を目的とした求人も多く、それらの仕事は離職率が高い傾向にあるため、転職先を選ぶ際はその仕事のデメリットもきちんと把握しておく必要があります。

離職率が高い主な原因をピックアップしてみました。

  • ノルマが厳しい
  • 残業が多い
  • 労働環境がよくない
  • 体力的、精神的負担が大きい
  • 給料が低い

転職してから後悔しないように、それぞれの仕事の特徴と、あなた自身が仕事に求めることをきちんと確認してから、転職先を選ぶようにしましょう。

石峰朱実石峰朱実

あなたが仕事に求めるものは何ですか?働く目的を明確にすることで転職の失敗を防ぐことができます。転職活動をするなら、まずは自己分析からはじめましょう。

未経験の転職にオススメの転職サイト

未経験歓迎の求人を出している企業を探すなら、転職サイトを上手に活用すると、効率よく転職活動が進められます

とくに転職の相談や求人の紹介、応募書類の添削、面接対策、面接日の設定など転職に関わるすべてのことをサポートしてくれる転職エージェントは大変オススメです。

転職のプロである担当エージェントが、面談を通してあなたの希望に沿った転職先を厳選してくれます。

転職エージェントのサービスはすべて無料なので、活用しない手はありません。

そこで、未経験歓迎の仕事を探すのにオススメのエージェントを紹介したいと思います。

石峰朱実石峰朱実

それぞれ扱っている求人が異なるので、色々な企業を見てみたいという方は、複数のエージェントに登録しておくとよいでしょう。

dodaエージェント

doda公式サイト

dodaエージェントは、10万件の求人数を誇る転職エージェントです。

転職サイトでは公開されていない求人(非公開求人)も豊富に揃っているので、アドバイザーによるキャリアカウンセリング(面談)により、あなたがまだ知らない求人情報を知ることも可能。

キャリアカウンセリングは東京、横浜、札幌、仙台、静岡、名古屋、大阪、岡山、広島、福岡といった主要都市で行われており、全国の人が利用できます。

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マイナビ ジョブ20’s

マイナビジョブ20’s

マイナビ ジョブ20’sは、学生の就活でおなじみのマイナビグループによる20代、第二新卒、既卒に特化した転職エージェントで、転職に悩む若者を徹底的にサポートしてくれます。

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未経験の転職は希望や適正に合った仕事につくのが一番オススメ

今回は未経験の転職にオススメの業界や業種について紹介しました。

ピックアップした業界や業種は、あくまでも未経験者でも採用の可能性がある仕事であって、誰にでもオススメできる仕事というわけではありません。

仕事選びは、それぞれの仕事の特徴や、あなた自身が希望する条件、あなたの適正などを総合的に考える必要があります。

そう考えると、一人で転職活動を進めるよりも、企業の情報をもっていて、あなたの適正を客観的に見てくれる転職エージェントの助けを得るのも賢い選択かもしれません。

石峰朱実石峰朱実

未経験の転職では「未経験なりに会社に貢献できることはなにか」などの自己アピールが大事。転職エージェントでは、履歴書や職務経歴書の添削や面接指導も行っていて、転職のプロから見たアピールポイントのアドバイスがもらえるのでぜひ活用してみてください!