就活解禁(企業の広報活動の開始)の3月1日が刻一刻と近づいてくると、「もう準備万端!就活が楽しみでたまらない!」という人がいれば、「就活本番までのこりわずか!先が不安だ…」という人もいるかもしれませんね。
ただ、どちらの人に対しても時間は止まってくれません。
限られた時間でできることをコツコツとやっていきましょう。
さて、今回お話するのは、就職解禁後に、就活生のみなさんが一番最初に行う「プレエントリー」についてです。
「プレエントリーってエントリーと一緒じゃないの?」と思った人がいるかもしれませんが、それは大きな間違い。
プレエントリーはエントリーとは別のもので、就活の一連の流れの中で最も重要な手順と言っても過言ではないのです。
この記事では、プレエントリーとエントリーの違いやプレエントリーの方法などについて説明していきます。
目次
プレエントリーとは何のこと?エントリーとの違いは何?
プレエントリーとエントリーって何が違うのでしょうか?
名前が似ているから全く同じものだと思っていました。
たしかに、そのように勘違いしている学生さんは多いですね。
それぞれの違いについて詳しく説明していきましょう。
まず、プレエントリーとは、企業に自分の個人情報(氏名、年齢、大学名、住所、電話番号、メールアドレス等)を登録し、あなたの企業に興味がありますよ、という意思表示をすることです。
そうなんですね。
プレエントリーするとどうなるんですか?
プレエントリーをすると、その企業の説明会の情報や採用情報が手に入るようになりますが、この段階ではまだ本選考に参加していません。
いわゆる書類請求のようなものだと考えてもらえば、わかりやすいと思います。
プレエントリーでは、まだ本選考に参加していないんですね…
エントリーはどのようなものなのですか?
エントリーとは、ES(エントリーシート)や履歴書などの書類を提出することで、企業の本選考に参加することを指します。
企業によっては、書類選考と同時に筆記試験を課すこともありますよ。
このように、プレエントリーは学生が企業に対して興味を持っているだけで、本選考に参加する前の段階であるのに対し、エントリーは本選考の舞台に乗った段階というのが、2つの大きな違いです。
プレエントリーでは「企業を選ぶ側」であるのに対し、エントリーした途端に「企業に選ばれる側」になってしまうというわけですね。
また、プレエントリーとエントリーには、それにかかる労力にも大きな差があります。
エントリーでは、基本的にESの提出を求められますが、ESの設問(学生時代に一番頑張ったこと、志望動機など)に答えるのにはかなりの労力を使います。
最近のESの主流こそWeb提出ですが、今でも手書きのESを提出させる企業もあり、その時は本当に膨大な手間と時間がかかってしまうのです。
しかし、そんなエントリーとは対照的に、プレエントリーは自分の個人情報を企業に送るだけなので、手間や時間はそれほどかかりません。
プレエントリーの段階でアンケートを課す企業もありますが、それはあくまでアンケートへの回答すら面倒臭がるような、志望度の低い学生をふるい分けるための手段であって、内容はさほど重視されていないのです。
そのため、プレエントリーは手軽なもので、エントリーは面倒なものであるというのも、2つの大きな違いだといえます。
プレエントリーはいつからいつまでにすればいいの?
ここまでの文章で、プレエントリーとエントリーの違いについてはわかっていただけたと思います。
ただ、「いつからいつまでにプレエントリーすればいいの?」「プレエントリーしたら絶対にエントリーしなければだめなの?」と疑問を持った人もいるかもしれませんね。
ここからは、その2つの疑問点について解説していきましょう。
まず、プレエントリーの時期についてなのですが、企業の広報活動が始まる3月1日の午前0時からプレエントリーすることが可能になります。
いつまでにプレエントリーをすべきかは企業によって変わってくるのですが、エントリー(ES提出)の締め切りまでを目安として考えておくといいでしょう。
ただ、早くプレエントリーすればするほど情報を早期から入手できるようになるのは事実なので、志望度の高い企業は3月1日から3月下旬までにプレエントリーすることをおすすめします。
また、「プレエントリーした企業には必ずエントリーしなければいけない」と思いこんでいる人がいますが、実際そんなことはありません。
ある企業にプレエントリーをした場合、その企業に必ずエントリーしなければいけないという義務は発生しないため、プレエントリーした企業のエントリーを辞退しても、全く問題ないのです。
そのため、少しでも興味を持った企業は、積極的にプレエントリーするようにしましょう。
プレエントリーすることが就活で絶対に必要な理由
ここまで読んだ人の中で、「プレエントリーは選考に参加する前の段階なのだから、プレエントリーせずにエントリーだけすれば良くない?」と思った方がいるかもしれません。
そう思ったあなたは大きなミスを犯しています。
なぜなら、プレエントリーしなければ、企業にエントリーすることすら許されないからです。
ほとんどの企業はES提出の前に個別説明会への参加を学生に求めていますが、その個別説明会はプレエントリーした学生しか予約できないことになっています。
すると、個別説明会を予約できない学生は個別説明会に参加できないため、企業にエントリーすることすら許されず、本選考にも進めなくなってしまうのです。
このことから、企業の個別説明会に予約、参加するためにはプレエントリーしている必要があるため、プレエントリーした学生のみが企業の本選考に進む資格を得ると言えます。
そのため、プレエントリーは就活において絶対に必要なことであり、就活の一連の流れにおいて一番大切な手順と言っても過言ではないのです。
プレエントリーする方法を2つ紹介!
続いて、プレエントリーをするための方法について紹介します。
いくらプレエントリーすることの重要性がわかっても、そのやり方が分からなければ、いざプレエントリーしようとするときに困ってしまいますよね。
プレエントリーする方法は、大きく分けて2つあります。
1. マイナビ・リクナビからプレエントリーする
就活生御用達のマイナビ・リクナビなどの就活情報サイトから、プレエントリーすることが可能です。
3月1日になった瞬間にこれらのサイトは開設され、企業にプレエントリーすることができるようになります。
さて、マイナビ・リクナビからプレエントリーすることの大きなメリットは2つありますが、まず何よりも手間がかからないことが挙げられます。
マイナビ・リクナビに予め自分の個人情報を登録しておけば、いちいち企業ごとに登録する必要もなく、ワンクリックでプレエントリーすることができるのです。
また、自分がプレエントリーした企業に応じて、マイナビ・リクナビが自動でおすすめ企業をピックアップしてくれる機能があるので、自分で企業を探す手間が省けるというメリットもあります。
ただその一方で、3月1日の午前0時になると全国の就活生が一斉にリクナビ、マイナビにアクセスするため、サーバーがすぐにダウンしてしまうというデメリットがあります。
深夜にPCに張り付いて不毛に体力を消耗するくらいなら、翌朝早起きして朝から行動開始した方がいいかもしれません。
また、就活情報サイト経由のプレエントリーだと、マイページ(=志望する企業にプレエントリーした時に誘導される自分専用のページのことで、それを通して説明会の情報や選考情報を確認することができる)に入るためのID、パスワードが届くまで時間がかかってしまうというデメリットもあります。
リクナビやマイナビを経由してプレエントリーをした場合、そのマイページにログインするためのIDやパスワードが登録したメールアドレスに届くわけですが、そのメールが送られてくるのはプレエントリーの翌日、ということもざらです。
3月1日の0時から眠い目をこすりながらプレエントリーしたのに、結局企業のマイページにログインできるのが3月2日というのでは、あまり賢いやり方とはいえません。
また、その一日の遅れのせいで、取れるはずだった企業の説明会の予約も取れなくなってしまうかもしれませんよね。
2. 企業HPからプレエントリーする
そんなマイナビ・リクナビの弱点を補えるのが、企業HPからプレエントリーするという方法です。
マイページを開設するまで時間がかかるマイナビ・リクナビ経由のプレエントリーに対して、企業HPからのプレエントリーにはマイページをすぐに開設できるという強みがあります。
多くの学生はマイナビ・リクナビでプレエントリーするはずですから、一日遅れている彼らを尻目に、悠々と説明会の予約をすることができるのです。
ただ、デメリットとしては、自分の個人情報をいちいち打ちこまなければいけないため、手間がかかるということが挙げられます。
たとえば、企業HPを通して100社にプレエントリーする予定の人がいれば、100社の企業HPに個人情報を登録しなければいけないのです。
志望度に合わせて、2つの方法を使い分けよう!
そこで提案したいのが、2つの方法を使い分けるということ。
具体的に言うと、志望度の高い企業に関しては企業HPでプレエントリーし、志望度がそれほど高くなく、「とりあえずプレエントリーしておこう」程度の企業に関しては、マイナビやリクナビでエントリーするという戦略です。
こうすることで、志望度の高い企業の説明会の予約を速やかに済ませると同時に、自分の個人情報を何回も打ち込む手間を多少省くことができます。
また、3月1日になったらすぐに動き出せるように、志望度別の企業リストを作っておくことをおすすめします。
そのためにも、3月1日までに自己分析や業界研究、企業研究を済ませて、プレエントリーしたい企業をいくつかピックアップしておきましょう。
プレエントリーに関しても、事前準備が大切なのです。
プレエントリーする企業の数は30社~100社が無難
ここまでプレエントリーする時期や方法について説明してきましたが、「どれくらいの数の企業にプレエントリーすればいいのかがイマイチわかりません」という人もいるのではないでしょうか。
そんな人に向けて、ここからは「就活生は何社にプレエントリーすべきか」ということをデータに基づいて解説していきます。
2017卒の学生のデータを見てみると、17卒の学生がプレエントリーした企業は平均37.91社、エントリーした企業は平均16.23社でした。
※参照)就職白書2017
この数を多いと捉えるか、少ないと捉えるかは人によるでしょう。
ただ、プレエントリーした企業の数があまりに少ない場合は、本選考に進める企業の数が少なくなってしまいますし、逆にプレエントリーした企業の数があまりに多い場合は、一つ一つの企業の研究に割ける時間が少なくなりがちです。
そう考えると、プレエントリー数は多すぎず少なすぎずというのを狙って、少なくとも30社以上、多くとも100社以内というのが一番無難だといえます。
ですが、中にはプレエントリー数を一桁に絞って企業研究を綿密にする人や、「多くの企業に申し込み、可能性を広げることで落ち着きたい」と考えて200社以上にプレエントリーする人もいるでしょう。
プレエントリー数が多すぎる、少なすぎるというのはあくまで主観的な判断によるので、各人の性格や戦略に基づいて決めるのが最適です。
プレエントリー数を増やせない就活生が取るべき4つの行動
プレエントリー数は30社以上100社以下が理想と書きましたが、志望業界が決まっていない学生にとっては、30社プレエントリーすることも難しいかもしれませんね。
しかし、志望業界が決まっていない学生こそ、がんがんプレエントリーしましょう。
なぜなら、就活の後半になって「あの企業に興味が湧いてきたな」と思っても、プレエントリーしていなければエントリーすることはできず、本選考の舞台に上がれない場合があるから。
可能性を広げるという意味でも、プレエントリーは多くの企業にすべきだといえます。
ただ、一方的にプレエントリーの重要性を押し付けても、「じゃあどうやってプレエントリーする企業の数を増やせばいいんだよ」と怒りの声が聞こえてきそうです。
ここからは、プレエントリー数を増やせない学生が取るべき行動を、4つに分けて紹介します。
1. 様々な業界に接する
まず、世の中にどのような業種があるのかを知らなければ、志望業界を決めようがありません。
合同説明会に参加して様々な企業と接してみたり、業界地図などの書籍を読んでみたり、キャリアセンターで相談したりして、いろいろな業界について知識を深め、視野を広げることがとても大切です。
2. とりあえず10社プレエントリーしてみる
それぞれの業界について理解したところで、とりあえず目についた企業へプレエントリーしてみましょう。目安としては10社程度でしょうか。
業界を絞れていない人は、業界についての先入観がないという強みがあるので、その強みを活かして正直に企業を選んでいきましょう。
3. プレエントリーした企業や業界について調べる
続いて、プレエントリーした企業のことや、その企業が属している業界について、より詳しく調べます。
業界研究をするうちに、更に興味が湧く企業と出会えるかもしれません。
4. プレエントリーした企業に共通する軸を探す
それでも興味の湧く企業が見つからなかった場合は、プレエントリーした10社の企業に共通する、「自分の企業選びの軸」について探ってみましょう。
たとえば、ある人のプレエントリーした企業が商社や銀行ばかりだった場合、その人が企業選びのときに大切にしているのは、「知名度」「給料が高い」「B to Bの業務形態でサービスを提供し、世の中に影響を与える」という3要素だということがわかります。
このように、自分の企業選びの軸がぼんやりとわかってきたら、その軸に合った企業を探して、プレエントリー数を増やしていけばよいのです。
プレエントリー後の流れ
プレエントリーすることは、企業の本選考に参加するためのスタートラインに立つことを意味しますが、プレエントリーしただけでは本選考の舞台には上がれません。
ここからは、プレエントリーした学生がその後どのように行動すべきかを説明していきましょう。
1. 企業リストを作成する
幾つかの企業にプレエントリーしたら、まずプレエントリーした企業の企業リストを作ることをおすすめします。
なぜなら、プレエントリーするとマイページのIDとパスワードが発行されるのですが、この管理が非常に面倒くさいからです。
そこで、エクセルで企業リストを作り、IDとパスワードをまとめておきましょう。
また、最近では、IDやパスワードを管理するアプリも登場しているので、エクセルに抵抗がある人はアプリを利用してみてください。
Androidユーザーに人気のパスワード管理アプリ
2. 個別説明会に参加する
続いて、プレエントリーした企業の個別説明会に参加します。
プレエントリーした企業であってもエントリーはしなくてよい、と先ほど話しましたが、それは裏を返せば「プレエントリーした後に、エントリーが終わったと勘違いして何もせずにいると、その学生はエントリーを辞退したとみなされる」ということです。
そのため、ぜひ本選考も受けたいという企業に関しては、必ず個別説明会をマイページから予約して、参加するようにしましょう。
3. エントリーする
個別説明会に参加して、本選考を受けたいという企業を見つけたら、ESを提出してエントリーをします。
その際には、ESの締め切りを前もって確認しておき、間に合うように提出しましょう。
またESの提出と同時に筆記試験の受験を求める企業とそうでない企業があるため、志望する企業がどちらなのかも確認しておくといいです。
そして、筆記試験を通過したら、いよいよ面接。
複数回の面接を突破した先が、ようやく内々定です。
プレエントリーでは「数、締切、方法」を意識して動くことが大切!
ここまでの説明で、プレエントリーとは就活解禁後に一番最初にやることであって、プレエントリーをした企業とその数が、就活の命運を左右するという旨を強調してきました。
また、プレエントリーした企業にしかエントリーすることができないということからも、プレエントリーが就活の一連の流れにおいていかに重要かも、お分かりいただけたと思います。
さて、そんな大事なプレエントリーなのですが、みなさんが失敗しないためにも、最後に伝えたい事が3つあります。
- プレエントリーしたからといって、エントリーしなければいけないわけではないため、興味を持った企業にはどんどんプレエントリーすべき。
- プレエントリーしようと思ったらエントリーが終わっていた、ということにならないように、3月上旬から、遅くとも3月下旬には、志望している企業のプレエントリーを済ませる。
- プレエントリーの方法には、企業HPを通して行う方法と、マイナビ・リクナビを通して行う方法の2種類がある。
前者は志望度が高い企業にプレエントリーするときに利用し、後者は少し興味がある企業にエントリーするときに利用する、というように使い分ける。
このように、数を稼ぐために積極的に、締切に間に合うように素早く、2つのエントリー方法のメリットとデメリットを理解して戦略的に動くことが、プレエントリーで失敗しないコツです。
そして、効率よくプレエントリーするために、今から自己分析や業界研究、企業研究を進めて、3月1日までにプレエントリーする企業がかたまっている状態に仕上げることが大切です。
それでは皆さん、今日から自己分析、業界研究、企業研究をはじめて、万全の体制で3月1日を迎えましょう!
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