就活で内定を辞退するときの正しい断り方

20卒の皆さん、こんにちは!

面接解禁日の6月1日を過ぎましたが、今年は学生優位の売り手市場ということもあって、複数の企業から内定を獲得した学生さんも多いのではないでしょうか。

そんな学生さんに向けて、前回の記事では「複数の内定先から1社に絞る方法」について解説しましたが、今回の記事では「入社先を決めた後の話」をしたいと思います。

複数の内定先から1社に絞ったとき、残りの企業はどうしますか?

そう、内定を辞退しなければいけません。

ところで皆さん、正しい内定辞退の方法ってわかりますか?

「内定辞退って今までやったことないんだよね、緊張する…」
「内定辞退の連絡をするときって、電話?それともメール?」
「内定辞退の連絡をしたら、直接謝りに来いって呼び出されたんだけど!?こんな場合、どうすれば良いんだよ…」

こんな悩みを少しでも抱えている皆さんは、この記事を読めば正しい内定辞退の方法がわかります!

内定を辞退するときは電話で連絡しよう!

電話をする女性

さて、内定を辞退するとなったとき、最初に抱く疑問は「どんな手段で内定辞退の連絡をしよう?」ということだと思います。

電話? メール? それとも手紙?

その答えは、「電話」です。

内定辞退のような重要度の高い用件は、電話で連絡するのがマナーなのです。

その理由の1つは、電話が一番早く伝わるから。

手紙やメールは一方的な連絡ツールであるため、相手がきちんとメールや手紙を読んでくれたか、相手に用件が伝わったかを確認できないのに対し、電話では直接、採用担当者とやり取りすることができます。

また、2つ目の理由は、電話では直接相手の声を聴くことができるため、誠心誠意謝罪することができるからです。

「内定辞退」という、学生にとってみれば言いにくいことをあえて直接伝えることで、誠実さをアピールすることができますし、内定辞退を伝えたときに相手が感情的になってしまったとしても、その場で処理、謝罪することができます。

一方、メールや手紙は、一度送ったら送りっぱなしですから、誠実ではない、非常識だという印象を相手に与えてしまうかもしれません。

以上の理由から、メールや手紙よりも、電話で連絡するほうが内定辞退のときは良いです。

「電話だと相手の声を聞いて対応しなきゃいけないから緊張する、メールや手紙が良い…」と思うかもしれませんが、これも社会人になるための試練だと考えて、前向きに乗りきってください。

電話で内定辞退する時の会話例

ただ、いきなり「内定辞退は電話ですべき!」と言ったところで、こんな声が聞こえてきそうです。

「内定辞退するとき、どのように話すべきかわからないよ!会話例を教えて!」

そこで、ここからは電話で内定辞退する時の会話例について解説していきます。

学生
「こんにちは、〇〇大学〇〇学部4年生の山田太郎と申します。
採用の件でお電話したのですが、人事部の田中様はいらっしゃいますか。」
人事
『お電話代わりました、人事部の田中です』
学生
「こんにちは、〇〇大学〇〇学部の山田と申します、お世話になっております。
お忙しいところ恐れ入りますが、只今お時間よろしいでしょうか?」
人事
『はい、大丈夫です』
学生
「ありがとうございます。
先日は、内定のご連絡をいただき、ありがとうございました。
しかし、身勝手なお願いで大変申し訳ございませんが、本日は御社の内定を辞退させていただきたく、お電話いたしました。」
人事
『そうですか、一緒に働けることを楽しみにしていたので、残念です。
もし差し支えなければ、辞退の理由を教えていただけませんか?』
学生
「御社と並行して選考が進んでいた、〇〇業界の他社さんから内定をいただいたからです。
最後まで悩みましたが、〇〇業界の仕事がより私の適性に近いと感じて、このような決断をしました。」
人事
『そうですか。
もしよろしければ、入社される企業名も教えていただけますか?』
学生
「◯✕商社の総合職として、来年から勤務する予定です。」
人事
『そうですか、大変残念ですが、了解いたしました。
そちらの会社でも頑張ってくださいね』
学生
「ありがとうございます。この度は貴重なお時間をいただきながら、このようなお返事となってしまい申し訳ございませんでした。
そして、今まで本当にありがとうございました、それでは失礼いたします。」

電話で内定辞退の連絡をするときは、次の7つのステップを踏みます。

内定辞退の流れ7つのステップ

  1. 自己紹介をしてから、採用担当者を呼び出す
  2. 相手の都合を確認する
  3. お礼の言葉を述べる
  4. 簡潔に内定辞退する旨を述べる
  5. 内定辞退理由を述べる
  6. 入社先を述べる
  7. 改めて謝罪する

それでは、1つ1つ解説していきましょう。

1. 自己紹介をしてから、採用担当者を呼び出す

企業からしてみれば、いきなり知らない誰かから電話がかかってきたら、恐怖以外の何物でもありませんよね。

ですので、まずは自己紹介(大学名、学部、学科、学年、氏名)を済ませてから、採用担当者を呼び出すようにしましょう。

このとき、「採用の件でお電話したのですが…」と言うと、察しのよい方であれば電話がかかってきた用件に気づくかもしれませんね。

2. 相手の都合を確認する

採用担当者の方に代わったからと言って、いきなり内定辞退の件について話し出すのはマナー違反です。

もう一度自己紹介をしたあとに、「只今お時間よろしいでしょうか?」と続けて、相手の都合が悪くないかを確認しましょう。

3. お礼の言葉を述べる

採用担当者の了承をとれてからは、まず内定をもらったことへのお礼の言葉を述べます。

内定をいただけたことに本当に感謝しているということを伝えましょう。

4. 簡潔に内定辞退する旨を述べる

お礼の言葉を述べたあと、いよいよ本題に入ります。

ここは長ったらしくならず、簡潔に話すことを意識してください。

まず結論から話し始めるのは、ESや面接と一緒ですね。

5. 内定辞退理由について答える

内定辞退することを伝えた後、内定辞退をする理由について詳しく聞かれることがあるかもしれません。

その時は、相手の企業を批判、非難するような内容にならないように気をつけながら、辞退理由を述べます。

辞退理由に関しては、聞かれない限り自分から言う必要はありませんが、聞かれたときに備えて、前もって考えておくといいでしょう。

良い回答例

ただ、内定辞退理由を問われたときにはどんな回答をしてもいいというわけではないので、良い回答例とNG回答例をそれぞれ紹介します。

まず、良い回答例は、相手の企業を非難しておらず、角の立たない言い方であるという特徴があります。

具体例を挙げてみました。

  • 就職活動をする上で志望業界、職種が変わった
  • より自分の適性に合った企業から内定をもらった
  • 希望する進路が変わった(院進学、教員、公務員)
  • 地元で就職することにした

いずれの場合も、「当初は御社が第一志望だったが、就職活動を通して自分の気持ちが変化しました」という体で話すように意識してください。

NG回答例

良い回答例とは反対に、相手の企業を非難するような内容になってしまうのはNGです。

例えば、「御社の待遇が悪かったから…」、「会社の知名度、規模が…」、「知り合いから悪いニュースを聞いて…」という理由を話してしまうと、採用担当者も良い気がしないでしょう。

今までお世話になってきた方々に失礼がないように、「待遇」や「知名度」などの本音は胸の奥に隠して、角の立たない言い方を心がけてください。

6. 入社先について答える

企業によっては、自社を辞退した学生に対して、入社先を聞いてくることもあります。

彼らの狙いは、「採用活動にあたって競合他社はどこになるのか」というデータベースを蓄積することにあるので、聞かれた場合は嘘をつかずに正直に答えるようにしましょう。

ただ、「他社さんにはうちから内定をもらったことを言わないでほしい」と頼まれていた場合には、業界名だけで勘弁してもらってください。

また、入社先に関しても、聞かれない限りは自分から言わなくて構いません。

7. 改めて謝罪する

内定辞退する旨を伝えて、相手に納得してもらえた場合は、改めて謝罪しましょう。

今までお世話になったことのお礼も合わせて言うようにすれば、気持ちよく決着をつけられるはずです。

電話で内定辞退する時の注意点3つ

スマートフォンを操作する女性

ここまで、電話で内定辞退する時の一連の流れについて説明してきました。

ただ、電話で内定辞退の連絡をするときには、注意すべき点が3つあります。

1. 必ず採用担当者の方と直接話す

まず、必ず採用担当者の方と直接話すということを意識するようにしてください。

タイミングによっては、自分が電話をかけたとき、採用担当者の方が席を外している場合もあると思います。

この場合は、担当者が戻ってきている時間を確認して、改めて電話をかけ直すようにしましょう。

担当外の人に内定辞退の旨を伝えて、伝言してもらうというのはNGです。

2. 相手が忙しいであろう時間帯は避けて電話する

また、相手が忙しいと考えられる時間帯に電話をすることは避けましょう。

仕事が忙しい時間帯とは、具体的には次の3つの時間帯を指します。

  • 8時から10時くらいまでの朝早くの時間帯
    (朝礼やメールチェックなどの業務で社員さんが忙しい)
  • 12時から13時までのお昼の時間帯
    (社員さんが外で食事をとっていることが多いため直接話せる可能性が低い)
  • 17時以降の夜遅くの時間帯
    (仕事の追い込みに入っていて忙しかったり、社員さんがすでに帰ってしまっていたりする)

そのため、10時から12時までもしくは13時から17時までに、内定辞退の連絡をするようにしてください。

3. 内定辞退によって、特に相手企業に迷惑をかけた場合は、詫び状を送る

最後に、自分が内定を辞退したことによって、相手企業に多大な迷惑をかけた場合は、電話した後に詫び状を送るということも大切です。

たとえば、以下のような場面では、辞退する相手企業に大きな迷惑をかけているので、電話だけで内定辞退を済ませてしまうのは、少し無礼だと言えるかもしれません。

  • 知人や教授のつてで内定をもらった企業の内定を辞退する場合
  • 入社承諾書を提出した後に内定を辞退する場合
  • 内定式に参加した後に内定を辞退する場合

このような場合には、電話で内定辞退の連絡をした後、改めてお詫び状を出すことで、誠意を示すことができます。

ただ、いきなり「お詫び状を書いたほうが良い」と言われても、お詫び状の書き方なんて、よくわかりませんよね?

そこで、続いてはお詫び状の例文について説明します。

内定辞退する時のお詫び状の例文

封筒に郵便番号を書く様子

電話で内定辞退の連絡をした後に、改めてお詫び状を送付することで一層誠意を示すことができますが、お詫び上の文面は、どのようなものなのでしょうか。

実を言うと、大体の内容は電話の会話例と同じです。以下の文面をご覧ください。

〇〇株式会社 人事部
田中様

拝啓 貴社ますますご清栄のこととお慶び申し上げます。

先日は、内定のご連絡をいただき、ありがとうございました。
しかし、身勝手なお願いで大変申し訳ございませんが、就職活動を通して自らの適性をもう一度考慮した結果、貴社の内定を辞退させていただきたく存じます。

この度は貴重なお時間をいただきながら、このようなお返事となってしまい、申し訳ございません。
また、就職活動を通して、田中様をはじめとする貴社の採用ご担当者の方々にお世話になったことを、大変感謝しております。

末筆ながら、貴社のますますのご発展を心よりお祈り申し上げます。

敬具

平成〇〇年◯月◯日
〇〇大学〇〇学部〇〇学科4年
山田 太郎

このように、「御礼の言葉を述べる→簡潔に内定辞退する旨を述べる→内定辞退理由を述べる→改めて謝罪する」という流れは、電話の会話例と一致しています。

ただ、以下の4点が電話とは違うので、ご注意ください。

  • 本文に入る前に宛名を記載する
  • 本文を「拝啓」で始めて「敬具」で締める
  • 本文の最初と最後に挨拶を記載する
  • 本文の後に署名する

お詫び状を書く時の注意点3つ

また、お詫び状を書くときに、気をつけなければいけないマナーが3つあります。

これらのマナーが守られていなければ、手紙を受けとった人に「礼儀のなってない学生だ」と思われてしまうかもしれません、キチンと覚えておきましょう。

1. お詫び状は手書きで!

1つ目は、「必ず手書きで誠意を伝えること」です。

今の時代、ESもパソコンで書くことが多く、手書きは少々面倒だと感じるかもしれませんが、それゆえに直筆の手紙のほうが先方に丁寧な印象を与えられます。

2. お詫び状を書くときは修正液を使ってはいけない!

2つ目は、「修正液は使わないこと」です。

最後の一行で書き間違えをしてしまったなんてときには、修正液で訂正してそのまま提出してしまいたいと思う気持ち、よくわかります。

ただ、修正液で修正した跡が残っている手紙とそうでない手紙では、どちらがより誠意が伝わるかというのは、言うまでもありませんよね?

3. お詫び状を書くときは縦書きで白地の便箋を選ぼう!

3つ目は、「縦書きで白地の便箋を使うこと」です。

「横書きではだめなの?」と考える人もいるかもしれませんが、横書きは基本的に親しい間柄でのみ使うので、目上の方に対する手紙の書き方としては不適です。

また、白地の便箋を使うことで、先方に清廉な印象を与えられるでしょう。

内定辞退する時のメールの例文

また、メールで内定辞退するときの文面も、詫び状の文面とほとんど同じです。

件名:内定辞退のご連絡【〇〇大学〇〇学部 山田】

〇〇株式会社 人事部
田中様

〇〇大学〇〇学部〇〇学科4年生の山田太郎です、お世話になっております。

先日は、内定のご連絡をいただき、ありがとうございました。
しかし、身勝手なお願いで大変申し訳ございませんが、本日は貴社の内定を辞退させていただきたく、ご連絡いたしました。
就職活動を通して自らの希望職種を改めて鑑みた結果、別の会社とのご縁を感じ、誠に心苦しいのですが、貴社の内定を辞退させていただきたく存じます。

これまで貴重なお時間を頂いて選考してくださったにもかかわらず、このようなお返事をすることとなり、誠に申し訳なく、心よりお詫び申し上げる次第です。
また、本来なら直接お会いしてお詫び申し上げなければいけないところを、メールでのご連絡となりますことを何卒ご了承いただきたくお願い申し上げます。
就職活動を通して、〇〇様をはじめとする貴社の採用ご担当者の方々に大変お世話になりましたことを、心より感謝しております。

末筆ながら、貴社のますますのご発展を心よりお祈り申し上げます。

〇〇大学〇〇学部〇〇学科4年
山田 太郎
電話番号 090-***-****
メールアドレス *******@gmail.com

メールということもあって手紙ほど堅苦しくなく、「拝啓、敬具」や文章の始まりの時候の挨拶などは、書く必要がありません。

また、以下の3点も詫び状とは異なります。

  • 一目で内容がわかるような件名をつける
  • 本文の最初で名乗る
  • メールでの連絡を詫びる

ただ、先程書いたように、メールや手紙だけで内定を辞退することは、社会人としてのマナーに反していますので、極力電話で内定辞退するようにしてください。

いつまでに内定辞退すればいい?内定承諾書提出後の辞退はOK?内定辞退に関するQ&A

内定辞退で悩む女性

ここまでは内定辞退するための方法や例文について解説してきましたが、ここからは、内定辞退に関するいろいろな疑問について、答えていこうと思います。

内定辞退はいつまでにすべきでしょうか?
法律という観点から言えば入社2週間前までに、マナーと言う観点から言えば一日でも早く辞退する必要があります。

まず、「入社2週間前」という数字の根拠は、以下の法律です。

民法627条第1項 当事者が雇用の期間を定めなかったときは、各当事者は、いつでも解約の申入れをすることができる。この場合において、雇用は、解約の申入れの日から二週間を経過することによって終了する。

つまり、A社の内定を辞退してB社の内定を承諾するということは、遅くとも2週間前に申告すれば、法の下ではOKなわけです。

しかし、もしも内定辞退すると心に決めているのであれば、一日でも早く連絡しましょう。

なぜなら、1人の学生が内定を辞退すると、企業はその1枠を埋めるために、また採用活動を再開しなければいけないからです。

つまり、内定辞退を言い出すタイミングが遅くなればなるほど、その分だけ企業の採用活動を引き延ばしてしまうことになります。

「内定辞退すると言ったら怒られるかもな、嫌だな…」と学生さんが返事をズルズル引き延ばしてしまう気持ちもわかりますが、内定をもらった企業に迷惑をかけないよう、速やかに連絡しましょう。

内定承諾書を提出した後でも内定辞退できるのでしょうか?
内定辞退はできます。

内定承諾書とは、「この企業に就職します。正当な理由以外では、承諾書の内容に反することはしません。」などの内容が記載されている、いかめしい書類のことです。

その仰々しさ故に、一度署名してしまったら内定辞退できないのではないかと考えてしまう人もいますが、実は内定承諾書に法的な拘束力はありません。

ですので、「第一志望の内定を貰う前に、第二志望の企業から内定承諾書の提出を求められた」場合でも、とりあえず第二志望の企業に内定承諾書を提出して、そのあとに内定辞退するということはできます(ただ、相当失礼なことをしているので、誠心誠意謝罪することが必要です)

理系で就活している人は、推薦書の提出を求められることがあると思うのですが、その場合も内定辞退できるのでしょうか?
推薦書を提出した場合は、内定辞退することは難しいです。

その理由は、推薦書は「この学生は貴社できちんと働けますと学長や教授が推薦する書類」であるからです。

つまり、推薦書を提出した後に内定を辞退してしまうと、それを書いてくださった学長や教授の顔に泥を塗ってしまい、彼らの信頼を失墜させてしまうことになってしまいます。

さらに、推薦書提出後に内定辞退をされた場合、その研究室や大学から学生を採用しなくなる企業もあるため、将来の後輩にも迷惑をかけてしまう可能性も。

以上の理由から、推薦書提出後の内定辞退は得策ではありません。

内定辞退を電話でしたときに、直接謝りに来いと言われたのですが、どうすればいいでしょうか?
素直に応じて、直接謝罪するのがベストです。

ただ、直接訪問しなかったからと言って罰則はないですし、行かないという選択肢もあり。

巷では、直接謝罪に伺ったらコーヒーやカレーをぶっかけられた、1時間以上土下座させられて罵倒され続けた、などの恐ろしい噂も流れていますし、自分のメンタルの強さと相談しましょう。

直接訪問を断る場合は、「申し訳ございませんが、直接謝罪に伺うというのは差し控えたいと思います」と毅然とした態度で接するようにしてください。

内定を辞退したら、君の出身大学からは二度と採用しないと言われたり、損害賠償を要求されたりしたのですが、どうすればいいでしょうか?
まずは、大学の就職課の人に相談してみましょう。

ただ、企業が実際に特定の大学の学生を採用することを控えたり、内定辞退した学生に損害賠償金を支払わせたりするケースは殆どないですから、心配しすぎなくても大丈夫ですよ。

大手企業4社から内定を獲得した、就活経験者Aくんの内定辞退の体験談

続いては、実際に複数の企業から内定をもらった学生さんはどのように内定を辞退したのか、実例を挙げて紹介したいと思います。

今回も、就活経験者のAくんにお越しいただきました。

Aくんのプロフィール
大学生Aくん

  • 志望業界
    B to Bメーカー、インフラ(電力、ガス、通信、物流)
  • 学歴
    関西の某国立大学文学部4年(19卒)
  • 大学での活動
    文化系サークル(役職あり)、アルバイト(飲食店、塾講師)
  • 就活の軸
    「ものづくりを通して人々の生活を広く支えられること」
    「海外で活躍できるチャンスがあること」
    「会社や社員さんの雰囲気と自分の雰囲気が合うこと」
  • 内定先
    素材メーカー、中間部品メーカー、機械メーカー、物流会社の計4社
  • 入社先
    2019年4月より、中間部品メーカーに入社予定
新山 保

Aくん、本日はよろしくお願いします。

大学生 Aくん大学生 Aくん

よろしくお願いします。

新山 保

Aくんは、素材メーカー、中間部品メーカー、機械メーカー、物流会社の4社から内定を獲得されて、最終的に中間部品メーカーに入社することを決められたとのことでしたが、つまりそれ以外の3社の内定は辞退されたということですよね?

大学生 Aくん大学生 Aくん

そのとおりです。
内定をいただいた企業様はどこも素晴らしい会社でしたので、内定を辞退するときは本当に辛かったですね。
その時の揺れ動く心理も描写しつつ、体験談を語っていこうと思います。

新山 保

お願いします。

大学生 Aくん大学生 Aくん

まず私が内定を辞退したのは、某物流会社でした。
辞退を決めた理由は、志望業界の変化と、待遇面での不満の2つ。

はじめての内定辞退ということで緊張しましたが、今までお世話になったお礼を述べ、内定を辞退するという旨を伝えたところ、怒鳴られることもなく、スムーズに話が進みました。

新山 保

それは良かったですね。
内定先や内定辞退理由は聞かれましたか?

大学生 Aくん大学生 Aくん

聞かれました。
今までお世話になった会社ですし、正直に答えていましたよ。

ただ、辞退理由の1つである「待遇面での不満」は、完全に相手への悪口になってしまうので、絶対に言いませんでしたね。
「志望業界が変わりました!」の一点張りでした 笑。

新山 保

それはそうですよね。
2社目の内定辞退はいかがでしたか?

大学生 Aくん大学生 Aくん

私が次に辞退したのは、某素材メーカーでした。
辞退を決めた理由は、商材への興味と勤務地の2つ。

内定辞退の連絡をしたときは、入社先は聞かれたものの辞退理由については問われず、あっというまに内定辞退が了承されました。
その時間はわずか40秒。

新山 保

かなりすんなりいきましたね…。
3社目の内定辞退はどうだったんですか?

大学生 Aくん大学生 Aくん

ここまではすんなり辞退できたんですが、最後の1社の辞退には非常に時間がかかりました…
最後に辞退した某機械メーカーは、実は2回内定辞退しているんです。

新山 保

どういうことでしょうか?

大学生 Aくん大学生 Aくん

素材メーカーの内定を辞退した日と同じ日に、機械メーカーにも内定辞退の連絡を入れていたんです。

ただ、そのときには「うちの社員と話を聞いたり、イベントに参加してもらったりしてから決断してもらえませんか?」と軽く引き止められました。

新山 保

それは断りにくいですね…

大学生 Aくん大学生 Aくん

おっしゃるとおりです。
結局、その企業のイベントには参加することにしましたし、先輩社員の方と1対1でお話しする機会も設けていただきました。

ただ、どうしても某中間部品メーカーへの思いが残っていたので、6月中旬に2度目の内定辞退の連絡を入れたんです。

新山 保

結果はどうだったんですか…?

大学生 Aくん大学生 Aくん

なんとか了承していただけました。
少し落胆されている様子でしたが、非常に丁寧かつ真摯に対応していただいたことを覚えています。

辞退の理由と入社先については詳しく聞かれたので、前もって用意しておいた文章に沿って、論理的に説明することを意識しました。

そして、電話の最後には「Aくんなら他社さんでも活躍できると思います!」と激励していただきました、嬉しかったですね。
体がもう1つあれば入社したかったです 笑。

新山 保

それだけ良くしていただいた会社であれば、内定辞退するのも胸が痛んだでしょうね…

大学生 Aくん大学生 Aくん

そうなんですよ、巷でよく言われる「オワハラ(就活終われハラスメント)」や「内定承諾書の提出強要」などは全くなく、本当に良い企業様ばかりだったなと思っています、それだけに辛かったですね。

さて、こんな辛い内定辞退の経験から、私が学んだことは2つありました。

新山 保

それは何でしょうか?

大学生 Aくん大学生 Aくん

1つ目は、「事前に内定辞退の文面を紙に書いておくべき」ということです。

内定辞退は基本的に電話で行うことになりますが、実際に辞退するとなると、想像以上に緊張します。
そのため、事前に言うべき内容をまとめておかないと、緊張のあまり内容を忘れて、支離滅裂なことを口走ってしまうということが考えられます。
これでは少し失礼ですよね。

そこで、事前に内定辞退の文面を紙に書いておけば、紙に書いてあることを読み上げるだけで、論理的に説明することができます。

新山 保

確かに、おっしゃるとおりです。
2つ目は学びは何でしょうか?

大学生 Aくん大学生 Aくん

「真摯に、正直に対応すべき」ということです。
もちろん学生には内定を辞退する権利がありますが、辞退する相手企業のことも思いやるようにしてください。

企業は採用活動にあたって、莫大な資金を投下して就活サイトに広告を掲載したり、面接のために重役の貴重な時間を割いたり、様々な工夫をされています。

それだけの時間と費用を投資していただいたにもかかわらず辞退するわけですから、礼儀正しく正直に謝罪するのが、社会人としてのマナーでしょう。

また、内定を辞退したらその企業との関係はこれきりということはなく、将来のビジネスパートナーとなることも十分考えられます。
その意味でも、真摯に、正直に対応することを心がけるべきですね。

新山 保

わかりました、Aくん、今回はありがとうございました。

大学生 Aくん大学生 Aくん

こちらこそ、私の話を聞いていただきありがとうございました。
また何か力になれることがあれば、何なりとお申し付けください。

内定辞退は、「電話で、誠実に、素早く」行おう!

黄昏る男性

ここまで、就活経験者の実体験も交えつつ、内定を辞退する具体的なやり方について説明してきました。

最後に、今までの振り返りを兼ねて、この記事のまとめに入りたいと思います。

この記事で一番伝えたかったことは、「内定辞退は電話で、誠実に、素早く行ってほしい」ということです。

電話で連絡すべき理由は、「電話はメールや手紙と比べて早く伝わるから」、「電話では相手の声を聞くことができるため、誠心誠意謝罪することができるから」です。

よほどのことがない限りは、メールや手紙で内定辞退の連絡を済ませるのではなく、直接電話で連絡するようにしましょう。

また、誠実に内定辞退をすべき理由は、Aくんのお話と重なるところがありますが、「内定辞退する企業(特に人事の社員さんの気持ち)のことを考えるべきだから」です。

採用活動にあたって人事の社員さんは、インターンや説明会の内容を考えたり、採用計画を立てたり、休日返上で全国の採用イベントに参加したり、膨大な量のESを一枚一枚評価したり、面接官として毎日たくさんの応募者と会ったり、選考が終わった学生のアフターケアをしたり…といろいろな仕事をしています。

それだけに人事の社員さんは、自分が目をかけていた学生が内定を獲得したら自分のことに嬉しいでしょうし、そんな学生に内定辞退をされると、本当にがっかりしてしまうはずですよね。

そんな人事の社員さんの気持ちを慮って、礼儀正しく誠実に内定辞退をすることが、内定を辞退する企業への、せめてもの償いだと言えるでしょう。

そして、内定辞退を素早くすべき理由は、「内定辞退する企業や他の就活生に迷惑をかけないようにすべきだから」です。

あなたが内定を辞退すると、企業はその空いた1枠を補充しなければなりません。

このとき、内定辞退を言い出すのが遅くなれば遅くなるほど、内定辞退する企業の採用活動を滞らせてしまうということになりますよね、それは非常に迷惑です。

そして、あなたが内定を辞退せずに1枠無駄に消費しているということは、その会社に入りたいと思っている同級生のチャンスを奪っていることにもなります。

企業や他の就活生への迷惑を最小限に食い止めるためにも、「内定辞退しよう」と思ったら、一日でも早く連絡するようにしてください。

新山 保

内定辞退は「電話で、誠実に、素早く」行うべきだという理由がわかりましたか?

大谷 翔太

よくわかりました、ありがとうございます!

菊地 絵理奈

今まで気が乗らなくて内定辞退の連絡ができていませんでしたが、今日家に帰ったらすぐに連絡します!

新山 保

遠足は家に帰るまでが遠足だと言いますが、就活も内定辞退をすべて終えるまでが就活だと言えます。
皆さんも、きちんと内定辞退の連絡をして、就活をすべて終わらせましょう!

新卒向け就活エージェント キャリアスタート

「なかなか内定が決まらない」「自分に合った職業・職種がわからない」と悩んでいる方、新卒・既卒向けの就職支援サービス「キャリアスタート」に相談してみませんか?

「キャリアスタート」は、マンツーマンで20代の就職活動をサポートしてくれる就活エージェントです。

これまで3000人以上の就職支援を行ってきており、入社後の定着率が92%と高い定着率を実現しています。

キャリアスタートのサポートは、就職活動の相談と企業の紹介だけでなく、履歴書やエントリーシートの添削、面接対策にも対応しており、これらのサポートが無料で受けられます。

さらにキャリアスタートのメリットは、内定までの期間がとてもスピーディー!最短2週間で内定ゲットできる可能性もあります!

相談はZoomまたは電話でできるので、全国どこに住んでいても利用可能です。