「10社以上に申し込んだけれど書類選考に通らない」
「中途採用の書類選考に落ちる理由がわからない」
転職に向けて履歴書をきちんと書いているのに、書類選考に通らず頭を抱えている人も多くいるでしょう。
結論からいうと、書類審査に通らない理由は、書類を見た段階で企業が欲する人材ではないと判断されたからです。
そのままのやり方では、今後応募する企業でも採用されるのは難しいかもしれません。
そこでこの記事では、転職の書類選考になかなか通らない原因と、書類選考を通過するためのコツを紹介します。
この記事を読めば、「直接会って話を聞いてみたい」と思ってもらえるような応募書類が作れるようになるでしょう。
転職活動において、応募書類の作成は頭を悩ませる一つですね。
応募書類は自分を助けてくれるツールだと考えてみてはいかがでしょうか。面接では緊張もしますし、伝えようと思っていたことが十分話せなかった、という場合も多いと思います。それを補ってくれるのが応募書類です。
企業担当者の興味を引くポイントは、伝えることを応募企業が知りたいこととリンクさせて考えるということです。そのためには、書類作成をする段階で企業について調べ、自分を振り返ることも必要になります。それが面接対策にもなるのです。
そう考えると、応募書類の作成はあなたにとってプラスになりそうですね。書き方の注意ポイントも掲載していますので、参考にしてください。
転職の書類選考が通らない理由5つ
中途採用に応募して書類選考が通らないことは、誰もが経験することです。
ただ何十社も書類選考に通らなかったら、書類の作成方法に問題がある、または応募するべき企業を間違えている可能性があります。
書類選考で落ちる理由5つを紹介するので、あてはまるものがないか確認してみましょう。
転職の書類選考が通らない理由
- そもそも提出した企業の数が少ない
- 職務経歴書で経験やスキルを十分に記述できていない
- 志望動機から意欲や熱意が感じられない
- 応募書類に不備があった
- 自分のスキルに合わない企業ばかりに応募している
転職の書類選考が通らない理由を知ってから、書類選考の対策を実践しましょう。先に原因を把握してから対策することが大切です。
1. そもそも提出した企業の数が少ない
「書類選考に落ちるのはこれで3社目。自分は転職できないのかも……」
書類選考に落ちてばかりいると、自信喪失してしまい、転職活動のモチベーションも下がってしまいますよね。
ですが、2~3社の不採用で落ち込むのはまだ早いかもしれません。
大手転職サイト「マイナビ転職」の調査によると、転職応募社数の平均が8.4社で、年齢が上がると応募社数が増える結果となっています。
年齢別応募社数の平均 | |
---|---|
20~25歳 | 6.3社 |
26~30歳 | 7.1社 |
31~35歳 | 8.2社 |
36~40歳 | 8.7社 |
41~45歳 | 10.1社 |
46~50歳 | 12.1社 |
※参照)マイナビ転職
もちろん履歴書や職務経歴書はその都度ブラッシュアップが必要ですが、2~3社の不採用が続いたからといって極度に落ち込むことはありません。
できることから改善していきましょう。
2. 職務経歴書に経験やスキルを十分記述できていない
職務経歴書に書いた経歴を見直してみましょう。
これまでの経験やスキルについて、誰が見てもわかるように書かれていますか?
おおまかな内容ではなく、具体的な成果を書いていますか?
企業側は職務経歴書をはじめて目にするわけですから、職務経歴書はあなたの成果をわかりやすく記載する必要があります。
たとえば以下の文章を読んでみてください。
この内容では、抽象的すぎてあなたの経歴がまったく伝わりません。
では、次の文章はいかがでしょうか。
具体的な数字を入れて、どのような仕事に携わり、どのような成果を出したのかを具体的に明記したことで、前文に比べて成果がわかりやすくなったと思います。
文章を書くことが苦手という人は、どうしても抽象的な文章になりがちです。
いきなり文章を書きはじめるのではなく、まずはあなたの成果を箇条書きで書き出してから文章を組み立てると書きやすいでしょう。
3. 志望動機から意欲や熱意が感じられない
複数の会社に履歴書や職務経歴書を送る際、日付だけ変えて内容をそのまま送っていませんか?
もしそうなら、企業側は使いまわしの履歴書や職務経歴書に気がついているかもしれません。
経歴についてはそのままの内容でも気づかれないかもしれませんが、志望動機にどの企業にでも当てはまるような内容が書かれていたら、さすがに気づく可能性が高いです。
なにより、どの企業にでも当てはまるような内容では、意欲や熱意は伝わりません。
企業に応募するたびに、企業に合わせて志望動機を書くようにしましょう。
企業選びがきちんと行われていたら、「志望動機に何を書いたらいいかわからない」と悩むことはないはずです。
企業側は「なぜ他社ではなくこの会社なのか」「この会社でどんな目標を立てて、どのように成果を出すのか」をとても重視するので、できるだけ具体的なビジョンを書くようにしましょう。
4. 応募書類に不備があった
応募条件を満たした経験やスキルを持っていても、履歴書の書き方の基本マナーが守れていなかったり、読みにくい文章であることが原因で書類選考に受からない場合があります。
採用担当者は提出された書類の文字や文章を見て、あなたの人柄を想像します。
読みにくい文字や文章は、読む人を思いやる気持ちや気配りが足りないと捉えられる可能性があるのです。
ですから読む人の立場に立って、丁寧に履歴書や職務経歴書を書くようにしましょう。
履歴書を丁寧に書くだけで、印象ががらりと変わります。
また履歴書だけ送って職務経歴書を送っていなかったり、写真が貼られていなかったりと、提出書類に不備があると、仕事でも同じようなことをするのではないかと懸念される可能性があります。
書類の管理はとても重要な業務のひとつなので、杜撰な印象を与えないように、提出書類には一段と気を配りましょう。
5. 自分のスキルに合わない企業ばかりに応募している
第二新卒や20代の転職では、未経験の職種でも転職できる可能性は高いですが、中途採用では基本的にスキルや知識を持った経験者が求められています。
ですから、今までの業務経験があまり生かされないような職種に応募しているなら、書類審査に通らない可能性があります。
とくに30代や40代の人は、まったく未経験の職種に応募していると、書類選考の時点で落ちてしまうことが多いでしょう。
なぜなら、30代や40代の人材は、これまでの経験を生かしたマネジメント力が求められるからです。
もちろん未経験ながら、新しい職種にチャレンジする明確な理由があれば、それは大きなアピールポイントとなるでしょう。
未経験の職種にチャレンジする人で、書類審査に通らないという人は、このアピールポイントが伝わっていない可能性が高いです。
転職の書類選考に通過するためにできる対策5つ
書類選考に通らない原因に当てはまる項目はありましたか?
書類選考に通らない原因を解決するには、書類を書く際に気をつければいいものもあれば、企業選びから見直す必要があるものもあります。
ずっと一人で書き続けていたなら、修正点を見つけにくいと思うので、第三者の人に履歴書を見てもらって、ブラッシュアップすると効果的です。
それでは、履歴書や職務経歴書の見直し方をくわしく紹介します。
書類選考に通過するための対策
- 応募する企業を見直す
- 企業が求める人材を把握し各企業に合わせて書類を作成する
- 写真や文の丁寧さにも気を配る
- 第三者に履歴書の添削をしてもらう
- 履歴書不要の求人に応募する
1. 応募する企業を見直す
あなたのスキルや志望動機が、応募企業の採用条件とまったく合っていないと、書類選考を突破することはできません。
「履歴書の書き方はきちんとしているのに書類選考に受からない」「条件や会社規模だけで自分の希望に合う会社に応募している」という人は、キャリアの棚卸しをして自分の市場価値を再確認してみましょう。
客観的な自分の市場価値を知ることで、あなたの能力を求める企業がわかります。
キャリアの棚卸しをして応募する会社を決める
キャリアの棚卸しとは、今まで自分が経験してきた仕事内容を書き出し整理することです。
キャリアの棚卸しをすることで、どんな仕事ができるか、経験を仕事にどう活かせるかが明確になります。
またキャリアの棚卸しを行うことで、実際に働いたときのことを具体的にイメージできるようになり、入社後のアンマッチを防げるほか、志望動機や自己PRが書きやすくなるメリットも。
キャリアの棚卸しは、今までしてきた仕事を思い出しながら以下の質問の答えを考えればOKです。
キャリアの棚卸しのための質問
- 今までどんな業務をしてきましたか?
- できること、得意なことは何ですか?
- 業務を遂行する上で工夫したことや、意識していたことはなんですか?
- 仕事では、どんな成果を得ましたか?
- 今までの経験を活かしてできるのは、どんな仕事ですか?
- 今後、どんな働き方をしたいですか?
- 自分のやりたいことや、希望の働き方が実現できる会社はどんな会社ですか?(どんな会社で働きたいですか?)
以上の質問に対する答えを書き出してみてください。
転職の目的や働きたい会社の特徴など、ぼんやりとしかイメージできなかったことの輪郭がはっきりしてくるはずです。
自分の市場価値を踏まえて複数の企業に応募する
あなたの市場価値を理解できたら、客観的な基準から、どの会社に応募するべきかわかってくると思います。
あとはあなたの働きたい条件も踏まえて、応募先を選びましょう。
- 応募条件にぴったりマッチした企業
- 応募条件には少し足りないが「これまでの経験の中で活かせることがある!」と、自分の中に応募の根拠がある企業
どちらに応募するにも、各企業が求める人材に合った内容で応募書類を作成してください。
あなたのスキルを求める企業を狙って応募するので、自分の市場価値を気にせず、働いてみたい企業ばかりに応募していたときよりも、書類選考に通ることが期待できるでしょう。
2. 企業が求める人材を把握し各企業に合わせて書類を作成する
いくら豊富なキャリアがあっても、応募者の経験が応募企業の求めるものと違うと判断されれば、書類選考を突破するのは難しいです。
このようなズレをなくすには企業が募集する職種の仕事内容や、応募企業が求める人材像についてできるだけ正しく理解する必要があります。
募集要項や会社のホームページをよく読み、できるだけ多くの情報を得てください。
そして企業研究をするとともに、企業が求める人材を理解し、自分のできることや持ち味との共通点を探ることで、あなたと企業のズレは解消できるでしょう。
求める人材を調べた結果、応募条件とあなたのスキルがマッチしていることがわかれば、書く内容を工夫することで書類選考に通るはずです。
企業が求めるスキルに合わせて、あなたの経験をアピールする内容の文章を書きましょう。
一方調べた結果、企業が求めるスキルをあなたが満たしていない場合は、スキルよりも仕事に取り組む姿勢や、応募企業で働く明確な目的をアピールする内容を書きましょう。
採用担当者に熱意が伝わり、「とにかく会ってみよう」と思ってもらえるかもしれません。
また志望動機を書く際は、必ず自分の言葉で書くようにしましょう。
今まで、インターネットに出ている志望動機や自己アピールのサンプルを少しアレンジして応募書類に書いていた人は、この機会に自分で考えて書くことをオススメします。
インターネットの例文に頼りすぎてしまうと、具体性がなくどこの企業でも通じるようなものになってしまいがちで、採用担当者に伝わる文章は書けません。
3. 写真や文の丁寧さにも気を配る
少し細かいところではありますが、履歴書に添付する写真も、あなたを印象づける重要なポイントとなります。
できればスピード写真ではなく、写真屋さんできちんと撮影してもらったものを使用しましょう。
応募書類を紙で提出する場合は、万が一写真が剥がれたときのために、写真のうらに名前を書いておくことを忘れないようにしてください。
また手書きで書類を作成する際は、文字のきれいさにも気を配りましょう。応募書類に書かれた文字がキレイですと、採用担当者の目を引くのは確かです。
ですが中には、文字のキレイさに自信がない人もいますよね。中途採用の応募書類で重要なのは、文字の美しさよりも丁寧さです。
あなたが出来る範囲でよいので、丁寧に書くことを心がけましょう。文字の大きさや、文字と文字との間隔にも気が配れるとベストです。
そして文章は伝えたいことをわかりやすく書きましょう。
わかりやすい文章とは、誰が読んでも理解できる文章のこと。
言葉足らずで言いたいことがよくわからない文章や、逆にだらだらと回りくどい文章は、読み手からすると大変読みづらい文章です。
文章作成に取り掛かる前に要点をまとめて明確にし、伝えたいことを簡潔に書きましょう。
一文を一気に読んで意味が掴めるように、ショートセンテンスにすることを意識すると、読みやすい文章が書けます。
また、誤字脱字も文章をわかりにくくする原因です。文章を書き終えたら、誤字脱字がないか文章をもう一度確認しましょう。
このように文章や文字を丁寧に書くとなると、時間がかかるものです。
履歴書や職務経歴書などの応募書類は、応募間近に作成するようなことはせずに、住所・氏名・年齢、学歴や職歴など、共通する部分を先に書いてストックしておくなど余裕を持って作成できるようにしておきましょう。
作成中に食べ物や飲み物のシミがついたり書き間違えてしまった場合は、修正液を使うのではなく、あらためて書き直すのがマナーです。
応募書類を郵送する際は添え状もつけることを、忘れないようにしましょう。
履歴書の書き方についてより詳しい内容は、「履歴書の書き方基本」で紹介しているので、参考にしてください。
4. 第三者に履歴書の添削をしてもらう
ひととおり履歴書と職務経歴書が書けたら、第三者に添削を依頼して、さらに磨きをかけましょう。
自分の目だけでは、どうしても気がつかない部分があるので、他人に見てもらうことをオススメします。
最近ではココナラやクラウドワークスといった、クラウドソーシングのサービスを利用することで、簡単に履歴書添削の依頼ができます。
ただしクラウドソーシングで依頼すると、費用がかかります。料金やサービス内容は依頼する人によってかなり違いがあるので、よく比較検討して依頼してみるとよいでしょう。
転職エージェントを利用している人は、わざわざクラウドソーシングで依頼しなくても、無料で履歴書の添削指導をしてくれるので、ぜひ活用してみてください。
まだ転職エージェントを利用していない人は、スキルの棚卸しも含めて一度転職のプロに相談してみてもいいかもしれません。
求人の紹介や履歴書の添削だけでなく、面接日や給与の調整も行ってくれるので、よりスムーズに転職活動が進められます。
履歴書や職務経歴書の添削サービスがある転職エージェントを紹介するので、興味がある方は一度相談してみましょう。
ビズノートがオススメする転職エージェント
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5. 履歴書不要の求人に応募する
書類選考が突破できないのであれば、書類選考を介さずに面接にたどり着く方法を活用するのもよいかもしれません。
リクルートエージェントなどの転職サービスを利用すると、登録内容に合ったスカウトメール(オファー)が届き、場合によっては履歴書の提出を省略して面談してくれることがあります。
リクルートエージェントの場合は、「面接確約」のスカウトメールが届くと書類選考なしで面接に臨めます。
もちろん企業側からのオファーですから、自分から応募するよりも転職に有利となる可能性が高いです。
履歴書の提出をどうしても避けたいという方は、こういった転職サイトに自身のスキルや経歴をできるだけくわしく記入しておくことをオススメします。
転職の書類選考に関するよくある悩み
転職の書類選考について、よくあるお悩みをまとめました。
「書類を送ったのに連絡がない」「書類選考に落ちたあとどうすればいい?」などのお悩みに答えていきます。
一度書類選考に落ちた企業に再挑戦してもいい?
一度書類選考に落ちた企業に再挑戦することは可能です。
ただし書類選考で落ちたということは、また同じような内容で挑戦しても通らない可能性が高いです。
また、書類審査に通らなかった理由があなたのスキルや経験不足だったとしたら、再挑戦するまでに経験を積むなど準備が必要になるでしょう。
基本的には採用しなかった理由を言わない企業が多いですが、親切な企業なら採用に至らなかった理由を教えてくれることがあるので、しつこくない程度に問い合わせてみてもよいかもしれません。
書類選考のあと何日後までに連絡がくる?
書類選考の結果を通知する期間は、企業によって異なるため一概には言えません。
1週間以上経っても連絡がない場合は、直接問い合わせをして、いつ頃結果がわかるのかをたずねてもいいと思います。
転職エージェントの書類選考に通らないときはどうするべき?
dodaやリクナビエージェントといった転職エージェントは、求人の紹介をしてくれますが、紹介された求人で必ずしも採用されるとは限りません。
最終的に採用を決めるのは企業側なので、書類選考が通らないこともあります。
ただ書類選考が通らないことが続くと、エージェント側のやり方に少し問題があるかもしれません。
転職エージェントは担当者によって対応が異なることがあるため、担当を変えてもらうことも検討してみるとよいでしょう。
それでも解決ができなかったら、別の転職エージェントに変えて転職活動をすすめるのも方法のひとつです。
【まとめ】書類選考に受からないからと転職をすぐに諦めないで
ここまで、書類選考に通らない原因と対処法を紹介しました。
書類選考はあなたの第一印象が決まる重要な選考過程です。
面接で服装や髪型を整えるのと同じように、履歴書や職務経歴書の見た目にも気を配りましょう。
文字や文章に自信がなくても大丈夫。丁寧に書いたことは、文章をみればわかるものです。
また書類選考に通らない理由として、自己アピールの内容が応募先企業が求める人材とマッチしていない可能性があると紹介しました。
応募先の企業がどのような会社で、どんな人材を求めているかを調べて、それに沿ったアピール文が書ければ、面接に進める可能性が高まります。
会社の名前や規模だけで応募先企業を決めていたという方は、まずはあなた自身を振り返り、適正や希望する働き方を明確にしてから、再度転職先を決めるようにしましょう。
「書類選考が受からず、自分ではどうしていいのかわからない」という方は、転職エージェントに頼るのも方法のひとつです。
書類選考に通らないからとすぐに諦めず、ブラッシュアップしながら何度でもトライしてくださいね。
- 監修者:石峰朱実(キャリア・コンサルタント)
- 各種学校、公共事業にて主に就職支援を担当。また転職エージェントでの面接指導にもあたっており、人材業界での10年の勤務経験も含め、就転職支援では20年超のキャリア。>>詳細はこちら