「業界研究っていつからすればいいんだろう?」
「業界研究の具体的なやり方が分からない、やったとしてもどれくらいしたらいいの?」
業界研究をしてみようとしても分からないことだらけで、勝手に「必要ない」と判断して飛ばしてしまっていませんか?
業界研究は就職活動において、自己分析や企業研究と同じくらい重要な準備のひとつです。
しっかりと業界研究をして、就職活動を有利に進められるようにしましょう。
目次
業界研究はいつからするべき?自己分析の次にするのがベスト
突然ですが、業界分析をする正しいタイミングを皆さんはご存知ですか?
答えは「業界研究は自己分析の次にするべき」です。
業界研究の目的は、自分が働きたい業界を見つけること。
それに対して自己分析の目的は、自分が働きたい業界を決める前の「自分の理想の働き方」を知ることです。
自分の理想の働き方が分からないまま闇雲に業界研究をしても、効率が悪くなってしまいます。
スムーズに業界研究を進めるためにも、まずは自己分析をきちんと済ませましょう。
自己分析については「就活で自己分析が必要な理由と方法!企業が求める自己PRをするための自己分析」を参考にしてください。
なぜ業界研究は必要?業界研究をするべき3つの理由
業界研究をするべき理由は3つあります。
- 優良な業界を見逃さないため
- ワークライフバランスとのミスマッチを防ぐため
- 説得力のある志望動機を作るため
順番に詳しく見てみましょう。
1. 優良な業界を見逃さないため
業界研究をする理由のひとつ目は、業界研究をしなければ日本に存在する多くの企業を見逃してしまう恐れがあるからです。
例えば毎年就活生に人気の企業ランキングで上位に位置している日本航空やサントリーグループはとても有名ですよね。
このような大人から子供までよく知られているような企業の多くが B to C と呼ばれる企業です。
B to C というのは Business to Consumer の略称で、企業が消費者に対して商品やサービスを提供する取引のことをいいます。
例を挙げると、家電メーカーやアパレル、飲料水などを私たちに向けて商品を売ったりする企業のことです。
B to Cに対して、B to B と呼ばれる企業があります。
B to B と言うのは Business to Business の略称で、企業間取引を意味し、企業が企業に向けて商品やサービスを提供する取引を指します。
例に出すと、鉄鋼や紙やパルプなどの原材料を作る企業です。
経済産業省によると、2016年の日本の B to C 企業は15兆1,358億円なのに対し、B to B 企業の市場規模は291兆170億円となっており、皆さんがよく知っている B to C 企業の規模は、B to B 企業の5%しかないことが分かりました。
※参照)経済産業省「我が国におけるデータ駆動型社会に係る基盤整備」
B to C 企業の方が市場規模が小さいにも関わらず知名度が高いのは、B to B 企業は基本的には企業同士の取引なので、消費者に知られる機会が少ないからです。
そういえば、B to C 企業である広告業界国内1位の電通は8,383億円、2位の博報堂は8,802億円に対して、あまり知らなかった B to B の鉄鋼業界国内1位は新日鉄住金の4兆6,328億円、2位のJFEホールディングスは3兆3,089億円と、広告業界と売上の規模が大きく違ったから、とても驚きました!
このように、B to C 企業だけでなく、B to B 企業にもビジネスの規模が大きく優良な企業がたくさんあるので業界研究はしっかりと行いましょう。
2. ワークライフバランスと業界のミスマッチを防ぐため
業界研究をする理由ふたつ目は、自分が求めるワークライフバランスと業界とのミスマッチを防ぐためです。
このミスマッチの代表例は残業時間です。
企業ごとに異なるとはいえ、残業が多くなりがちな業界は存在します。
例えば、社員による企業のクチコミ情報を載せたVORKERSが残業時間を調査したレポートによると、2016年の平均残業時間が35時間に対して広告代理店は60時間、コンサルタントは59時間と大幅に平均を超えている業界があります。
また、完全週休二日制を採用しているかどうかも業界ごとに特色があります。
週末はマーケットが閉まる金融業界の大多数は完全週休二日制を採用していますが、サービス業界は週末が稼ぎ時ですので完全週休二日制はほとんど採用されていません。
このように、業界ごとに「仕事の特徴」というものがあるのです。
自分の理想のワークライフバランスや、働く上で絶対に譲れない、大切にしたいものがありますよね。
業界研究は、自分の理想と業界の特徴がかけ離れていないかをチェックするための大切な作業であると言えます。
3. 説得力のある志望動機を作るため
業界研究をする3つ目の理由は、説得力のある志望動機を作るためです。
業界研究をやっていくうちに、「自分はなぜこの業界に惹かれているのか」や「なぜ他の業界ではなくこの業界に興味があるのか」など様々な疑問がでてきます。
業界分析をすることで、「自分がなぜこの仕事に惹かれているか」を改めて明確にすることができます。
そして、業界に興味がある理由を明確にすることで、履歴書に志望動機を記入するときや面接で志望動機を聞かれた際にはっきりと回答することができます。
業界研究のやり方が分からない?2段階に分けて行ないましょう!
次に、業界研究のやり方を紹介します。
業界研究の進め方は、第1段階と第2段階があります。
第1段階は世の中にどんな業界があるか、そしてその業界の基礎的な知識をつける段階。
次の第2段階は自分が興味を持った業界がどのように利益を出しているのか、将来性はどのようになっているかという細かいところまで把握していきます。
第1段階:様々な業界を広く浅く知る
第1段階は、様々な業界に触れてみたり、業界の基礎知識をつける段階です。
まずは、どんな情報を知ればいいのかをチェックリスト形式でまとめました。
- 業界全体の市場規模
- 業界が B to B かそれとも B to C か
- 業界の主な取引業界(B to B)、消費者(B to C)はどこか
- 業界の主要な企業は何があるのか
第1段階では、これらを意識しながら調べていきましょう。
業界について浅く広く調べる方法は4つあります。
1. インターネットを使う方法
まずは、インターネット上の就職支援サイトに掲載されている業界説明のページや業界MAPサイトを使う方法です。
例えばリクルートの運営する「リクナビ」や、マイナビが運営する「マイナビ」には就活準備という項目があります。
この就活準備の項目内に業界研究が簡単にまとめられているので、業界研究の第一段階にピッタリです。
また業界研究を分かりやすくまとめているサイトは、Lighthouseやキャリタス就活の業界マップもあるので、チェックしてみてください。
インターネットを利用して業界研究をするときの注意点
このように様々な業界研究のサイトがあり便利なインターネットでの検索ですが、2つ弱点があります。
- 最新の情報が載せられているわけではない
インターネットの業界研究は最新のものではない危険性があるということです。
業界というものは年ごとに大きく変わっていきますので、インターネット上で業界の情報を見るときは更新日時を確認しておきましょう。 - 全ての業界が載せられていない
インターネットの業界マップは、イラストを使って分かりやすく説明されているものが多いです。
しかしインターネットのサイトは、人気のある業界のみ説明されていて、あまり知られていない業界は載せられていないこともあります。
業界を広く浅く知る第1段階では、様々な業界に触れてみるのが大事なので、インターネットに掲載されている業界以外にも様々な業界があるということを忘れないようにしてください。
2. 新聞やニュースを使う方法
新聞やニュースでは、日々様々な出来事を分かりやすく説明しています。
業界に関する最新の情報を得るためには、常に新聞やニュースをチェックしておく必要があります。
業界研究に使う新聞は、日経新聞がオススメです。
日経新聞は普通紙よりも経済について詳しく書かれている上、社会人になると会社から読むように言われる場合もあるので、この際に購読してもよいかもしれません。
新聞やニュースで情報得るときのデメリットは、情報を選んでみることができないということ。
自分が興味のないニュースも含まれているので、知りたい情報だけを選んで調べるには向かないでしょう。
新聞やニュースだけに頼るのではなく、他の方法と併用で使っていくのがオススメです。
3. 大学で行われている業界研究セミナーに行く方法
大学で行なわれる業界研究セミナーに行くことのメリットは、自分で調べる手間を省いて丁寧にゼロから教えてくれることにあります。
しかしこのようなセミナーはすべての業界について開かれるわけではないので、やはり新聞やニュースとの併用がおすすめです。
4. 業界地図を使う方法
最後に紹介する方法は業界地図です。
第1段階では、業界地図を使うことを最もオススメします。
業界地図というのは、業界の市場規模や基礎知識、最近の動向や業界ごとの主要な企業情報、企業同士の関係性が1ページにまとめられていて、ほとんど全ての業界が網羅されている本のことです。
有名な業界地図本は、東洋経済新報社が出している「会社四季報業界地図2018年度版」や、日経新聞出版社が出している「日経業界地図」、成美堂出版社が出している「最新業界地図」などがあります。
その中でも最もおすすめなのが東洋経済新報社の「会社四季報業界地図」です。
どこの業界地図もそれぞれ力を入れて書いている業界や、細かい業界の分け方が異なったりしているので一概にどこが優れているとは言えませんが、「会社四季報業界地図」は「会社四季報」を作っているだけあって業界の説明や企業掲載数が一番バランスが取れているので、今回おすすめしました。
実際に、「会社四季報業界地図2018年度版」を見てみましょう。
※参照)会社四季報業界地図2018年度版
このように視覚的に分かりやすく作られているのが、業界地図の特徴です。
さらに、業界地図をおすすめする理由は、業界地図が紙媒体であるというところにもあります。
インターネットだと、自分が知らなかったり興味がない業界は目に入らない事がほとんどです。
でも、本の形式であればページをめくっていくだけで、自然と新しい業界に出会える確率が高まります。
網羅性 | 分かりやすさ | |
---|---|---|
ネットの業界研究 | △ | ◯ |
新聞、ニュース | × | ◯ |
大学のセミナー | × | ◎ |
業界地図 | ◎ | ◎ |
このように、業界研究第1段階の方法を比較してみると、分かりやすさや網羅性を最も満たしていることがわかります。
ですので、ぜひ第1段階では業界地図を活用して下さい。
第2段階:興味を持った業界をより深く知る
第1段階で様々な業界に触れました。
第2段階では、興味を持った業界の詳しい構造や将来性を把握していきます。
第2段階を行う方法は「業界ナンバーワンの企業を調べる」と「業界で将来何がチャンスになりそうか、危機になりそうかを考える」の2つです。
1. 業界ナンバーワンの企業を徹底的に調べる
「業界ナンバーワンの企業を調べる」と聞くと、「企業を調べるのだったら、業界研究ではなく企業研究じゃないの?」と思う人がいるかもしれません。
業界研究でナンバーワン企業を調べる理由は、業界ナンバーワンの企業を調べることで「業界全体がどのようにして儲けているか」、または「業界全体がどのような問題を抱えているのか」が分かるからです。
2位以下の企業は、1位と同じやり方をしても業界で生き残ることはできません。
そのため1位と差別化を図ろうとします。
それに対して業界1位の企業が取る戦略は、スタンダードに商品を広く、そして大規模に売っていく最も王道な戦略。
ですので、業界が基本的にはどこをターゲットにして、どうやって儲けをだしているか、そして業界内で何が問題となっているかは、業界ナンバーワン企業を調べることで出てくると考えられるのです。
2. 業界で将来何がチャンスになりそうか、危機になりそうかを考える
2つ目は、将来業界にどのようなチャンスがあるのか、どのような危機が訪れるのかを調べます。
業界に訪れるチャンスや危機は、志望動機としても頻出項目ですのでしっかりと考えましょう。
例えばチャンスで言うと、2020年東京オリンピックがあげられます。
通常、オリンピックが開催が決まると競技場等の建設、道路や鉄道といったインフラの整備、宿泊施設を増やすなど経済は活発に動き、各企業の株価も上昇する傾向にあります。
これはオリンピック景気と呼ばれるもので、東京オリンピック・パラリンピック委員会が2012年に発表した数字によると、2020年東京オリンピックの経済効果は2兆9,600億円、そして15万人の雇用創出効果があるとのことです。
特に建設業界や、放送業界、観光や交通業界、警備やスポーツ業界等は発展のための大きなチャンスと考えられますよね。
このように、自分が志望する業界に10年間の間にどのような出来事が起こっていくのかを意識してみましょう。
最後に
業界研究でよくやってしまいがちなのが、自分が興味がある業界ばかり調べてしまうことです。
しかし業界研究で色んな業界を見てみることで、今まで意識してなかった身の回りにある様々なモノやサービスが、どのような仕組みで出来上がっているのかを知るきっかけになります。
このように社会の仕組みを知っていくことは、まさしく社会人の第一歩を踏み出しているということ。
つまり、業界研究は社会人になるための初めのステップと言えます。
しっかりと業界研究を行うことで、皆さんが有意義な就職活動を送ることを願っています。
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