OB訪問には、先輩に色々と質問することで、実際働く人から生の情報を聞くことができるというメリットがあります。
質問するなら、その企業の社員しか知らないような情報を得て、OB訪問を有意義なものにしたいですよね。
しかし、「その企業の社員しか知らない情報って何?」「OB訪問ですべき質問ってどんなの?」という声が聞こえてきそうです。
そこで、ここからはOB訪問で聞いておくべき質問とOB訪問でのNG質問について、それぞれ詳しく解説していきます。
この記事を参考にして、OB訪問に行く前に質問リストを作成しておきましょう。
目次
OB訪問での質問数はいくつがベスト?
OB訪問に向けて質問を考えるとき、「どれくらいの量の質問を考えればいいのだろう?」と迷ってしまうかもしれません。
そんなときは、OB訪問の所要時間の長さに対して多すぎず少なすぎない、適度な質問数を意識してみてください。
たとえば、OB訪問の長さが1時間だった場合、1つしか質問を用意しなければ時間が余ってしまうでしょうし、100の質問を用意していっても全て聞くことは難しいでしょう。
そのため、だいたい5~10の質問数がベストだといえます。
OB訪問で聞くべき4種の質問リスト
OB訪問で聞くべき質問は業界、企業によって変わってきますが、すべての企業で使いまわせる「OB訪問で聞くべき質問テンプレート」も少なくありません。
テンプレートの中から10問程度選んで、リストを作りOB訪問に臨めば、聞きたいことが全く聞けなかったということはないはずです。
この記事でも、OB訪問に使える質問を4つのグループに分けて紹介するので、是非参考にしてみてください。
- 仕事についての質問
- 業界、企業についての質問
- OB・OGに関する質問
- 就活の進め方についての質問
1. 仕事についての質問
例えば、書籍やインターネットの情報だけだと、「この企業は船舶や電車を製造している重工メーカーだ」「この企業は地域密着型の鉄道会社だ」というように企業の業務内容はわかっても、そこで働く社員の仕事内容については全く想像がつかないのではないでしょうか。
そこで、OB訪問で仕事についての質問をしてみると、自分が実際に働くイメージをふくらませることができて、自分と企業の相性がどうなのか事前に知ることができます。
具体的には、以下のような質問をするといいでしょう。
- どのような業務内容なのか
- 1日のタイムスケジュール
- 1年のタイムスケジュール
- 仕事をしてきて最もやりがいを感じたとき、最も辛いと感じたときはいつか
- 仕事をする上でいつも考えていることは何か
仕事内容を深く理解することで、志望動機も更に明確なものになりますよ。
2. 業界、企業についての質問
面接で落ちてしまう大きな原因の一つに、「業界、企業の研究不足」というものがあります。
このパターンで多いのが、業界研究は業界地図などの書籍を読んで勉強しているが、企業研究は不十分という学生。
つまり、面接で「この業界が良い」ということは言えても、企業研究が不足しているために「この企業が良い」という明確な理由を言えないのです。
その結果、面接官から「その志望動機だったら、うちの企業じゃなくても同じ業界のすべての企業に言えるよね。どうしてもうちじゃなきゃという熱意を感じないからこの学生は落とそう」という判断をくだされてしまいます。
そうならないために、有効なのがOB訪問です。
OB訪問のときに、業界や企業についての質問を投げかけることによって、「その業界ならでは」「その企業ならでは」という部分を深堀することができます。
具体的な質問例は以下のとおりです。
- 御社にはどのような雰囲気の社員が多いか
- 御社で活躍している社員に共通している特徴は何か
- 職場のイベントはあるか
- 御社の強み、弱み
- 競合他社と比べたときの御社の特徴
- 配属制度はどのようなものか、自分の希望はどれほど通るのか
- 業界内での御社の立ち位置
- 業界や御社の将来の姿
- 入社前と入社後のギャップにはどのようなものがあるか
企業のカラーや企業が求める人物像について知ることができるため、企業研究はぐんと進み、ピントの合った自己PRや志望動機を言えるようになりますよ。
3. OB・OG本人に関する質問
OB訪問は、「自分が志望する企業で実際に働いている先輩」から話を聞くことができますが、それを言い換えると、話を聞いている相手は「自分が志望する企業の選考を通った先輩」だということ。
つまり、先輩が使った自己PRや志望動機は、その企業にとっての模範解答なのです。
OB・OG本人に関する質問をして、彼らがどのように就活を進めてきたのかを聞くことで、ESや面接の話の種をたくさん見つけましょう。
具体的な質問例は以下のとおりです。
- なぜこの企業を選んだのか
- この企業を選んでよかったと思う理由
- 就活をする上で大切にしていたことは何か(就活の軸は何か)
- 就活のときどのような自己PRや志望動機を使用していたか
- 学生時代はどのような活動をしていたのか
- 入社後のビジョン
4. 就活の進め方についての質問
OB訪問の目的はいくつかありますが、究極の目的はただ一つ、「志望する企業の内定をもらうこと」。
OB・OGに就活の進め方についての質問をすることで、「志望企業から内定をもらうために、就活をどう進めるべきか」についてヒントをもらいましょう。
質問の具体例は以下のとおりです。
- 自分が書いたESを推敲してもらえないか
- ES作成や面接の時のアドバイスはあるか
- 自分の第一印象はどのようなものだったか
- 今日の自分に、改善すべき点はなかったか(フィードバック)
- どうしても御社に入りたいが、どうしたら良いか
- 御社の選考フローはどのようなものか
OB訪問でのNG質問4選
OB訪問では、企業説明会だけでは分からないようなことも、多く聞くことができます。
ただ、どんな質問をしてもいいというわけではありません。
働くことに対してネガティブな印象を与える質問や、デリカシーのない質問をすると、相手のOB・OGに「社会人としてのマナーが守れていないし、やる気のない学生だ」という判断が下され、低評価につながってしまうかもしれません。
そうならないために、OB訪問で聞くべきではない、「NG質問」についておさえておきましょう。
1. 企業についてのデリケートな質問
OB訪問で聞いてはいけない質問として挙がる筆頭格は、企業についてのデリケートな質問です。
聞きたいのだけれども聞きにくい、という質問の数々ですね。
具体的な質問例は以下のものがあります。
- サービス残業はあるか
- 休日出勤はあるか
- 1ヶ月の残業時間はどれくらいか
- 給料はどれくらいか
- 有給休暇は消化できているか
- 福利厚生はどうか
ただ、これらの点は間違いなく重要ではあるので、もともと顔見知りで仲がいいOB・OGが相手であれば、聞いてもいいかもしれません。
2. 調べればわかることを聞く質問
もしあなたが塾講師のアルバイトの経験があるのであれば、問題文に書いてあることをそのまま聞いてくる生徒に対して、「見ればわかることをいちいち聞いてくるなよ」と少しイラッとしたことがあるかもしれません。
OB訪問にも全く同じことが言えます。
せっかく時間を割いて自分にあってくれている社会人に対しては、調べればわかることを聞く質問はせずに、調べた上でわからなかったことだけを聞くというのが最低限の礼儀です。
質問の具体例は以下のものがあります。
- 海外展開していますか?
- 御社の経常利益はどれくらいですか?
OB訪問する学生にとっても、書籍やインターネットを調べれば出てくる情報について聞き続ける時間は不毛なものです。
OB訪問を有意義なものにするためにも、事前に書籍や企業HPを読み込んでおくことは忘れずに。
3. 意図が読めない質問
例えば、OB訪問で学生が「あなたにとって働くとは何ですか?」といきなり聞いたとします。
そのとき、OB・OGは「この学生はどういった意図でこの質問をしたんだ?」「この学生は何を求めているんだ、どのように答えればいいんだ?」と混乱してしまい、学生が求めるような答えを出せない可能性が高いでしょう。
このように、意図が読めない質問をしてしまうことは、学生とOB・OG双方にとって良くない結果をもたらしてしまいます。
しかし、上のような質問が必ずしも良くないというわけではなく、質問する意図と質問内容をセットにすれば筋の通った質問になります。
上の例でいくと、「私は何をモチベーションに働くかということを非常に重視しています。先輩にとって働くとは何であるのか、お聞かせください」と聞けば、相手も困惑せずに答えてくれるはずです。
また、質問する前に質問の意図を伝える癖をつけることは、相手に論理的な学生だというイメージを与えるため、面接でも生きてくるでしょう。
4. OB・OGの担当外の質問
「餅は餅屋」ということわざがありますが、これは餅について、焼肉屋などの専門外の人に聞いても意味が無いから、専門としている人(餅屋)に聞いたほうがいいという意味です。
OB訪問も、OB・OGの担当外の質問をすることはやめましょう。
例えば、A社のOB・OG訪問に行ったのに「B社とC社の違いを教えて下さい」と質問したり、営業の先輩に「経理の仕事内容について教えてください」と質問したりしても、相手は担当外であるためわかりませんよね?
相手によって答えやすい質問の種類は変わってくるので、相手の勤めている企業、職種に合わせて柔軟に質問内容を変えるようにしましょう。
OB・OGの年齢やキャリアに応じた質問をする
「担当外の質問」に関連してもう一つ伝えておきたいのが、OB・OGの年齢に応じて、聞くべき質問項目が変わってくるということ。
入社3年目までを新入社員、入社3~10年目を中堅社員、入社10年目~をベテラン社員と定義すると、少し前に就活を経験した新入社員には「就活で意識していたこと」「選考プロセス」「他にどんな企業や業界を見ていたか」「入社してからのギャップ」「研修内容」など、就活のことを中心に聞くのがベストです。
逆に、入社したばかりのOB・OGに企業の経営戦略について質問しても、日経新聞に書いてある情報以上の回答は返って来ないので得策ではありません。
経営戦略について聞くならば、もう少し年上のOB・OGのほうが良いといえます。
続いて、入社してから3年から10年の中堅社員は、仕事に慣れてきて責任のある仕事を任され始めている事が多いです。
「具体的な仕事内容」「一日の仕事のスケジュール」「仕事にやりがいを感じるとき、辛かったとき」「今後の展望」など具体的な仕事内容を質問するのに最適と言えます。
最後に、入社10年目以降のベテラン社員は、勤続年数が長いため評価される側から評価する側に変わってきている上、重要なポストについていることも多く、企業を俯瞰することができるはずです。
そのため、「内定を取れる学生はどんな学生か」「ESではどこを見ているか」「御社の強みと弱みは何か」「競合他社と比べたときの御社の特徴は何か」「御社の今後の展望、経営戦略」など、会社を俯瞰した時の話やどのように学生を評価しているかを質問をするといいでしょう。
ここまで見てきたように、年齢層に応じて、相手の得意分野、守備範囲は変わってきます。
そこで、OB訪問を最大限活用するためには、OB・OGの年齢に応じて質問内容を変えることが大切なのです。
事前に質問リストを作っておいてOB訪問を有意義なものにしよう!
ここまで、OB訪問ですべき質問とNG質問について解説してきました。
企業研究が深まって志望動機や自己PRが明確になったり、選考で有利になる情報を教えてもらえたり、OB訪問するといいことがたくさんあるんですね。
その通りです。
また最近では、ビズリーチなどマッチングサービスのアプリや、SNSの台頭があって、以前に比べると手軽にOB訪問ができるようになってきました。
ただ、「他の人もOB訪問しているから自分もOB訪問しよう」と何も考えずにOB訪問しようとしても、あまり実りのあるものにはなりません。
OB訪問を有意義にするために必要なことをもう一回教えてください。
- 前もって企業のHPや書籍を読んでおき、企業研究する。
- 企業研究するうちに生じた疑問点をもとに、事前に幾つか質問を考えて、質問リストを作っておく。
- OB・OGの職種、年齢に合わせた質問内容にする。
この3点を意識して事前準備することが、OB訪問を有意義なものにする鍵です。
わかりました!
さあ、この記事を読んだみなさんも、きちんと事前準備をして、OB訪問を最大限に活用しましょう!
OB訪問のやり方や流れについては次の記事を参考にしてください。
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