転職がはじめての第二新卒にとって、面接はやはり緊張するものです。
「面接で失敗したくない!」
「面接官の質問にきちんと答えられるか不安…」
このように面接官から何を聞かれるのかわからず不安だったり、うまく答える自信がない人も多いのではないでしょうか。
第二新卒の人が転職する場合、一般の転職者と同じ中途採用枠となりますので、面接で聞かれる質問も一般の転職者と変わりません。
第二新卒は仕事の経験が浅いことから、仕事上のスキルというよりは人物像ややる気などを中心に判断されるのが一般の転職者との違いです。
「どうしても応募企業で働きたい!」という熱意が伝わる志望動機や、社内の人とうまく関係が築けるコミュニケーション能力をアピールするとよいでしょう。
今回は、面接時に必ず聞かれる質問のほかに、質問される可能性が高い質問と回答例を紹介。
回答例をそのまま覚えるのではなく、考え方のポイントを参考に応募企業の業界や職種、あなたの資質に合わせてアレンジしてください。
第二新卒世代が企業から求められていること
転職サイトなどでよく見る、第二新卒の「ポテンシャル採用」。
ポテンシャルとは可能性を意味し、伸びしろがありそうな第二新卒を積極的に採用しようというものです。
面接官から伸びしろや可能性を感じてもらうには、やる気を表すのが一番。
そのためには「どうしても応募企業で働きたい」という熱意が感じられる、志望動機が必要です。
伸びしろのほかに重視されるのが、応募者の人間性。
人間関係が原因で会社を辞める人も多いので、コミュニケーション能力の高い人や、柔軟性のある人、素直な人といった会社の人とうまくやってくれそうな性格は高く評価されます。

面接では、やる気やコミュニケーション能力をアピールすればいいんですね!

そうですね。
それと、何をアピールするかも大事ですが、話し方にも気をつけましょう。

話し方ってどういうことですか?

第二新卒は社会人経験があるので、ビジネスマナーを心得ていると思われています。
ですから、適切な敬語を使うことを心がけてください。
そのほかにも第二新卒らしいフレッシュさが感じられると好印象につながります。

フレッシュさ…

声のトーンや表情に気をつければよいだけで、難しいことはないですよ。
面接では、明るい表情と、聞き取りやすい声の大きさを心がけてください。

はい!
第二新卒が転職の面接で必ず聞かれる質問5つと回答例
「学生時代の就活で何十社も回ったし、面接には慣れているから面接対策しなくても大丈夫!」と思っていませんか?
面接を受けた経験がたくさんあっても、やはり面接は緊張するもの。
ですが言葉に詰まってしまったり、うまく答えられなかったときは学生時代のように大目に見てもらえないかもしれません。
事前に聞かれそうな質問を把握して、質問に対する回答を用意しておきましょう。
以下で面接のときに必ず聞かれるスタンダードな質問5つと、質問に対する答えの考え方と回答例を紹介します。
1. 自己紹介をお願いします。
「何を」「どれくらいの時間」話したらよいかわからないことから、意外に難しいこの質問。
自己紹介では、大学卒業から今に至る経緯が面接官に伝わればOKです。
企業側から時間の指定がなければ、1分程度で話しましょう。
実際に自己紹介文を作ったら、声を出して読み時間をはかってみるといいですね。
自己紹介の基本的な構成は以下の通りです。
- 業務時間を割いて面接の機会をいただいたことに対するお礼
- 名前
- 卒業した大学名と学部
- 卒業後に入社した会社名
- 会社の業務内容
- 配属された部署
- 自分の業務内容
- 時間に余裕があれば簡単な自己PR
- お礼
自己紹介の例
私は◯◯◯◯と申します。
平成◯◯年に◯◯大学◯◯学部を卒業後、株式会社△△に入社いたしました。
△△はオフィス機器の製造・販売を行う会社で私は◯◯部へ配属となり、現在まで2年間勤務して参りました。
営業で培ったコミュニケーション力と積極性を活かして、御社の◯◯における業務に貢献できるよう一生懸命がんばりたいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。

面接では第一印象が肝心です。
自己紹介は最初の質問になるので、明るくハキハキと伝えましょう。
2. 志望動機を教えてください。
「志望動機が思いつかない」という人は、求人を見て「応募しよう!」と思ったときのことを思い出してください。
良さそうな求人でも、いい条件がなかったりできる仕事がなかったら応募しませんよね。
あなたは、応募企業のどんな条件に惹かれましたか?
「完全週休2日がよかった」「未経験者歓迎と書いてあったから」「有名な企業だから」といった理由は、企業選びの動機としては大切な部分です。
でもこれは完全にあなた都合の動機ですから、そのまま面接でいうわけにはいきませんよね。
企業側はその企業に強い思いを持って働こうとしてくれる人材を求めています。
そこで、今度は企業の特徴や業務内容に目を向けてみましょう。
他社にはないその企業だけの取り組みは何ですか?
あなたはどんな仕事内容に対して、貢献できると思いましたか?
「この会社なら自分のしたかった仕事ができそう」と感じたら、業務内容や事業内容のどの部分からそう感じたのかを志望動機として伝えるといいでしょう。
さらに「今の会社では◯◯ができなかったけれど、御社なら◯◯ができると思ったから」など、退職理由と志望動機がリンクしていると、退職理由の印象がよくなります。
志望動機の回答例
業務ではお客様をよく観察し、お客様の要望をすばやく見極め適切な商品を勧められるように心がけることで、売上に貢献して参りました。
御社ではインテリアの販売職を経て、インテリアコーディネーターとして働くというキャリアプランがあると知り、私も同じようなキャリアプランを描いておりましたので共感いたしました。
前職の接客の経験を活かしつつ、目標に向かって知識・経験を身につけながら御社に貢献したいと思い、応募させていただきました。

回答例のように、「この企業のこの点に魅力を感じた」とはっきりと伝えられるのが理想的です。
3. 退職理由をお聞かせください。
入社後に前職と同じように早期退職しないかを確認するため、面接では前職の退職理由が必ず聞かれます。
「飛び込みやテレアポの新規開拓営業がイヤだった」「給与や福利厚生などの待遇面に不満があった」といったように退職理由はネガティブなものがほとんどですが、そのまま言ってしまうのはNGです。
「残業が多かった」「上司と合わなかった」のように、環境や人のせいにするのも避けましょう。
「イヤなことがあったら、反省や改善の努力もせずに退職する人」と思われないために、ネガティブな退職理由をポジティブな内容に変えることが必要です。
給料が低くて退職した場合は、「経験を重視する会社で実績を上げてもあまり評価につながらなかったから、実力主義の外資系企業で自分の力を試したい」というふうに表現すると、やる気が感じられてよいでしょう。
ネガティブな退職理由をそのまま伝え、二度と同じことを繰り返さないように気をつけていることを伝える手法もオススメです。
自分が思っていた仕事と業務内容が違ったため退職した場合、「学生時代の企業研究が十分でなかったが、今回は業界研究・企業研究を十分に行い御社の◯◯なところに共感し、応募することにした」という構成にすると、納得してもらえます。
退職理由の回答例
新規のお客様から信頼を得て契約をいただく仕事にやりがいを感じておりましたが、商品を売ったあとメンテナンスなどは別の担当に変わるシステムの会社で、お客様と長期的な関係を築くことが難しい仕事でした。
営業としてよりステップアップするために、長期的にお客様をフォローし関係性を深める経験が欲しいと思い、退職し御社に応募いたしました。

前の会社は、前向きな理由で辞めるということを伝えましょう。
うっかり前の会社の悪口を言わないように注意してください。
4. あなたの長所はなんですか?
面接官が長所を聞くのは、自己分析ができているかどうかや、応募企業の求めている人物像と合っているかを確認するためです。
長所を裏付けるエピソードに具体性がないと、自己分析ができていないと思われるので注意。
長所はひとつに絞り、企業が欲しいと思われる人物像の要素や、体力や柔軟性など第二新卒ならではの若さがアピールできるものを選ぶとよいでしょう。
長所が思い浮かんだら、長所を裏付けるエピソードも用意します。
長所を裏付けるエピソードには、人から褒められた話や、前職での体験談、長所によって成し得た成功体験が適切です。
長所の回答例
前職は保険の営業でした。
新規顧客の獲得は物怖じせずに自信を持ってご説明することを心がけておりましたが、さらに成績を伸ばすために、既存のお客様のアフターケアを丁寧に行なうことを意識して参りました。
契約をいただいた後も定期的にお客様を訪問し、世間話など保険の話以外のコミュニケーションをとることで、信頼関係を築こうと努力しました。
その甲斐あって、契約していただいている方が友人の方を紹介してくださり、最終的に多くの契約につながりました。
このような経験を活かして、御社でも明るい雰囲気で積極的に話しかけるだけでなく、お客さま一人ひとりの気持ちに寄り添い、ご安心いただける提案をしていきたいと考えています。

自分の長所を何個も出して「いい人ですよ」とアピールするのではなく、ひとつの長所が応募企業への貢献につながること具体的に伝えるよう意識しましょう。
5. あなたの短所を教えてください。
面接官は、短所の回答から応募者の客観性や問題解決能力を見極めます。
短所を聞かれたときは、短所だけでなく「短所を改善するために心がけていること」を一緒にいうのがポイントです。
また、短所の裏返しは長所といいますが、裏返しを考えても長所に変換できないような短所は避けましょう。
「我が強い」は、協調性がないと捉えられ積極的に採用したいと思われません。
「飽きっぽい」も、「好奇心旺盛でさまざまなことに興味を持つ」と捉えられなくもありませんが、ビジネスにおいては「仕事に飽きてすぐに辞める」というマイナスのイメージのほうが強いです。
面接時の回答では、「楽天的」(考えが浅くミスしやすいが、明るく職場の雰囲気をよくしてくれそう)や「心配性で作業が遅い」(慎重とも言えるのでは?優先順位を教えれてあげればなんとかなりそう)のように、短所の改善が比較的容易で、長所の裏返しとなりそうな短所を選びましょう。
短所の回答例
前職では、「早く仕事を覚えたい」「会社の力になりたい」という思いもあり、上司や先輩から与えられた仕事を何でも受けてしまい時間どおりに終えられないことがありました。
これからは自分の能力を見極めて、本当にできないものは必要に応じて同僚や先輩に協力を仰ぎながら対応していきたいと思います。

ほかにも「おせっかいだとよく言われる(面倒見がいい)」「真面目すぎる(規則を守る、業務に真面目に取り組む)」といった短所を使うのもよいでしょう。
事前に答えを考えておきたい転職面接の頻出質問7つと回答例
面接で必ず聞かれるスタンダードな質問のほかに、よく聞かれる質問で、事前に回答を用意しておいたほうがよいと思われる質問7つを紹介します。
1. 同じような会社はほかにもあるのに、なぜ当社なのですか?
「なぜ他社ではなく、この会社を選んだのですか?」と聞く意図として、志望動機が弱かった、または志望動機を再度確認したいと採用側が思っていると考えられます。
この場合は、以前に述べた志望動機をもう一度簡潔に話しましょう。
「御社の経営方針に共感して」など、どの企業でも通用するような弱い志望動機ではなく、具体的な志望動機を伝える必要があります。
応募企業を選んだ理由を再度聞かれたときの回答例
- 企業の商品やサービスに興味を持って応募した場合
他社に比べて料金体系が豊富な割に明確で年齢や性別を問わずたくさんの人が使えるサービスがすばらしいと思い、多くの人が利用するべきだと思いました。
- 前職の経験を活かしながらキャリアアップできると思った場合
販売業務という点では前職と同じですが、御社では仕入れ管理やディスプレイ、販売促進活動など幅広い業務に関われると知り、大きな魅力を感じました。

曖昧な応募理由では採用担当者に響きません。
きちんと応募企業について調べて、回答を用意しておきましょう。
2. ほかに受けている企業や業界はありますか?
「この会社以外にも応募している企業があるか」と聞かれたら、「別の企業も受けていると言ったら落とされるのかな?」と不安になってしまいますよね。
採用側は、ほかの企業を受けているかどうかを質問することによって、志望度の高さや、応募企業に一貫性があるかどうかを確認しています。
転職活動は複数社と並行して行うことは面接官も承知していますので、複数社に応募している場合は正直にいっても構いません。
回答するときのポイントは、次の2つ。
- 「(他社では)最終面接まで行っている」「他社のOBに紹介してもらった会社を受けている」等、他社の志望度が高いことを匂わせない
- 応募企業に一貫性を持たせる
応募している業界や職種がバラバラの場合、「どこでもいいから応募している」と思われるので、複数応募していることは言わないほうがいいです。
よけいな情報は出さず、進捗状況だけを述べるのがベストでしょう。
他社の応募状況を聞かれた時の回答例
株式会社◯◯は2次選考、△△株式会社は1次選考まで進んでいるところです。

会社名がいいにくければ、最初は伏せておいて、受けている数だけ伝えても大丈夫。
「差し支えなければ教えて」といわれたら、そのときに伝えましょう。
3. あなたにとって「仕事」とは何ですか?
抽象的で答えにくい質問のひとつです。
この質問から、応募者の仕事に対する価値観やキャリアプランがわかります。
企業の業務内容や方向性とミスマッチがないか、確認したいときにされる質問です。
第二新卒の人には、業界・職種に関わらず使える「成長」がオススメ。
「私にとって仕事とは、最初はできなかった業務も経験を積むうちにできるようになるなど、自分を成長させてくれるものだと思います」のように、経験が浅く伸びしろのある第二新卒にぴったりの回答ができます。
「あなたにとって仕事とは?」という質問の回答例
私にとって仕事とは社会貢献です。
既存のものにこだわらずよいと思われるものを取り入れ世の中に広め、生活をさらに便利にしたいと考えています。

回答例のように、応募企業の社風や経営方針から考えるのも、もちろんOKです。
4. 仕事以外で関心のあるニュースは?
この質問から面接官は応募者の価値観や、普段から世の中の動きを気にしているかどうかを知りたいと思っています。
面接官は世間話をしたいわけではないので、芸能人の不倫やユーチューバーの炎上の話などは持ち出さないこと。
仕事に関することでなくても構いませんが、IT業界ならインターネット、自動車販売なら車のように、応募企業の業界に関するニュースだと意欲が感じられて好印象のようです。
関心のあるニュースを聞かれたときの回答例
食品を扱う管理体制に問題があったようですが、その詳細や今後の対応について知りたいと思っています。

回答に困らないように、新聞や日々のニュースは毎日チェックする習慣をつけましょう。
5. あなたのまわりの人からの評価を教えてください。
まわりの評価を素直に受け入れられる人は、思い込みなく仕事に取り組むことができ、仕事において成長が期待できます。
まわりの人からの評判を聞くのは、自分のことを客観的に見ることができているかを確認するためです。
回答する際のコツは、応募書類の自己PR欄に書いた長所と矛盾しないこと。
自己PRでは「明るさ」や「コミュニケーション能力」をアピールしていたのに、周りの人の評価は「物静か」となっている場合、どちらかが嘘なのかな?と思われますよね。
また、よいことばかり書いて自慢話のようにならないよう、謙虚さを取り入れながら話すのもポイントです。
第二新卒であれば、学生時代のエピソードを取り入れてもよいでしょう。
まわりの評価を聞かれたときの回答例
私は3人兄弟の長女で昔から小さい兄弟の面倒を見ていたことから、周りの様子に気を配りながら行動することがくせになっているのかもしれません。

仕事での評価を伝えるときは、前の会社で褒められたことや、注意されたけど、きちんと受け入れて改善したことを伝えると効果的です。
6. やりたくない仕事を任されたらどうしますか?
日々の業務は、キャリアプランとは関係のない作業や、応募者のやりたくない仕事も含まれます。
そのような仕事を振られた場合、どう対応するのか(辞める可能性があるか)を知るための質問です。
当たり前ですが「辞めます」という回答はNG。
イヤな仕事でも最後までやり抜く、気持ちを切り替えてがんばるといったような前向きな回答が正解です。
「やりたくない仕事を任されたらどうする?」の質問に対する回答例
自分の苦手な仕事であっても企業にとって必要な仕事であれば、社会人として責任を持って最後までやりぬきます。

本心は「やりたくない仕事を任されたら嫌だな…」と思っていても、面接においてはなんでも積極的に取り組む姿勢を見せることが大切です。
7. 何か質問はありますか?
面接の最後に、面接官から「最後になにか聞いておきたいことはありますか?」と聞かれることがあります。
この質問を逆質問といいます。
入社意志を確認するための質問なので、「ありません」はやめましょう。
また、会社のホームページを見ればわかることや、残業時間や賞与など待遇面のことを聞くのも「どうしても自社で働きたい」という入社意志が感じられないためNGです。
逆質問が思いつかない、という人は、実際に自分が応募企業で働く様子を想像してみてください。
きっと気になることがでてくるはず。
逆質問では、募集要項や企業ホームページから読み取れないことを聞くのが正解です。
逆質問の回答例
- 御社が求める人材として最も重視しているのはどういう点でしょうか?
- 御社で営業として働いている方の1日の仕事の流れを教えてください。
- 入社までにこれだけは準備しておいてほしいということはありますか?

「逆質問についてもっと知りたい」「やっぱり待遇面で気になることがある」という人は、「転職面接の逆質問対策!採用を勝ち取る逆質問集と答えるときの注意点」で紹介していますので、こちらも参考にしてください。
第二新卒向け面接の質問対策まとめ
転職がはじめての第二新卒は面接時に緊張してうまく答えられないことが考えられますので、質問に対しての答えを事前に用意しておきましょう。
回答にはやる気や熱意、将来性、コミュニケーション能力など、第二新卒が企業から求められている要素を取り入れると効果的。
また、第二新卒が面接で必ず聞かれる退職理由は、ネガティブな内容をポジティブに変えて「採用してもすぐに辞めない」と面接官に思わせることが大切です。
「自分で考えた回答に自信がない」「考えた通りに言えるか不安」という人は、サポートを受けながら転職活動を進められる転職エージェントに相談してみましょう。
転職エージェントは、無料で転職の相談から再就職までの転職活動をトータルにサポートしてくれます。
希望者には面接対策も行っていますよ。
転職エージェントは過去のサポート経験から応募企業の面接で聞かれる質問を熟知しているため、適切な対策が立てられます。