転職の面接で最後に聞かれる「何か質問はありますか?」に対する質問を逆質問といいます。
しかし、
「逆質問で何を聞いたらいいのか思いつかない!」
「残業や給料のことを聞いてもいいの?」
など、困ってしまう人も多いのではないでしょうか。
逆質問は、ただ気になることを質問するのではなく、自己アピールにつながる質問をすると良い印象を与えられます。
「ありません」と答える、「待遇面ばかり聞く」などはマイナス評価になるおそれがあるので注意が必要です。
転職面接時の逆質問が思いつかないという人には逆質問例をご紹介しますので、そちらを参考にすれば好印象を得られる逆質問を簡単に考えられますよ。
今回は、企業が「何か質問はありますか?」と聞く意図、逆質問のNG事項、逆質問の考え方、逆質問例などを紹介します。
目次
企業が「何か質問はありますか?」と逆質問を求める意図
採用担当者が面接で「何か質問はありますか?」と聞くのは、求職者が「本当にうちの会社で働きたいと思っているか」「うちの会社が本命か」などを見るためです。
また、応募者が不安や疑問を持ったままでないかを確認するためでもあります。

逆質問で働きたい意志が伝わるんですか?

伝わりますよ。
例えば「何か質問はありますか?」と聞かれた時、「有給休暇は好きな時に取得できますか?」と聞く人と、「私が入社した場合、まず最初にどのような仕事が与えられますか?」と聞く人、あなたならどちらを採用したいですか?

うーん。後者ですかね。

最初の人は休みのことしか考えていなさそう。

そうですね。
業務に関する逆質問でなかった場合、意欲が感じらず採用候補から外れることもあります。
本当に働きたいと思ったら有給以外にも聞きたいことは沢山あるはずですよね。
逆質問ではそういうところが見られるんです。
この他、「合格ラインは80点だけど今のところ70点」という人にチャンスを与える意図で逆質問を求める場合もあります。
「求職者からの逆質問でプラスポイントが見つかればいいな」という気持ちで行われますので、面接でいまひとつ盛り上がらなかった場合、挽回のチャンスになります。
求職者にとって逆質問は、入社後「思っていた仕事と違った」などのアンマッチを防ぐ、再度自己アピールできる、面接の失敗を挽回できる、というメリットがあるのです。
逆質問が思いつかない人は必見!ライバルに差をつける逆質問を考えるコツ
逆質問は事前に用意しておきましょう。
当日、「その場のノリや話の流れでなんとかなるだろう」という考えで行くと、頭が真っ白になってどうでもいいことを聞いたり、面接中に話した内容を再び聞いてしまうおそれがあります。
「本当にこの会社で働きたいという意欲を感じる」「関心を持って会社についてよく調べてきたな」「ぜひうちの会社で働いてもらいたい!」と採用担当者が思うような逆質問を考えて、ライバルに差を付けましょう。
転職の面接で効果的な4つの逆質問対策
1. 企業研究をしっかり行う
応募したい企業が見つかったら、調べれば分かることを聞かないために企業研究を徹底的に行います。
下調べ不足が伝わると「うちは本命じゃないのかな?」と思われてしまうかもしれません。
求人情報を読んで疑問に思ったことは、ホームページを見て解消しておきましょう。
離職率や従業員の平均年齢などホームページでは分からなかったことは、会社四季報や口コミサイト(Vorkers転職会議)に目を通して調べます。
それでも分からなかったことは、逆質問候補としてメモしておくとよいでしょう。
2. 今までの経験や業務内容からできることを考える
自分が今までしてきた仕事や経験から、得意なことや行ってきた業務内容をまとめます。
これをキャリアの棚卸しといいます。
キャリアの棚卸しは履歴書や職務経歴書を書く時に行うものなので、職務経歴書を読み返せばOK。
希望する企業がどんな人材を欲しがっているか、自分にできることは何かが分かれば逆質問を考えやすくなります。
3. 逆質問は自己アピールとセットで考える
質問と自己アピールはセットで考えましょう。
たとえば企業が欲しがる人材を聞きたい場合、普通に聞けば「御社の求めている人材はどのような人ですか?」となりますが、
「私は前職で◯◯をしており、◯◯が得意です。御社の求めている人材と合致する部分はありますか?」
このように質問すれば、質問と同時に自己アピールもできます。
4. 逆質問は5つ用意する
転職の面接時にする逆質問は2つがベスト。時間がなければ1つでOKです。
疑問が面接中に解消された、1対1の面接だと思っていたらグループ面接で用意していた質問を言われてしまった、2つ質問したのに「まだありませんか」と聞かれたなど、不測の事態に備えて逆質問は5つほど用意しておきます。
「何か質問はありますか?」と聞かれなかった理由と対処法
面接の最後に「何か質問はありますか?」と逆質問を聞かれない場合も少なくありません。
面接時間が予定より長引き逆質問の時間を設けることができなかったり、単純に採用担当者がうっかり忘れていたということも考えられます。
また、面接での評価がイマイチで逆質問を求める必要はないと思われた可能性もあります。
面接がうまくいかなかったと感じた場合、ダメ元で「質問してもよろしいでしょうか」と自分から切り出してみるのも良いでしょう。
逆質問は名誉挽回のチャンスなので、うまく利用できるといいですね。
転職面接の逆質問でメモをとってもOK!
逆質問の際にメモを取るのは問題ありません。
メモを取ることで、回答を今後に活かしてくれそうだと好意的に見てもらえます。
ただし、メモを取る際に注意したいことが3つあるので面接の前に確認しておきましょう。
- 勝手にメモを取らない
メモを取る際にはひとこと「メモを取らせていただいてよろしいでしょうか」と声をかけましょう。
- メモを取り出すのに時間をかけない
ポケットに入れてすぐに取り出せるサイズのものを用意しておくか、カバンからノートをすぐに出せる状態にしておくと良いでしょう。
- 手元ばかりを見ない
メモを取ることに夢中になって手元ばかり見ることがないように気をつけます。
転職面接時の逆質問で「ありません」はアウト!逆質問のNG事項7つ
1. 「何か質問はありますか?」に「ありません」と答える
面接官に「何か質問はありますか?」と聞かれて「ありません」と答えるのはNGです。
自分たちの会社に興味がない、働けるならどこでもよい、働きたいという意欲が低い、という印象を与えます。
本当に働きたいと思うなら疑問に思うことや知りたいことは沢山あるはずです。
「ありません」ではなく、きちんとした逆質問を用意しましょう。
2. 調べれば誰でもすぐにわかることを聞く
企業理念や取り扱い商品、売上高、従業員数など、ホームページに書いてあることを質問してはいけません。
調べればすぐに分かることをわざわざ質問するのは、面接の準備をきちんとしていない証拠。
熱意が感じられずマイナスポイントになってしまいます。
3. 自信がない、受け身な人柄を感じさせる逆質問
「ノルマが達成できなかった場合はどのようなフォローがありますか?」「研修制度はしっかりしていますか?」「仕事を覚えるまではフォローしてもらえますか?」など、自信のなさや受け身な姿勢が感じられる質問は控えましょう。
「ノルマを達成しようという気がないのでは?」「自ら積極的に仕事を覚えてほしいんだけど大丈夫?」など、面接官を不安にさせてしまいます。
4. 採用される前提の逆質問
「御社の◯◯の事業に参加したいのですが、いつから参加させていただけますか?」「私は◯◯という経歴がありますが、それにふさわしいポジションはありますか?」など、受かる前提の質問は採用担当者に良い印象を与えません。
勤務開始日や入社後のことが聞きたいときは、「もし内定をいただきました場合」を頭につけると良いでしょう。
5. 抽象的な逆質問
「仕事は大変ですか?」「御社の強みは何でしょうか?」など、抽象的な質問もNGです。
準備不足でムリやりひねり出した逆質問では?と思われるので注意しましょう。
6. 回答がはい・いいえで終了してしまう逆質問
「入社後の部署移動は可能ですか?」「将来的には◯◯の業務がしたいのですが可能ですか?」など、はい・いいえで回答が終了してしまう質問もあまり良くありません。
「将来的には◯◯の業務がしたいのですが、どんなスキルを身に着けたらよいですか?」など聞き方を変えて工夫すると良いでしょう。
7. 待遇面ばかり気にする
給与・福利厚生・残業時間・休日など、待遇面ばかり聞くのもNGです。
「仕事に関する興味がない?待遇面で決めたのでは?報酬よりまず仕事でしょう」とマイナスイメージを持たれてしまいそうです。
転職面接時の逆質問が思いつかない人にオススメの逆質問集
転職面接時の逆質問は5つ用意しましょう。
5つも思いつくかな?と不安に思う人もご安心を。
「性格の長所」「意欲」「スキル・経験」のアピール3項目と、「待遇面や仕事面のアンマッチ解消」に関する質問を1つか2つ用意すればいいので、意外と簡単に考えられます。
では、それぞれの項目ごとに逆質問例を見ていきましょう。
性格の長所をアピールする逆質問例3つ
自分の長所をアピールしつつ、疑問に思うことを質問します。
聞きにくい雇用条件なども、長所をアピールする中でなら、さり気なく聞くことができます。
- 体育会系で体力に自信があります。出張は月に何回くらいありますか?
- 登山が趣味で忍耐力があるほうだと思います。
御社では目標(ノルマ)を達成するためにどのような努力をされていますか? - 前職は内勤の事務でしたが、学生時代に接客業のアルバイトをしていたので誰とでも気軽に話すことができます。
配属先の雰囲気を教えて下さい。
待遇面など聞きにくいことをスマートに聞く逆質問例5つ
給与や勤務時間、休日など仕事以外のことばかり気にするのは、良い印象を与えません。
質問する場合は求人情報やホームページなどからも読み取れず、どうしても気になることのみに留めましょう。
当日の逆質問で2つ聞くとしたら2番めの質問を待遇面のものにするなど、最初に質問しないのもポイントです。
- 前職では月15時間ほど、繁忙期では30時間ほど残業しておりました。
求人情報には「残業あり」とありましたが、平均的な残業時間はどれくらいですか?
また繁忙期などはございますでしょうか? - 休日出勤が必要な時にはきちんと対応したいので、御社ではどれくらいの頻度で休日出勤があるか教えていただけますか?
- 御社は日本各地に支店があると拝見いたしました。
さまざまな経験を積むためにも、転勤は必要だと考えております。
転勤はございますでしょうか?その場合、頻度についてはどれくらいでしょうか? - 他の社員の方は有給を取られることはありますか?
差し支えのない範囲で教えて下さい。
※「差し支えない範囲」という言葉がポイントです。配慮のある人だと思われます。 - 御社に入社した場合、できるだけ早く皆さんのレベルに追いつきたいと思っております。
御社では入社して何年くらい勤務されている方が多いですか?
意欲をアピールする逆質問例4つ
「がんばります!努力します!」など抽象的な表現を避けます。
社会人経験が浅くスキルに自信がない場合、積極的に補っていこうとする姿勢を見せましょう。
- 私が希望する職種の1日の仕事の流れを教えていただけますか?
- 御社の営業をするにあたって、心がけるべきことはなんですか?
- 入社までに準備しておくことはありませんか?
- 事務職を希望していますが、仕事を覚えたら定型業務以外にも幅広くサポートしていきたいと考えています。
実際にそのような仕事をされていらっしゃる人はいますか?
スキルや経験をアピールする逆質問例4つ
意欲のアピールと、スキルや経験のアピールは、どちらも仕事に関する質問をします。
スキルや経験をアピールする場合、意欲をアピールする時よりも具体的な内容にするのがポイントです。
ただの自慢話にならないよう謙虚にアピールしましょう。
- ◯◯の資格を持っているのですが、何かお役に立てる業務はありますか?
- ◯◯を得意としてきましたが、御社の◯◯という仕事で求められるスキルは何でしょうか?
- 前職で◯◯という立場を経験し、御社でもお役に立てるものと思って応募いたしましたが、御社で働くにあたってさらに磨くべきスキルを教えて下さい。
- 前職の経験の他に英語が得意で海外留学をしていました。語学力を活かせる業務は御社にございますか?
企業とのアンマッチを解消する逆質問例3つ
飛び込み営業をする会社だがルート営業の経験しかないなど、求められている経験や人物像で企業とのアンマッチがないか確認します。
- この仕事で求められる資質(性格の要素)はどんなものでしょうか。
- 私と同年代の中途採用で活躍されている方は、どのような仕事をしていますか?
- 私が行う予定の具体的な業務の流れを教えて下さい。
逆質問が出尽くしたのに「他に何か質問はありますか?」と聞かれた場合の答え方
この場合、「面接の場でお話しいただいたことで疑問は解消できました。貴重なお話を聞かせていただきありがとうございます。本日の面接で御社で働きたいという気持ちが一層強くなりました」のように、お礼と気持ちを伝えましょう。
「質問はないのですが、最後にもう一度アピールさせて下さい」も、何も言わないよりは有効です。
その際は時間を取らないよう簡潔に話します。
相手によって逆質問の内容を変えよう!人事担当者と管理職への逆質問対策
面接は1回だけでなく、1次2次と何回か行う企業がほとんどです。
1次面接は人事担当者、2次面接は管理職、最後に役員面接など、それぞれの面接官に適した逆質問を考えましょう。
人事担当者には人間性や意欲をアピールします。
一緒に働きたい、周りの人とうまくやってくれそう、と思わせるのがポイントです。
待遇面で気になることがあれば、人事担当者との面接のときに質問しましょう。
管理職の方には、経験やスキルがアピールできる逆質問をします。
自分たちの会社でも活躍してくれそう、会社に欲しいスキルを持っている、と思わせられたら成功です。
会社が求めている人物と自分がやりたいことのアンマッチがないように、管理職との面接で最後の確認をしておきましょう。
最終面接を突破する社長への逆質問対策
役員や社長の場合、1次・2次面接担当者からその人のスキルや人柄をすでに聞いています。
最終面接では礼儀正しさや協調性、明るさなどをアピールしましょう。
経営方針や業界について聞く場合、理解が浅いと思われないように企業研究は徹底的に行います。
役員面接となると緊張しがちですが、準備不足が原因で不安になり緊張することもあります。
緊張しないためにも事前準備はしっかりと行いましょう。
最終面接にオススメ!社長への逆質問例3つ
- 私は御社の魅力は◯◯だと感じたのですが、◯◯様から見た御社の魅力は何ですか?
- 御社が発展するために、どのような人材が欲しいと思っていますか?
- ◯◯様の愛読書は何ですか?御社で働かせていただくことになる前に読んでみたいです。
転職の面接でライバルに差をつける!逆質問のポイント
逆質問では何を聞くかも重要ですが、採用担当者の回答に対するリアクションも大切です。
せっかく練りに練ったよい質問をしたのに、採用担当者からの回答に対するリアクションがイマイチだと効果は半減してしまいます。
「なるほど」「さようでございますか」ではなく、さらに掘り下げて質問したり回答に対する感想を述べると良いでしょう。
掘り下げた質問をするには企業研究が必要です。
最初の段階で企業研究をしっかりやっておくことがカギとなります。
また面接では、会話のキャッチボールが快適にできるかどうかでコミュニケーション能力も見ています。
質問と回答の繰り返しだけでなく、共感や相槌、感想を間にはさめば気持ちよく会話をしている印象を与えられます。
転職面接の逆質問対策まとめ
逆質問は、会社で働く意欲や会社に対する興味を再確認し、双方のアンマッチを防ぐために聞かれます。
ライバルと差をつけるために、仕事に対する意欲や、経験・資格などのスキル、長所がアピールできる質問を考えましょう。
逆質問が思いつかない、という人は逆質問例を使えばカンタンに逆質問が作れますよ。