あなたは、上司や取引先にメールを送るたびに「メールの書き方って、これで合ってたかな?」と不安になっていませんか?
ビジネスメールを作成するたびにあれこれ考えていると、メールの送信だけでかなり時間がかかってしまいますよね。
かといって適当に送ってしまうと、相手に「マナーがなってないな。」と思われてしまうかもしれません。
そこで今回は、今さら聞けないビジネスメールの基本マナーと、ccの活用、件名・本文の書き方をご紹介します。
目次
1. ビジネスメールでありがちな10のミス
ビジネスメールの基本マナーを勉強する前に、まずはメールでありがちなミスを見てみましょう。
- 添付ファイルの付け忘れ
- 誤字(漢字の誤変換)・脱字
- メール作成途中で送信
- 送信先を間違う
- 相手の名前を間違う
- 敬称(様)のつけ忘れ
- 自分の名前や署名の書き忘れ
- 返信を忘れる
- 転送相手に見られてはいけない情報まで転送してしまう。
- 個人情報が漏れる(CCに名刺交換していない人のアドレスを入れる)
あなたがよく犯すミスはありましたか?
電子メールは、ボタン一つで手紙が送れるので大変便利なのですが、便利だからこそミスが生じてしまいます。
メールでありがちなミスをなくすのに、特別なスキルは必要ありません。
自分がよくミスすることを再確認し、今後はミスしないように意識することが大切です。
2. ビジネスメールで相手を不快にさせる10のマナー違反
次に、ビジネスメールにおいて相手を不快にさせているかもしれないマナー違反を10個見てみましょう。
- 文章が曖昧
- 件名がわかりにくい
- アドレスが日本語表示の場合、敬称がない
- 文章がそっけない、きつい、冷たい(用件だけのメール、形式ばっている)
- 敬語、ことばづかいが不適切
- 文章が長い、読みにくい
- 会社名や名前に誤字・脱字がある。
- 顔文字、絵文字、「!」「?」
- 開封確認を要求する
- 添付ファイルの要領が大きすぎる(2GB以上である)
もしこの中で思い当たるものがあれば、あなたが送ったメールによって相手が不快に思ったかもしれません。
相手を不快にさせないメールを書くために、メールの基本ルールを知り、それに従って書くことを心がけましょう。
3. 電子メールの基本構成
ビジネスメールは大きく分けて「社内メール」と「社外メール」の2種類あります。
「社内メール」は社内の上司や他部署の人などに送るメールです。
「社外メール」は他社の取引先の人などに送るメールです。
ビジネスメールは「社外メール」も「社内メール」もメールの要素は同じです。
大きく分けて、「宛先」「件名」「本文」の3つに分けることができます。
社内メールのサンプル
社内メールは「宛名」「件名」「本文」で構成され、本文には宛名、挨拶と名乗り、用件、結びの挨拶、署名を書きます。
社外メールのサンプル
社外メールは「宛名」「件名」「本文」で構成され、本文には宛名、挨拶と名乗り、相手に合わせた一言、用件、結びの挨拶、署名を書きます。
社外メールは、用件だけでなく相手に合わせた一言を添えると、丁寧な印象になります。
4. 宛先「TO」「CC」「BCC」の違いを知る
宛先は、「TO」以外に「CC」や「BCC」というものがありますよね。
「CC」「BCC」の違いをわからずに使っているという方も多いのではないでしょうか?
「TO」「CC」「BCC」のそれぞれの役割を見て、違いを確認しましょう。
「TO」「CC」「BCC」の役割
TO
- メールで送信したい当事者のアドレスを入れる
- 宛先で受信した人は、基本的に返信義務がある
- 複数のアドレスを入れて送信すると、同内容のメールが一斉送信される
- メール受信者には、同内容を自分以外のだれかに送信されたことがわかる
「TO」を編集するときは
- 複数のアドレスを入れる場合は、役職の上の方や、目上の方から順番に入れる
- 複数の相手同士が面識のないときは、別々に送る(個人情報保護のための配慮)
CC(Carbon Copy/メールの複写)
- 当事者以外にも同じ内容のメールを共有してほしい場合に使う
- 上司や部下などと進捗状況を共有したいときに、確認程度にという場合に使う
- CCに入れたアドレスは、「TO」「CC」「BCC」に入れた人にも表示される
「CC」を編集するときは
- CCで送信する場合は、相手がCCであることを見落とされないように、メール本文の宛名の下に、CCで送る人の名前を入れておく
- CC送信は、相手が読んでいるとは限らないため、読んでほしいメールは宛先で送信する
BCC(Blind Carbon Copy/見えない複写)
- 情報共有したいが、メールの送信先に共有者のアドレスを知らせたくないときに使う
- 基本的に面識があればCCで、面識がなければBCCで送る
「BCC」を編集するときは
- BCCで送信するメールをCCで送信すると、送信先や他の共有者にアドレスが知られてしまうため注意する
- BCC送信は返信義務がないため、返事が欲しい場合は宛先で送信する
宛先を編集する時の注意点
送信先を間違えたり、取引先の情報を漏らしてしまうと、会社の信用問題に関わります。
宛先を編集するときは慎重に行うことを心がけましょう。
5. 「件名」でメールの内容がわかるように工夫する
ビジネスメールにおいて、本文と同じくらい重要なのが、「件名」です。
たとえば、件名が「こんにちは。」や「◯◯株式会社の△△です。」だったら、メールの内容が全くわからないですよね。
内容がわからないと、最悪の場合迷惑メールと間違えられて、読んでもらえない可能性もあります。
だから、受信者が件名のみでメールの内容がわかるように工夫する必要があるというわけです。
件名でメールの内容がわかることによって、メールの受信者もスムーズに対応できるので、印象も良くなるはずです。
件名を編集するときは、次の5つのポイントを意識しましょう。
件名を編集する時の5つのポイント
1. 本文を見なくても件名で内容が把握できる
「いつ」「何の用件」「目的」を明確にして、忙しい相手が、本文を見なくても件名で内容が把握できるように工夫する。
→【連絡】◯◯様ミーティング2/28に変更
2. 文字数を15~20文字にする
受信ボックスで件名を全文表示するために、文字数を15~20字程度にする。
→【連絡】3/24 マナー講習会 14時に変更(20文字)
3. 件名に自分の名前を入れる
件名に自分の名前や会社名を入れることで、だれからのメールかわかるようにする。
→【お礼】本日の打ち合わせ:〇〇株式会社 山田
4. 件名に【 】をつけて目的を明確にする
件名の最初に【 】をつけて、メールの目的や相手に期待する行動を記載すると、件名だけでメールの目的がわかるようにする。
→【ご連絡】7/18 セミナー 10時に変更
他にも【ご報告】【ご依頼】【ご案内】【ご相談】などがある。
社内メールと社外メールで言い回しを工夫する
社内用は完結に、社外用は丁寧な言い回しにするのがベター。
- 社内用
【連絡】【要回答】
- 社外用
【ご連絡】【ご回答のお願い】
5. 添付資料について明記する
添付資料がある場合は、添付について明記する。
ビジネスメール件名例
5つのポイントは、基本的に社外メールも社内メールも同じです。
送信先や、メールの内容に応じて件名にも気を使う習慣をつけましょう。
社内メール件名例
- 【送付】2/16 定例会議 資料
- 【連絡】3/2 マナー講習会 準備物
- 【連絡】4/8 新年会 出欠確認
社外メール件名例
- 【ご送付】〇〇プロジェクトの企画書について
- 【ご回答のお願い】合同研修会の実施希望日について
- 【お礼】見積書 拝受
6. 「Re:」の編集は基本的に不要
件名の編集で「Re:」の扱いに困ったということはありませんか?
「Re:を消さないと相手に失礼?」と思っている人も多いかもしれません。
そもそも「Re:」は返信機能を利用すると自動的につくもので、折り返しメールであることを示しています。
そして折り返しメールのときは、基本的に件名を変える必要はありません。
ただし、次の場合は件名を変える方がベターです。
- メールに対して、答えを書きたいとき
会議や会合での出欠を聞かれたとき、「Re:◯月◯日の会議出席します」といったように、相手が本文を読まなくても結論がわかるようにしておく。
- 件名に送信者の名前がつけられているとき
件名の末尾に送信者の名前が付けられている場合は、名前を削除する。
自分の名前に書き換えても良い。
7. ビジネスメール本文の基本的な書き方と例文
ビジネスメールの内容は「挨拶」「お礼」「お詫び」「依頼」「催促」など多様にあります。
目的別の例文はインターネットで探せばたくさん出てくるので、それを参考にしましょう。
ここでは、内容に関係なく意識しておきたい「ビジネスメール本文の基本的な書き方」をリストアップしました。
ビジネスメール本文の基本的な書き方
- 相手の会社名(正式名称)、部署名、名前(フルネーム)+敬称から始める。
- CCでアドレスを入れた場合、宛名の下にCCの相手の名前も入れる。
- 「いつもお世話になりまして、ありがとうございます」等の挨拶をし、自分の会社名と名前を名乗る。
- 相手に合わせた一言を添える。
- 一行あたりの文字数は、20~30字程度で作成する。
- 3~5行程度を一段落とし、段落間は1行空けて読みやすくする。
- 用件は5W3Hを活用し、簡潔にまとめる。
- 箇条書きを活用し、実用情報を取り出しやすくする。
- 結びの挨拶は「どうぞよろしくお願い申し上げます」等で締めくくる。
- メールの最後に署名を入れる。
- 機種依存文字は文字化けする可能性があるから使わない。
機械依存文字
文字化けする機械文字は上のとおりです。
ビジネスメールではできるだけ使わないように心がけましょう。
ビジネスメールの例文
メール本文の基本を意識した文と、意識していない文を比べてみて、どちらが読みやすいか比べてみましょう。
内容は、上司へのトラブル報告メールです。
基本を意識していない例文
- 【件名】何の報告かわからない
- 【本文】行間がなく読みづらい
- 【本文】一行が長い
- 【本文】報告内容がわかりづらい
- 【本文】反省が抽象的
- 【署名】署名がない
基本を意識した例文
- 【件名】件名が明確
- 【本文】段落間は1行空ける
- 【本文】報告内容が明確
- 【本文】一行の文字数が20~30字で読みやすい
- 【本文】3~5行を1段落としていて読みやすい
- 【本文】反省が具体的
- 【署名】署名がある
8. ビジネスメール送信前に最終チェックを
ビジネスメールの基本マナーと、ccの活用、宛先と本文の書き方を最初から全て把握してメールを送信するのはとても難しいことです。
慣れるまでは、メールを送る前に再度確認してから送るようにしましょう。
メール送信前のチェックリスト
- アドレスに間違いはないか。
- 「TO」「CC」「BCC」に間違いはないか。
- 添付ファイルを忘れていないか。または資料を間違えて添付していないか。
- 相手の会社名や名前を書き間違えていないか。
- 名前に敬称をつけているか。
- 件名は具体的でわかりやすいか。
- 用件は簡潔にまとめているか。
- 日付、曜日、時間に間違いはないか。
- 一文が長すぎず、読みやすいか。
- 最後にもう一度読み返す。
送信前のチェックリストをぜひ活用してください!