「会社で飲み会の幹事を頼まれたんだけど、何から準備をしたらいいの?」
「幹事で失敗しないためには、何に気をつけたらいい?」
社会人になってはじめての幹事役、プレッシャーですよね。
会社の飲み会は友だち同士の飲み会のように、日時とお店を決めればOK!というものではありません。
準備を怠っていると、当日「食べ物や飲み物の提供が遅い!」「開始も解散の時間も予定通りじゃないし内容もグダグダ」といったように、不満の残る飲み会になってしまいます。
上司からは「お店について事前にきちんと調べたのかな?」「スケジュール管理が下手なのでは?」など、ビジネススキルを疑われてしまうことに!
せっかく幹事をするのだから、自分の評価が上がるような、みんなに楽しんでもらえる飲み会を計画、実行しませんか?
今回は、はじめて幹事に選ばれた人のために、飲み会の幹事が当日までに準備することや、失敗しないためのポイントを紹介します。
目次
会社の飲み会の幹事に選ばれたらやることリスト(当日までの準備)
会社ではじめて飲み会の幹事を頼まれたとき、何から手をつけたらよいのか迷いますよね。
幹事を頼まれてから当日までの、仕事の流れは以下のようになります。
- 日程調整
- 飲み会に利用する店を決める
- 飲み会の会費を決める
- 当日利用する店の下見をする
- 飲み会の案内メールを送付する
- 会費を徴収する
- 飲み会で挨拶してもらう人に依頼する
- 必要であれば余興を考える
- 飲み会の席順を決める
- 飲み会出席者の最終確認を行う
- 二次会の店をだいたい決めておく
また、幹事が飲み会当日に行う仕事は以下の通りです。
飲み会が滞りなく行われるように、常に気を配るようにしましょう。
- 飲み会の開始20分前には会場に到着する
- 会計を先に行う
- 開会の挨拶をする
- ラストオーダーの声掛けなどで時間内に切り上げる
- 忘れ物のチェック等をして退店
リストにしてみると、やることがたくさんありますね。
ぼくひとりでできるかな…
会社の忘年会や部署の歓送迎会など、人数が10人を超える場合はサポートしてくれそうな人に声をかけておくといいですよ。
なるほど、それはいい方法かも。
お店の下見に一緒に行ってもらうなど仕事以外で一緒に行動することもあるので、声をかけるのは後輩や同期といった気軽に相談できる人がオススメです。
社内に気になる人がいる場合は、その人に声をかけると仲良くなるきっかけになりそうですね!
それもいいと思いますよ!
幹事が飲み会の準備をする手順と失敗しないポイント
飲み会が成功すると、幹事の評価もアップ!
以下で、それぞれの手順と失敗しないためのポイントを詳しく紹介します。
1. 日程調整
人数が多ければ多いほど日程調整は難しくなりますので、飲み会の候補日は幹事が決めてしまいましょう。
とはいえ、幹事の都合のみで候補日を決めてしまってはいけません。
候補日を決める際のポイントは次の2点。
- 部長や課長など飲み会に参加する人の中で役職のある人の都合のよい日を優先する
- 歓送迎会で主賓がいる場合は主役の人に参加可能な日を聞く
また、忘年会の場合は例年行われる日の前後を候補日にしてもよいでしょう。
候補日は3~4日用意しておき多数決で、一番多く人が集まれる日を選びます。
2. 飲み会に利用する店を決める
「飲み物を持ってくるのが遅い」「店員の態度が悪い」など、お店の文句が耳に入ると幹事としては気まずい思いをすることになります。
お店選びは重要なポイントのひとつ。
そこで、必ず押さえておきたいお店選びのポイントを5つ紹介します。
- 駅から近いお店を選ぶ
地図が苦手な人は駅から徒歩15分程度の距離でも、道に迷ってしまうことがあります。
お店は、最寄り駅から10分以内までが理想です。
- 男女、年齢の割合から考える
女性が多い場合はカジュアルなイタリアン、若い人が多い場合はお得感が高く賑やかな店、男の人が多い場合は飲み放題メニューが充実している店のように、参加者の男女比や年齢層によって適切なお店を選びましょう。
- 料理のジャンルは女性やお酒を飲めない人の意見を参考に
料理のジャンルに迷ったときは、お酒をあまり飲めない人でも楽しめるようにお酒が飲めない人、または女性の意見を参考にします。
せっかく会費を払ったのに「アレルギーがあって食べられるものが少ない」となるとかわいそうなので、アレルギーの有無も全員に確認しておいた方がいいかもしれません。
いずれもポイントは、「参加者全員が楽しめる」お店を選ぶこと。
地元にはない地方の郷土料理が食べられるお店など、話題性のあるお店を選ぶと会話が弾みそうなので、そちらもオススメです。
- 人数の増減に柔軟に対応してくれるお店
予約をする際には、キャンセル料やキャンセル料の発生日を確認しておきましょう。
開催日の近くでもキャンセルが可能だったり、参加者が増えても対応してもらえるお店など参加人数の増減に柔軟に対応してくれるお店だと、幹事の負担が軽くなります。
- 上司や先輩のオススメのお店
「普段、飲みに行くことがなくてインターネットで調べてもよくわからない」という人は上司に「なにかいいお店はありますか?」と相談してみるのもよいでしょう。
また「毎年どんなお店で(飲み会を)行っていますか?」と例年の様子を聞いてみるのも手です。
3. 飲み会の会費を決める
会費は、食事代と抽選会等のイベントにかかる必要経費の総額を人数で割って算出します。
当日の追加注文に備えて、多めに設定するのがコツです。
予算ぴったりで請求した場合、追加注文があると再度お金を徴収しなければいけなかったり、上司が払うなど上司に気を使わせてしまうことがあります。
再徴収するよりは、多めに集めてあまった分をキャッシュバックするほうが喜ばれるため、会費は少し多めに見ておきましょう。
4. 当日利用する店の下見をする
自分の行きつけの店でよく知っているという場合は別ですが、行ってみないとわからないことはたくさんあるので、必ず下見をしましょう。
お店の前まで行って場所と外観だけを確認するのではなく、実際にお店に入って軽く食事をするのがベストです。
幹事数人で行う場合は、打ち合わせとして利用するといいですよ。
お店を下見する際のポイントは、以下の8つです。
- お店はわかりやすい場所にあるか
最寄り駅から徒歩5分と記載があっても、初めて行くお店の場合は遠く感じることがあります。
お店の場所を説明するときに、目印になる建物を見つけておくと、説明しやすいです。
最寄り駅から遠いお店を飲み会の会場にする場合は、バスを予約したり、タクシーを確保するといった手配も必要です。
- 店内の広さや明るさはどうか
「テーブルが小さくて男の人には座席が狭いかも」「照明が少し暗い?」など広さや明るさは、実際に足を運んでみないとわからないこと。
座席が狭い場合は、テーブル移動で調整できないかお店の人と相談をしておくとよいでしょう。
- 客層など店の雰囲気
学生が多くて落ち着かない、一人で来る人が多くて大人数で利用するには向いてなさそうなど、お店の雰囲気も大事です。
また、BGMがうるさいと年配の人は不快に思うかもしれませんので確認しておきましょう。
- お手洗いの快適さ
店の規模に対してトイレの数が少なかったり、男女共有ではないかチェックを。
女性はとくにお手洗いのきれいさは気になるポイントなので、お手洗いが快適なお店だと喜ばれます。
- 飲み放題の種類は豊富か
飲み放題のビールが発泡酒ということはないか、女性が喜ぶカクテル類は豊富かなど、細かいところまでしっかりチェックしてください。
- 提供時間は遅すぎないか
「料理が来るのが遅い」「飲み物のおかわりが来ない」などということがないように、大人数で行っても提供時間に差し支えがなさそうか確かめましょう。
スタッフの人数が十分足りているか、スタッフのサービスが行き届いているかをチェックします。
下見の際に団体客がいた場合は、その団体客の飲み会の様子をチェックしてみるといいかもしれません。
- 利用時間の延長は可能か?
基本的に終了時間は決めておきますが、時間ピッタリに飲み会が終わるとは限りません。
利用時間の延長が可能な場合は、どれくらいの時間延長できるか確認をしておきましょう。
- 近くに二次会で使えそうな店がないかチェック
一次会で盛り上がった楽しい雰囲気を壊さず、二次会に移行してもらうためには近くの店がいちばん。
お店の近くを少し歩いて、二次会に利用できそうなお店がないか確認しておきます。
5. 飲み会の案内メールを送付する
日程、お店、会費が決まったら案内メールを送付しましょう。
案内メールには、次の4点を必ず記載します。
- 開催日時
- 場所(地図つき)
- 会費
- 出欠の返信期限
このほか、事前に会費を徴収する場合は集金日、キャンセル料が発生する場合はキャンセル料が発生することなど、連絡事項を書きます。
たくさんのメールの中に埋もれてしまわないように、件名を見ただけで「飲み会のお知らせだな」とわかるような工夫をするのもポイント。
メール送信の際、上司や役職者に対しては「◯◯の飲み会についてのメールをお送りしておりますので、お返事をお願いします」とひとこえかけると印象がよいです。
また、社外の人が参加する場合は宛先にTOではなくBCCを利用する方がいいこともあります。
(TO、CC、BCCの違いは「ビジネスメールの基本マナー」で詳しく紹介しているので参考にしてください。)
飲み会の案内メールの見本を掲載しておくので、こちらも参考にしていただければと思います。
社内各位
お疲れ様です。
この度、9月に入社されました◯◯さんの歓迎会を、下記の通り開催いたします。
なお準備の都合により、今週中にご出欠の返事をいただければ幸いです。
ご多用のところお手数ですが、よろしくお願いいたします。
【日時】◯月◯日(◯)18:30~
【場所】◯◯◯
(※お店のURLまたは地図を添付)
【会費】男性4,500円、女性4,000円
出欠は◯月◯日までに、営業部◯◯までお願いいたします。
また、会費は事前徴収させていただきたく、◯月◯日までに幹事にお支払いいただければ幸いです。
よろしくお願いいたします。
営業部◯◯
6. 会費を徴収する
会費の徴収は、「飲み会開催前」「当日」「後日」のタイミングで可能ですが、飲み会当日は、幹事はやることがたくさんあるためバタバタしがち。
当日の会費徴収はオススメできません。
飲み会当日の追加注文に備えて、実際にかかった費用を翌日以降に請求するというパターンもありますが「事前にいくらかかるのか参加者はわからず不親切」「当日、幹事が立て替えないといけない」などの点からあまりスマートな方法とは言えません。
会費の徴収は、飲み会開催前がベストです。
会費を集める数日前にメールを送っておくと、支払う側もお金を準備することができるのでスムーズに回収できるでしょう。
会費徴収の案内メールのサンプルを掲載しておくので、こちらを参考にしてください。
社内各位
お疲れ様です。
◯◯さん歓迎会の件ですが、先日のご案内とおり、事前に会費を集めさせていただきたいと思います。
◯月◯日(◯)に幹事が集金に参りますので、ご準備のほどよろしくお願いいたします。
営業部◯◯
7. 飲み会で挨拶してもらう人に依頼する
社会人の飲み会では、「開会の挨拶」「はじめの挨拶」「乾杯の音頭」「中締めの挨拶」の挨拶があります。
- 開会の挨拶
開会の挨拶は、幹事が行う「開会宣言」です。
「みなさん、本日はお忙しい中お集まりいただきありがとうございます。これより〇〇さんの歓迎会を行いたいと思います。本日、幹事を務めさせていただく営業部の◯◯です。どうぞよろしくお願いいたします」と、簡単に飲み会の主旨の説明と自己紹介を行います。
その後、「それでははじめに開会のご挨拶を◯◯様よりいただきたいと思います」と、はじめの挨拶へつなぎましょう。
- はじめの挨拶
はじめの挨拶は、飲み会に参加する人の中で一番役職の高い人にお願いします。
- 乾杯の音頭
「はじめの挨拶」の流れでそのまま、一番役職の高い人にお願いする、もしくは「中締めの挨拶」が2番目に偉い人にお願いすることから、3番目に役職の高い人にお願いする2パターンがあります。
- 中締めの挨拶
一次会終了の際の挨拶です。
中締めの挨拶は、乾杯をお願いした人と別の上司(2番目に役職の高い人)にお願いしましょう。
8. 必要であれば余興を考える
忘年会や歓送迎会で余興をする場合は、事前準備が必要。
どの年齢層でも楽しんで参加ができて、準備も手軽なビンゴ大会や座席の番号くじによる抽選会は定番です。
このほか、子供の頃の写真を借りて「誰の子供の頃の写真か」を当てたり、主賓の人のエピソードをネタにするクイズもオススメ。
テーブルごとにチームを作ってもらえば、あまり知らない人同士でもコミュニケーションが自然に取れます。
画用紙とサインペンを用意して答えを書いてもらうなど、ちょっと小道具にこだわるだけでクイズ番組っぽくなってより盛り上がりそう。
ものまねや漫才などを芸達者な人にお願いしたり、数人でできるため引き受けてもらいやすい歌やダンスも狙い目の催しです。
9. 飲み会の席順を決める
幹事が席を決めなければいけない場合は、上座を意識しましょう。
上座は一番奥の席で、上座から年功序列の順に並んでもらうのが基本です。
上座がよくわからない場合は、下見の際、お店の人に確認するとよいでしょう。
また席を決める際、男性ばかりの席に女性が1人だと居心地の悪い思いをするかもしれません。
男性・女性の割合を考えて配置しましょう。
合コンではないので男女交互に座らせる必要はありません。
くじ引きでもよい場合は、くじ引きが無難でオススメです。
役職のある人のみ上座に座ってもらい、あとはクジ引きにするという方法も。
幹事は、飲み物や余興の手配等、当日の仕事があるため出入り口に一番近い下座に座ります。
10. 飲み会の出席者の最終確認を行う
キャンセル料が発生する日までに、参加者の最終確認を行います。
社内メールにて「キャンセルの受付は終了した」こと、「以降のキャンセルはキャンセル料金が発生し、個人で負担してもらうこと」を必要であれば伝えましょう。
11. 二次会の店をだいたい決めておく
一次会のノリで「カラオケ」「居酒屋」など二次会に行きたい場所は変わるものなので、二次会のお店は予約をしなくても大丈夫。
カラオケならここ、バーはここ、人数が多ければ近くの居酒屋へ、など何軒か二次会に利用できそうな店をピックアップしておきます。
幹事は二次会に参加すべきかどうかについて、幹事だからといって参加しなくてはいけないことはありません。
参加しない場合、二次会に参加する人の中で一番若い社員に案内役をお願いすればよいですよ。
飲み会幹事が当日やること
さて、いよいよ飲み会当日です。
準備は完璧でも、当日の振る舞いがいまひとつだと評判を落としかねません。
最後まで気を抜かず、適度に楽しみながら幹事役を遂行しましょう。
- 飲み会の開始20分前には会場に到着する
幹事役の人は、開始時間の20分前には会場に到着しているようにしましょう。
参加者をお迎えするほかに、取り皿・お箸・グラスが人数分揃っているかや、上司に座ってもらう席に不快なところがないか等を確認します。
ビンゴなど催しを行う場合は、当日使うものを準備しておきましょう。
- 会計を先に行う
参加者が集まりだすと席の案内や、遅刻連絡の受け付けなどの作業が発生するので、会場に人が集まらないうちに会計をすませます。
- 開会の挨拶をする
開始時間になったら、開会の挨拶を行いましょう。開始時間が遅れるとお店の人に迷惑がかかり、時間通りに来ている人を待たせてしまうことになるので、全員揃わない状態ではじめでも構いません。
その際は、上司にひとこと「はじめてもよいか」の確認を。
また飲み会のあいだは、飲み物がない人には注文を、取り皿も新しいものが必要であれば店員さんに声をかける等、参加者に飲み会を楽しんでもらうための気配りを忘れずに。
当日は、あまり飲みすぎない方が細かいことに気がつけるので飲みすぎないように気をつけて。
- ラストオーダーの声掛けなどで時間内に切り上げる
終了時間が近くなったら、「ラストオーダーはどうしますか?」と声をかけたり、全員にお茶を持ってきてもらう、二次会の案内をするなど、宴会が時間通り終わるように仕切りましょう。
この際上司に「二次会はどうするか?」を尋ね、ピックアップしておいた店を上司に紹介します。
- 忘れ物のチェック等をして退店
お店を出る際には、追加注文等で料金が発生した場合は会計と、忘れ物のチェックをします。
幹事は、お店の人にお礼を言って最後に店を出ましょう。
飲み会の幹事が務まれば会社での評価もアップ!
なにかと心細い、社会人になってはじめての飲み会幹事。
日程調整やお店選び、会費や席順を決めるなどやることはたくさんありますが、紹介した手順の通りに行うと効率的です。
- 参加の確認や会費の徴収を行うことで、社内の人たちとの交流が深められる
- 楽しい飲み会が実現できたことから、段取り上手と思われ、取引先との打ち合わせや社内会議などの準備など任される仕事の幅が広がる
- 予算に合わせてコース内容を変更してもらう、景色のよい席を確保してもらうなどの交渉力が評価される
以上のようなことから、幹事役としてうまくやると、社内での評価は上がり仕事も以前よりずっとやりやすい環境になります。
当日もホストとして気を配らなければならず、飲み会が終わるまでは気が抜けない状態ですが、会社の人の楽しんでいる様子を目の当たりにすると、自信につながりますよ。
上司に「楽しかった!ありがとう。」と言ってもらえたら、100点満点です!