添え状は、履歴書や職務経歴書を郵送する際に同封する、簡単な挨拶文と送付書類の内訳を記載したものです。
応募書類を郵送する際に同封するのがビジネスマナーとなっています。
「履歴書や職務経歴書を書いて、もうクタクタなのに添え状まで作るの?」
と作業の大変さにうんざりする人もいるかもしれません。
しかし、履歴書や職務経歴書の作成に比べると、添え状の作成はとてもカンタンです。
履歴書の郵送時に添え状を同封することはビジネスマナーの基本となっているので、特に転職で応募書類を郵送する際には、添え状を同封するようにしましょう。
ちなみに、送付状やカバーレターも添え状と同じものです。
今回は、添え状に関する疑問や、添え状を書く際に注意したいこと、添え状の書き方を紹介します。
目次
履歴書の添え状に自己PRは必要?添え状に関する7つの注意点
添え状が必要って初めて知ったんですけど、添え状はどうしても必要なものですか?
PCで作っていいのか、手書きの方がいいのかも気になるなあ。
なるほど。
添え状の存在を知らなかった人や、転職が初めての人には分からないことだらけですよね。
では今から、添え状に関する疑問にお答えしていきますね!
1. 履歴書郵送時に添え状は必要!
履歴書等を郵送する際に、添え状は必ずつけるようにしましょう。
添え状は、履歴書や職務経歴書と違い合否に直接関係するものではありません。
応募の多い企業では、添え状がついているかどうかのチェックをしていないところもあるようです。
しかし、添え状がないと「この人はビジネスマナーを知らないの?」と思う企業もあります。
添え状を同封するのはビジネスマナーの基本ですし、短時間で作成できます。
郵送の際には送付状をつけるようにしましょう。
2. 添え状を入れ忘れた場合、再度履歴書を送る必要はない
添え状を同封するのはビジネスマナーではありますが、添え状は応募書類ではなく、あくまで添えるもの。
添え状を入れ忘れたからといって履歴書を送り直したり、お詫びのメールを送るなどの対応はしなくても大丈夫です。
3. 履歴書を持参する場合、添え状は必要ない
履歴書を持参する場合、添え状は不要です。
添え状は、直接会って挨拶したり、封筒の中身を説明できない代わりにつけるものだと考えましょう。
基本的に持参する場合は必要ありませんが、面接官でなく受付に預ける場合など、担当者に対面で渡せないとき、気になる人は添え状を付けてもOKです。
4. 添え状の用紙は白・無地の普通紙を使用する
添え状の用紙は、白・無地の普通紙を使用します。
履歴書・職務経歴書とサイズを合わせましょう。
5. 添え状はPC、手書き、どちらでもOK!
PC、手書き、どちらで作成してもOKです。
いずれの場合も相手が見やすいものを意識して作るとよいでしょう。
手書きの添え状を送ったところ、面接の際に「ご丁寧にありがとうございます」とお礼を言われた、というエピソードもあります。
合否に関わるものではありませんが、手書きだと丁寧という印象を持ってもらえることもあるようです。
6. PCで添え状を作成する場合は横書きで
PCで作成する場合、履歴書・職務経歴書が横書きのため横書きで作成します。
手書きの添え状を作る人は縦書きで作成しましょう。
7. 履歴書の添え状に自己PRは書かなくてもよい
自己PRは、履歴書、職務経歴書に書かれているので添え状に書く必要はありません。
添え状は、書類の中身が何かを確認するものという認識のため、内容をしっかり読まない企業もあるようです。
どうしてもひとこと添えたいという人は、長文にならない程度、2~3行を目安に書きましょう。
履歴書の添え状を書く際に気をつけたいNG事項5つ
履歴書の添え状を作成する際に気をつけたいことは、以下の通りです。
- 誤字脱字がある
- 「◯◯株式会社」の名称を直していないなど、インターネットからコピペ(コピー・アンド・ペースト)をしたことがわかる
- 自己アピールが長い
- 「リストラにあい大変困っている」など常識的でない内容が書かれている
- 手書きの場合、消えるボールペンを使っている
相手が読みづらい、読むのに時間がかかるものを避け、簡潔にまとめることを心がけてください。
添え状の書き方とテンプレート~PC横書き編~
それでは、添え状の書き方を紹介しましょう。
1. 日付
日付は、用紙の一番上、右に記入します。
日にちは提出日もしくは持参日、ポスト投函日です。
履歴書、職務経歴書、添え状は同じ日にちであることを確認しましょう。
2. 送付先の会社名・担当者名
会社名は正式名称を書きます。
名刺がある場合は名刺を見て、ない場合はネットで調べてから書くなど確認をするとよいでしょう。
株式会社を(株)、有限会社を(有)と略しません。
応募する会社名・部署名の後ろには「御中」をつけ、氏名の後ろに「様」をつけます。
御中と様は一緒につけません。
「株式会社◯◯ 総務部 斉藤様」→◯
個人名が分からない場合は、「採用ご担当者様」もしくは「人事部御中」で構いません。
3. 氏名・連絡先
郵便番号、住所、氏名、連絡先、(必要であれば)メールアドレスの順に書きます。
電話番号はいつでも連絡が取れる番号にしましょう。
4. タイトル
ひと目見て分かりやすいタイトルにします。
タイトルなので文字は大きめにし、センタリング寄せにします。
5. 頭語・結語
いきなり本文に入るのを避けるために使われる「頭語」、文章の終わりに使われる「結語」を使用します。
「拝啓、敬具」を使うのが一般的です。
「謹啓、敬白」などは、より丁寧な印象を与える頭語・結語で、こちらを使ってもOKです。
「前略、草々」は「前文を省略します」という意味なので、添え状にはふさわしくありません。
女性が使う「かしこ」は少々くだけた感じがするので避けた方がよいでしょう。
6. 時候の挨拶
見本では使用していますが、時候の挨拶はなくてもかまいません。
時候の挨拶によく使われる「時下」という言葉は「今、現在」という意味で、季節を問わず一年中使える時候の挨拶です。
ビジネス文書でもよく使われます。
時下を使う場合、各月の時候の挨拶は不要なので注意してください。
時候の挨拶一覧
1月 | 大寒の候、烈寒の候、寒冷の候 |
---|---|
2月 | 早春の候、晩冬の候、梅花の候 |
3月 | 春分の候、仲春の候、初春の候 |
4月 | 春暖の候、春風の候、陽春の候 |
5月 | 晩春の候、若葉の候、新緑の候 |
6月 | 梅雨の候、長雨の候、初夏の候 |
7月 | 盛夏の候、大暑の候、仲夏の候 |
8月 | 晩夏の候、残暑の候、初秋の候 |
9月 | 新秋の候、秋分の候、涼風の候 |
10月 | 秋涼の候、秋雨の候、紅葉の候 |
11月 | 晩秋の候、深秋の候、初冬の候 |
12月 | 師走の候、歳晩の候、初雪の候 |
7. 挨拶文
頭語、時候の挨拶の次は挨拶文の順番になっています。
挨拶文で使う敬称の付け方は以下の通りです。
会社 | 貴社 |
---|---|
社団法人・財団法人 | 貴法人 |
銀行 | 貴行 |
学校 | 貴校 |
病院 | 貴院 |
8. 応募経緯
応募に至った経緯を簡単に書きます。
何を書いたらよいか分からない場合、求人サイトやハローワーク等、求人を知った媒体を書くとよいでしょう。
9. 自己PR
見本には例文として書きましたが、基本的に自己PRは不要です。
書く場合は例文の通り、2~3行で収めましょう。
10. 結び
採用検討をお願いする文章が入ります。
「ご査収(ごさしゅう)」とは、「確認の上、受け取る」という意味の尊敬語です。
「ご査収くださいますようお願い申し上げます」という表現でもOK。
「ご査収」と似たような言葉に「ご査証」があります。
「ご査証」は「調べて証明する」という意味のため適切ではありません。
間違えないように注意しましょう。
11. 記書き
重要な点や注意事項などを箇条書きにしたいときに「記」を使います。
「記」と「以上」はセットで使用します。
12. 送付書類
送付したものの内訳を書きます。
テンプレートを使えばカンタンに作成できますよ。
添え状の書き方と見本~手書き・縦書き編~
添え状を手書きで書く場合の書き方を紹介します。
- 「拝啓」の後は改行せず、ひとマス開けて挨拶文を書きます。
- 2行目の最初は1文字下げます。
2行ごとに下げると読みやすいです。
送付書類の内訳は本文に書きます(横書き同様に記書きを使ってもかまいません)。 - 結語は下揃えにしましょう。
- 提出日もしくは持参日、ポスト投函日を記載します。
- 氏名は下揃えにしましょう。
- 送付先の会社名・担当者名を書きます。
履歴書の添え状は基本のビジネスマナー!見本を使えば作成もカンタン
添え状の同封はビジネスマナーの基本です。
何を書いたらよいか分からない、という人は見本の通りに作成するとよいですよ。
添え状を作って、応募書類の準備ができたらいよいよ郵送です!
郵送の仕方や封筒の書き方に不安がある人は、
「履歴書の送り方と郵送マナー!宛名書きから封筒の入れ方までの注意点9つ」
を参考にしてください。