自分が悪いことをしたわけではないのに、怒られてしまったり謝らなければならないクレーム電話。
そんなクレーム電話をストレスに感じている人も多いのでは?
クレーム電話では、相手の話を聞くことがとても大切です。
誠意を持って話を聞き、きちんと対応すれば、クレームが大きくなることはなく、むしろ感謝されて電話を切ってもらえることもあります。
クレーム対応の基本を覚えて、クレーム電話のストレスを軽減しましょう。
今回は、電話でのクレーム対応について詳しく紹介していきます。
目次
クレーム電話をかける人が求めていることとは?クレーム電話3つの種類
クレーム電話にうまく対応するには、電話をかけてくる人が求めていることを正確に理解することが大切です。
クレームは3つの種類があり、それぞれ対応が異なります。
間違った対応をしてしまうと、さらに大きなクレームになることもあるので注意しましょう。
1. 改善策がほしいクレーム
クレームの中で一番多いのが、改善策がほしいクレームです。
具体的には、商品やサービスに対する苦情のこと。
この場合、まずは話を聞いて現状を理解し、相手の不便さに共感したうえで対応策を提示するとよいでしょう。
- サービスに関するクレーム
購入時に聞いた説明と料金体系が違う(説明してほしい) - 商品に関するクレーム
説明書を読んでも使い方がわからない(使い方を教えてほしい) - 社員の素行に関するクレーム
営業の人が家の近くに路上駐車をしていて迷惑(なんとかしてほしい)
2. 普通の問い合わせからクレームになるクレーム
最初はクレームではなく、単なる問い合わせとして電話をしたが、電話がつながらない、電話に出た人の対応が悪いなどからクレームになるケースです。
電話に出た人の対応が悪くてクレームになった場合、電話応対者を別の人に代えて対応するのが正解です。
電化製品を購入し、マニュアルを読んで操作したが動かない
↓
早く使いたいのに電話をするのは面倒!でも仕方ないからコールセンターへ電話する
↓
電話が混み合っているようでなかなかつながらない
↓ イライラ
やっと電話に出てもらえたが「マニュアルをお読みになられましたか?」と聞かれる
↓ イライラ
マニュアルを読んでもわからないから電話をしたのに余計なことを聞かれた、電話を待たされたことでイライラが募り、クレームになる
3. クレーマーによるクレーム
- 暴言や威圧的な話し方をして怖がらせる
- 時間外での対応を要求する
- 詐欺的な行為で賠償金を請求する
このように非常識な問い合わせがあった場合、相手はクレーマーである可能性が高いです。
クレーマーには、可能な限りひとりで対応しないようにしてください。
一旦保留にして、上長の指示を受けるようにしましょう。
クレーム電話応対は冷静さが大切
クレーム電話には冷静に対応しなければいけません。
おどおどした態度は、相手に付け入るスキを与えることになってしまいますし、相手の怒りを増大させることもあります。
相手の困っていることを解決するのが、クレーム電話対応の役割です。
相手が何に対して困っているのかを正確に理解することが重要となります。
ですが、相手は感情的になっていて話が聞き取りにくい場合もあります。
クレーム電話では、聞き手が冷静になって対応し、正確な情報を引き出す必要があるのです。
落ち着いてクレーム電話に出るコツ
クレーム電話では冷静な対応が求められますが、電話応対の際にはどうしても緊張してしまいます。
クレーム電話に出るとき、なぜ緊張するのだと思いますか?
電話に出て怒鳴られるのがイヤだからではないですか?
ぼくは、クレームに対してきちんと対応できるかどうかわからないからだと思いました。
どちらもその通りだと思います。クレーム対応に対する恐れと不安が緊張させているんですよ。
クレーム電話に落ち着いて出るためには「どんなクレームでも対応できる」という自信が必要です。
自社商品やサービスについて、どんなことを聞かれても答えられるように理解を深めておきましょう。
会社のマニュアルがあれば、可能な限り頭に入れておくほうがスムーズに対応できます。
商品やサービスでわからないことがあれば、そのままにするのではなく疑問に思った時点で解決しておきましょう。
知識が増えることで自信が持てるようになり、クレーム電話に出る際に緊張しなくなります。
スムーズに解決するクレーム電話応対の心得3つ
- 誠意をもって対応する
「自分のせいじゃないのになんで怒られなきゃいけないの?」
「もう30分もしゃべってる…早く切りたい!」
こういった気持ちは、声色や相槌などから電話越しでも相手に伝わります。
誠意を持った対応もまた、電話越しでも伝わるものです。
誠意が伝わると、相手の怒りもトーンダウンし話し合いがスムーズに進みます。
- 電話の相手を待たせない
電話をかけてきた人は、「早く商品を使いたい」「(サービスなどの疑問を)早く解消して不安をなくしたい」という気持ちから、メールや来訪ではなく、その場ですぐに解決できそうな電話を利用しています。
そのため、待たされるとそれだけでイライラしてしまうのです。
保留などで相手を待たせ過ぎないようにするのはもちろん、折り返す場合もできるだけ早く折り返すようにしましょう。
- 必ずメモを取る
クレーム電話の応対でメモは必須です。
クレーム内容を正確に理解する、電話の相手にクレーム内容を復唱する、担当者への引き継ぎや上長へ報告するために、メモは必ず取りましょう。
クレーム電話応対の基本的な流れと応対の仕方
クレーム電話は以下の流れで進めるのが理想です。
- クレームを聞く
- 謝罪する
- クレーム内容の確認(復唱)する
- クレームに対する解決策(サービスの説明、商品の扱い方の説明)を提示する
- 質問・反論があれば聞き、それに対する解決策を提示
- 双方納得できたら感謝の気持ちを述べ、電話を切る
この流れに沿った詳しい応対の仕方と、応対する時のポイントを見てみましょう。
1. クレームを聞くときは電話の相手に誠意が伝わるようにする
悩みがあるとき、誰かに話すだけで心が軽くなったという経験はありませんか?
クレーム電話でも同じことが言えます。
クレームを言うことで不満や怒りなどの感情を外に出すことができ、冷静さが戻るのです。
電話をかける人は、自分が直面している問題を理解してほしいと思っています。
相手の立場にたって解決策を考えようとする姿勢や態度は相手に伝わるものであり、そのことにより、電話をかけた相手の「話を聞いてほしい」という欲求は満たされます。
ですから、クレーム電話に応対する際は、共感や理解を示す相槌を入れるとより効果的です。
相手の感情を受け入れるような相槌として、「おっしゃるとおりでございます」「それは大変ご不便でございますね」などが挙げられます。
また、オウム返しを使うのもよい方法です。
相手の言ったことを繰り返すことによって「自分の話を聞いてくれている」「理解してくれようとしている」という気持ちになってもらえます。
その際ただ話を聞くだけでなく、電話の相手は謝罪してほしいのか、サービスを解約したいのか、商品を交換・返品したいのかなど、求めていることを探りながら注意深く聞きましょう。
2. 謝罪するときは「限定謝罪」をする
クレームの内容を聞いたら、謝罪の言葉を述べます。
相手の話を聞いてすぐに謝罪をすることにより、「とりあえず謝ってもらえた」「自分の苦情を理解してもらえた」など、相手の気持ちを鎮めることができます。
謝罪には全面謝罪と限定謝罪がありますが、クレーム対応の場合は限定謝罪をしましょう。
全面謝罪とは、「今回の件はすべて当社の責任でございます。◯◯様には誠意を持って対応させていただきます」のように、クレームの内容に関わらず一方的に自分たちが悪いと認めて謝ること。
一方、限定謝罪とは、クレームを言わなければいけない状況にしてしまったこと、つまり不便をかけてしまったことに対するお詫びです。
クレーム対応では、次の2つの理由から、限定謝罪をするのがベストです。
- クレームの発生状況や事実が電話ではよくわからないから
- 役職者など決定権のある立場ではない人が対応策を勝手に決められないから
限定謝罪の言葉は以下のものが挙げられます。
- このたびはご迷惑をおかけいたしまして大変申し訳ございませんでした。
- ご不快な思いをさせてしまい申し訳ございませんでした。
- ご意向に添えず申し訳ございませんでした。
- 説明がいたらず申し訳ございませんでした。
- お手数をおかけいたしまして申し訳ございませんでした。
3. クレームは必ず復唱する
クレームを聞いて謝罪したあとは、クレーム内容について確認しましょう。
クレームを復唱する目的は3つあります。
- クレーム内容を明確にするため
- 相手に対して「きちんと話を聞いている」アピールをするため
- 解決策へ向けて話を前に進めるため
復唱をしないと、相手は「本当にクレーム内容を理解しているのかな?」と不信感を持ち、わかってもらえるまでクレームを話さなければ、という気持ちになります。
相手のクレーム→謝罪→相手のクレーム→謝罪の無限ループになる可能性がありますので、謝罪後のクレーム内容の確認は大切です。
また、クレーム内容を確認する際に、矛盾点や詳細を知りたい箇所があれば確認しましょう。
確認したいことがある場合は「恐れ入りますが、◯◯に不具合があるということでお間違いございませんか?」や「恐縮ですが、弊社の社員を見かけたときの様子を詳しくお話いただけますか?」のように、冒頭に「恐れ入りますが」「恐縮ですが」をつけて話します。
4. クレームに対する解決策を提案する
クレーム内容と相手の要望がわかったら、それに対する解決策を提案しましょう。
たとえば料金体系についての説明不足が原因のクレームなら、説明不足だった箇所をあらためて説明します。
荷物が届いていないというクレームなら、輸送状況を確認し配達の具体的な日時を伝えます。
商品が動かない場合は、パンフレット等を見ながら電話の相手と一緒に操作を確認することになるでしょう。
その際の注意点は、相手の立場にたって理解しやすい言葉を選んで話すことです。
専門用語や難しい言葉を使わない、そして一方的に長々と話すのではなく、相手が理解しているか確認しながら細かく区切って説明するよう心がけましょう。
「ひとつ目の原因は◯◯で、ふたつ目の原因として◯◯が考えられます」のように、箇条書きで説明するように話すのもオススメです。
PREP話法で理解しやすい説明に
ビジネスの際によく使われるPREP話法を用いることで、理解しやすい説明ができます。
PREP話法とは、P(POINT)結論、R(REASON)理由、E(EXAMPLE)具体例、P(POINT)結論の順に話すことです。
ご期待に添えず心苦しいのですが、セール品の交換は弊社ではお受けしておりません(R)。
たとえばセール品でも商品に欠陥があった場合はご返品いただくことも可能ですが(E)◯◯様のご意向に添えず大変申し訳ないのですが、今回の件での交換・ご返品はいたしかねます(P)
このように、結論を最初に言うことで、相手は理解がしやすく、要点が頭に残りやすいというメリットがあります。
上司や先輩へ報告でPREP話法を使うなど普段から意識して使っていれば、クレーム応対などいざという時にも自然に使えるようになりますよ。
自分で解決できないクレーム電話は上司に代わる
お客様からのクレームに対して、自分で説明できない場合は、電話を担当者や上司に代わります。
担当者が折り返しの電話をする場合は、担当者の名前を伝えて相手の連絡先を聞きましょう。
クレーム電話をかける人は、すぐに解決してほしいという気持ちがあるため、対応できるクレームは受けた電話で解決するのがベストです。
ビジネスマナーにおいて保留は30秒から1分で、それ以上時間がかかる場合は折り返しの電話をする方がよいとされていますが、クレーム電話の場合は折り返しの電話を待ちたくないという人も多いので、保留にする際はどれくらい時間がかかるかを伝えてから保留にします。
どうしても時間がかかる場合は、折り返しにしてよいか必ず確認しましょう。
5. 解決策に対する質問や反論に対応する
こちらから提案した解決策に対して質問や反論があった場合、相手の話をよく聞いて、相手が納得できない部分をしっかり把握しましょう。
そして質問に対する答えや反論に対する説明をする、他の解決策の提示をする、その場で確認できない場合は責任者に確認をとるなど、臨機応変に対応する必要があります。
例えば、会社の規定により相手の要求通りの対応ができない場合は、その旨を丁寧かつはっきりと言うのが正しい対応です。
「会社の規定なので、しょうがないじゃないですか。」ではなく、「大変申し訳ございませんが、会社の規定によりそのような対応は致しかねます。ですが、先ほど提案させて頂きましたことに関しましては、誠心誠意対応させて頂きます。」と誠意を持って対応しましょう。
わかりやすい言葉で何度も、丁寧に、粘り強く対応することが大切です。
6. 感謝の気持ちを述べて電話を切る
クレームは商品やサービス向上のきっかけになるものです。
商品やサービスに不満を感じても何も言わない人も多いなか、わざわざ不満を教えてくれた人に感謝の気持ちを持ちましょう。
電話を切る際にお礼を言うことで、お互いに気持ちよく電話を切ることができれば、商品や会社のファン(リピーター)になってもらえるかもしれません。
感謝の気持ちは「◯◯様、貴重なご意見をありがとうございました」や「このようなご指摘をいただき、たいへん勉強になりました」のように伝えるとよいですよ。
クレーム電話で困ったときの対処法4つ
基本のクレーム電話の応対を紹介しましたが、実際には基本の通りにいかないことも多いですよね?
この章では、クレーム電話応対時に起こりがちなトラブル例とその対処法をお伝えします。
1. 担当者が不在
担当者が不在の場合、担当者から折り返しにしてもよいかの確認を取ります。
このように確認をとりましょう。
折り返しでもよいと許可をもらったら、相手の氏名・連絡先・連絡してもよい時間帯・大体のクレーム内容を聞いてメモにとります。
電話の相手がこちらから話す前にクレーム内容を話し始めた場合、話はメモを取りながらすべて聞きます。
相手がクレーム内容を話し終えたら、「大変申し訳ございませんでした。せっかくお話いただいたのですが、私ではわかりかねますので、担当の◯◯より説明いたします。◯◯様、今お話いただきましたことは私◯◯が責任を持って担当者に申し伝えます」と、担当者へ伝えることを約束し、相手の氏名・連絡先・連絡時間帯を確認して電話を切ります。
このときに聞いたクレーム内容は、聞いたとおり担当者へ伝えることが大切です。
担当者がもう一度電話をしたときにクレーム内容を聞くと、電話の相手は同じことを話さなければならず、さらに大きなクレームになります。
2. 電話の相手は怒りマックス!怒りをトーンダウンさせたい
クレーム電話では、電話に出るなり「おまえんとこの会社どないなっとんねん!」「社長出せ」などと怒鳴る人がいます。
その場合、説明をしても聞いてもらえない可能性があるため怒りを少しでも沈めなければいけません。
トーンダウンすることで話し合いがしやすくなるので、まずは怒りをトーンダウンさせましょう。
そのためには、意識をほかへ向けることがポイントです。
たとえば、電話応対者を自分から、上司もしくは担当者へ変えます。
折り返しにして時間を変えるのもよい方法です。
時間があくことによって、「自分はなんであんなに怒っていたのだろう」「大人なのに声を荒げて恥ずかしかったな」など自分の行動を振り返って反省することもあるようです。
3. なかなか電話を切ってもらえない
ビジネスマナーでは、基本的にかかってきた電話をこちらから先に切ることはできません。
また、コールセンターでもかかってきた電話を先に切ってはいけないことになっているため、こちらから電話を切ることはしないようです。
折り返しに応じない、担当者や上長に代わることもできない場合は、自分では説明できない理由や相手の要望にすぐに応じられない理由をわかりやすく説明しましょう。
謝罪→自分では説明できないことを説明→折り返しを提案、以上のことを相手に納得してもらえるまで粘り強く繰り返します。
フリーダイヤルでない場合、「お電話代がかかりますので、いったんお切りいたしましてすぐにこちらからお電話差し上げますが」というと電話を切ることができることもあります。
電話を切ることができたらすぐに上司に相談して2~3分のうちに掛け直しましょう。
4. 折り返しの時間がわからない
折り返しの電話が遅くなった場合、さらにクレームになることがありますので、先方から時間指定があった場合はその時間に、折り返す場合は30分以内にかけます。
かけなおして繋がらなかった場合、何度もかけすぎないようにしましょう。
電話をかけなおす回数は、クレーム当日は3回、クレームをもらった翌日は昼と夜の2回、3日以降は1日1回と決まっている企業もあります。
留守番電話の場合は、会社名・自分の名前・電話の用件をメッセージに吹き込みます。
無言で切らないように気をつけましょう。
その他にも電話応対で困ったときは、初めての「電話の受け方」基本マニュアルをご覧ください。
クレーム電話でやってはいけない対応7つ
クレーム電話をかけてくる人は、対応者の態度に敏感です。
言葉遣いはもちろん、行動にも気をつけて対応しましょう。
- 話の途中で口をはさむ
話の腰を折られるのはあまりいい気はしないものです。
それが言い訳や反論であった場合、怒りの気持ちに拍車がかかることがあります。「そうおっしゃられても弊社の規則でございますので」「担当の者も急いでおりましたものですから」など、反論や身内をかばう発言はしないように注意しましょう。
- 曖昧なことをいう
「返品はできると思います」「月額は3000円くらいです」など、知らないことを適当に言ったり、自分の判断で対応してはいけません。
適当なことを約束してしまうと、あとで「できもしないことを言った」とクレームになります。わからないことを伝えると「そんなこともわからないのか!」と怒られそうですが、わからないまま適当に答えてしまうほうがよほど失礼な対応です。
わからない場合は正直に「私ではわかりかねますので、担当の者からご連絡申し上げてもよろしいですか?」と聞きましょう。 - かかってきた電話をたらい回しにする
担当者が分からないからといって、とりあえず近くにいる上司につないではいけません。
たらい回しにすることで、待たされている、対応が悪いという印象を与え、怒りがヒートアップすることが考えられます。担当者が不在の場合の対応方法をとり、折り返し連絡をするようにしましょう。
- クレーム内容を否定するような発言をする
電話の相手から一方的に苦情を訴えられると、「そのようなことは聞いたことがございませんが」「マニュアル通りに操作すれば使えるはずですが」などという言い方で反論したくなることがあるかもしれません。
ですがこのような言い方は、クレーム主に落ち度があるように聞こえさらに大きなクレームになりますので控えましょう。
- データ入力をしながらなど片手間に対応する
「クレーム電話は反論してはいけないから相手の気が済むまでしゃべらせておいて、こちらはただ聞いているだけでいいだろう」「仕事が忙しいのに話がなかなか終わらない」等の理由があっても、事務作業などをしながら電話に出てはいけません。
適当に相槌を打っていることは伝わりますし、集中力が散漫になり話を聞き逃す可能性もあります。
話を聴き逃した場合、「きちんと話を聞いているのか!」とクレームになりますので、クレーム電話に出るときはすべての作業を中止して電話応対に集中しましょう。
- 電話を早く切りたがる
クレーム時のように怒っているとき人は、不快に関する意識が敏感になっています。
早く切ろうと会話を終わらせたがっているなどの行動は、通常時より伝わりやすくなっているので気をつけましょう。 - 「できません」「わかりません」を即答する
クレーム電話の対応はスピーディーに問題を解決することがポイントですが、「できません」「わかりません」を即答されると相手は、誠意が感じられないと感じるようです。
会社の規則上、相手の要望がとうてい実現できることではなくても、時間をおいてから回答します。
「善処いたしますので、今一度お待ちいただいてもよろしいでしょうか」といったん電話を切り、時間を置いたあと、こちらから電話をかけてお詫びの言葉と要望に応じられない理由を述べましょう。
クレーム応対で感じるストレスを軽減する方法
クレーム電話の応対はとても疲れるものです。
電話を切った瞬間、達成感とは違う濃い疲労を感じることもあるでしょう。
そこで、ストレスをためないクレーム応対のコツや、ストレスの解消法を紹介します。
1. クレーム電話は自分に対する苦情ではないと考えよう
まずは、クレーム電話は自分に対する苦情ではないと理解しましょう。
相手は怒りに任せて言っているだけなので相手の言葉を真に受けないようにすること、仕事だと割り切って対応することも効果的です。
自分は何も悪いことをしていないのに、人に怒られるのは理不尽ですが、そもそも電話の相手は何かにとても困って電話をしてきているのです。
起きた問題について、一緒に解決するという意識で話を聞きます。
また、「その問題を解決できるのは自分である」という誇りを持って対応しましょう。
クレーム対応は、人助けにもなる立派な仕事だと思えるはずです。
2. クレームに対するネガティブなイメージを払拭しよう
「怒鳴られるから怖い」「話が長いから面倒くさい」など、ネガティブなイメージが強いクレーム電話。
クレーム電話が苦手なのは、クレーム電話に対して良いイメージがないからです。
クレーム電話に対するネガティブなイメージを払拭できれば、緊張せずに対応できるはず。
実は、クレームは商品やサービス向上のチャンスだと言われていることを知っていますか?
eサティスファイ・ドットコムの調査によると、「ある商品やサービスに不満を持った人の96%は会社に対してクレームを言わない」というデータがあります。
この96%の人たちは、クレームこそ言いませんが「この会社の商品は二度と買わないようにしよう」「このサービスはもう使わないようにしよう」と心の中で思い、その商品やサービスを利用しなくなります。
反対に、苦情を訴えた人の54%~70%は問題が解決すれば再び、その商品やサービスを利用しようと考えているのだそう。
さらに問題が速やかに改善された場合、その数字は95%にまで上昇します。
クレームは会社のファンになってもらえるチャンスなのです。
3. クレーム対応のストレスを発散する方法
それでもやはり、クレーム対応はストレスがかかるもの。
ストレス発散できる趣味をもつといいでしょう。
誰でも気軽に始められる料理やランニングなどがオススメ。
料理は刻む、すりおろすなど単純な反復運動なため、雑念を忘れて作業に集中できます。
集中することで心が整いストレスが軽減するのだそう。
また運動をすると、体力や免疫力が高まり心身ともに健康になります。
運動をすることで体が疲れるので熟睡できるようになり不眠にも効果的。
自然を感じながらのランニングや、パンチを打つ動作がストレス解消に効きそうなボクシングなどがオススメです。
クレーム電話の応対まとめ
クレーム電話の応対のコツについて紹介してきましたが、いかがでしたか?
たしかに、クレーム電話に出るのは憂うつなものです。
そんなときは、なぜ人はクレーム電話をかけるのかを考えましょう。
そうすれば自分が怒られているのではないこと、電話の相手は困っていて助けて欲しいことがわかり、クレーム電話に対するマイナスイメージが軽減されます。
電話応対に不慣れな人は、まずは基本の応対をマスターしましょう。
クレーム電話をかける人の気持ちに寄り添って話を聞き、適切な対応策をわかりやすく説明できればクレーム対応は完璧です。
クレーム電話は決して怖いものではありません。
落ち着いて対応するように心がけましょう。