内定から入社までの後悔しない過ごし方とは?

大学生の最大の試練ともいえる就職活動。
就職活動を戦い抜き、内定をもらった先に待っているのは、内定から入社までの長い休息期間です。

社会に出るまでゆっくりできる最後の時間を、どのように過ごそうかと考えている人も多いのではないでしょうか?

「先輩から旅行をしたほうがいいと聞いたぞ!」
「資格の勉強をしたほうがいいのかな……。」

時間も選択肢もたくさんあるからこそ、何をしておけばいいのか悩んでしまいますよね。

そこで今回は社会人1年目から3年目までの139人を対象に「内定から入社までの期間をどのように過ごしたのか」について調査しました。

今回のアンケートで聞いた内容は以下のとおりです。

アンケートの調査内容

  • 内定から入社までの時間を有意義に過ごせたかどうか
  • 内定から入社までの過ごし方
  • (上記の質問について)内定から入社までにやっていてよかった理由
  • 入社までにやっておくべきだったこと
  • (上記の質問について)やっておくべきだったと感じた理由

これから入社までの過ごし方について迷っている方は、参考にしてみてください。

調査回答者の属性
  • 性別:男性35.0%/女性65.0%
  • 入社年数:1年目23.4%/2年目24.8%/3年目51.8%
  • 業種:サービス業21.6%/製造業20.1%/運輸・通信業18.7%/医療・福祉11.5%/卸売・小売・飲食業10.8%/金融・保険業6.5%/不動産業5.0%/建設業2.9%/無職1.4%/電気・ガス0.7%/不明0.7%

内定から入社までの期間を有意義に過ごせたと感じている人は78%

内定から入社までの期間を有意義に過ごせたかのグラフ

内定から入社までの期間を有意義に過ごせたと感じた人は78%と、意外にも学生生活に満足している人は多いようです。

一方で22%の人は、内定から入社の期間を有意義に過ごせなかったと感じています。

有意義に過ごせた人、過ごせなかった人の差はなんでしょうか?

1つの要因として考えられるのは、内定から入社までの「期間」です。

回答者の内定から入社までの期間を表すグラフ

「内定から入社までの期間」のグラフを元に、各期間ごとに有意義な時間を過ごせた人の割合を以下の表にまとめました。

入社までの期間 有意義に過ごせた人 有意義に過ごせなかった人
3ヶ月未満
(n=8)
62.5% 37.5%
3ヶ月以上6ヶ月未満
(n=94)
90.4% 0.6%
6ヶ月以上1年未満
(n=21)
77.6% 22.4%
1年以上
(n=16)
87.5% 12.5%

表を見てみると、内定から入社までの期間が3ヶ月以上ある人は、それぞれの期間内で有意義に時間を使えたと感じている人が7割以上いるとわかります。

一方で3ヶ月未満の人は有意義に過ごせたと感じる人が、およそ6割程度。3ヶ月以上期間があった人に比べると、有意義に過ごすには時間が足りないようです。

入社まで3ヶ月未満だと、引っ越しなど新生活の準備もあり、実質自分のために使える時間は限られてしまいます。やりたいことをすべてやり尽くすのは難しいのかもしれません。

しかし3ヶ月未満という短い期間でも「やりたいこと・すべきこと」を明確にすることで有意義に過ごせます。

そこで内定から入社までの期間をどのように過ごせばいいのか、先輩方が実際に行った過ごし方について見ていきましょう。

入社までの過ごし方で一番多いのは「旅行」40%

内定から入社までの期間をどのように過ごしたかのグラフ

内定から入社までの過ごし方についてアンケート調査を行ったところ、およそ40%の人が「旅行」と回答しました。

今まで海外旅行の経験がなかったので、若い間に一度は経験したいと思っていました。バイトで貯めた資金でヨーロッパを約1か月旅して、貴重な体験をしました。今でもその時のことを思い出して、辛いときにも耐えることが出来ます。
(機械プラントメーカーの技術者)
卒業前の時期ということもあって、卒業旅行ブームでした。大学生は社会人と違い平日でも長期間時間を開けられるため、価格も安く空いている観光地に行くことができてよかったです。
(機械工具商の営業)
仲の良い男友達3人でニュージーランドに2週間滞在しました。その旅行は車を借りて車でニュージーランドを縦断するといった旅で若いうちしかこういうアクティブな旅、貧乏旅行はできないと思って実際にして一生の思い出になりました。また初めて海外に一人旅とかもいったりして世界観や価値観が広がったなと感じています。
(旅行会社の営業)

「卒業旅行」といった言葉もあるくらいですから、やはり最後の学生生活で旅行を楽しむ人が多いようです。

ということは、「旅行」をすれば入社までの期間を有意義に過ごせるものなのでしょうか?

上にあるグラフを、有意義に「過ごせた人」と「過ごせなかった人」に分けてみました。

有意義に過ごせた人と過ごせなかった人の入社前の過ごし方を表すグラフ

すると有意義に過ごせた人もそうでない人も、入社までの期間に「旅行」していることがわかりました。

つまり、「旅行」をしたけど、最後の学生生活を有意義に過ごせなかったと感じている人もいるわけです。

旅行そのものは楽しくても、旅行以外にも何かしておくべきだったと感じている人は、最後の学生生活の過ごし方に少し後悔しているのかもしれませんね。

では反対に、先輩方は何をすれば、最後の学生生活を有意義に過ごせたと感じられたのでしょうか?

次は、先輩方が入社までにやっておくべきだったと後悔していることについて見ていきましょう。

入社までの過ごし方でやらずに後悔したことも「旅行」21%

入社までにやっておくべきだったことを表すグラフ

内定から入社までの期間にやっておくべきだったことを調査してみると、票は割れましたが21%で「旅行」が最も多い結果となりました。

なんと、入社までの実際の過ごし方と、やらずに後悔したことが共に「旅行」という結果になったのです。

旅行をした人が多かったはずなのに、なぜ「旅行をすればよかった」との回答が多くなったのでしょうか?

これは、内定から入社までの間に旅行をしなかった人たちが、後悔したことに「旅行」を選んだためです。旅行をしなかった83人中28人は、旅行をしておけばよかったと回答しています。

会社に入ると中々まとまった休みもなく、休みがあっても今はコロナで旅行に行けません。時間があった大学生のうちに、旅行するべきだったと後悔しています。
(IT企業のプログラマー)
先輩から社会人になると時間取れなくて、なかなか旅行に行けなくなるから行っておいたほうがいいよ!と言われていたのですが、ついついアルバイトをしたり、近場に遊びに行ったりしてしまい、旅行に行けませんでした。今ではもっと旅行に行っておけば良かったなと思います。
(商社の営業事務)
働くということは予想してたよりもずっと大変で、自分の好きな時間はもちろん家族や友人と過ごす時間がなかなか取れなくなります。行ける時にお母さんと2人で旅行をしてみたり、友達と思い出を作ってみたりすることはとても大切だと思います。そういった思い出がこれから辛くなったときの糧になることもあるのかなと考えます。
(保育士)

学生の間はやりたいことがたくさんありますから、つい旅行を後回しにしてしまい、その結果社会人になって後悔するといった先輩方が複数いました。

こういった先輩方の声を実際に聞いてみると、やはり旅行には行っておいたほうがいいのかもしれません。

ですが先輩方が学生の間にやり残したことは、「旅行」だけではないようです。

上のグラフを見てみると、「旅行」に次いで「PCスキルを上げる」を選んだ人が多いことがわかります。

とくに、内定から入社までの期間を有意義に過ごせなかったと回答した方が、「PCスキルを上げる」を選んでいるようです。

有意義に過ごせた人と過ごせなかった人の入社前の過ごし方を表すグラフ

有意義に過ごした人のうち22%が「旅行」すればよかったと後悔している一方で、有意義に過ごせなかった人のうち27%は「PCスキルを上げる」を選択しています。

つまり、入社までの期間を有意義に過ごせなかった人たちは、旅行よりも「PCスキルを上げる」「語学学習をする」などといった、入社に向けた準備をやっておくべきだったと考えているわけです。

学生の間に旅行をしておくのももちろん重要ですが、学生の間に社会に出るための準備もしておいた方がいいのかもしれません。

「まだ学生なのに、社会に出る準備をした方がいいと言われても……」「今しかできない旅行さえしておけばいいんじゃないの?」と、思っている方もいるでしょう。

じつは入社までの期間を「旅行」に使った先輩の多くは、社会に出る準備をしておけばよかったと後悔しています。そのことについては次に紹介しましょう。

入社までに「旅行」した人がやらずに後悔したことは「PCスキルを上げる」23%

入社まで旅行をして過ごした人が後悔したことを表すグラフ

最後の学生生活の時間を「旅行」に使った人の多くは、入社までの間に「PCスキルを上げる」や「資格取得の勉強」をしておけばよかったと後悔しているようです。

学生時代からパソコンの操作が苦手でした。就職後の今は営業として配属されていますが、法人営業として介護福祉事業者に対して障がい者福祉事業への参入を提案し、建築から事業のプランニングなども行っています。説明のための資料作成、行政に提出する事業者の書類作成のサポートを行ったりなど、パソコンを使用する機会が意外と多く、手間取っているのが現状です。大学以前から勉強をしていれば、時間をうまく有効活用出来たのではないかと思っております。
(住宅関係の営業)
仕事が主にパソコン操作で、Excelやパワポを使うことが多いです。大学の頃はほとんど使わなかったのでExcelの基本操作も知らず、入社当時は仕事を覚える前にExcelの使い方を覚えなくてはいけなくて苦労しました。内定から入社まで時間はたっぷりあったので少しずつでもパソコンスキルを見につけていればよかったと思いました。
(電子機器会社の事務)
現職の仕事に直結する資格を持っておらず、入社してから会話についていけないことも多々あり、非常に苦労しました。また受験する時間(勉強時間含め)が取れないため、事前に取得していれば良かったと思いました。
(IT企業の技術エンジニア)

働きはじめてから勉強することもできますが、やはり仕事をしながら勉強するのは時間的に厳しいものがあるようです。

職種にもよりますが、業務の中で基本的なパソコンのスキルや資格が問われる場合は、入社までの時間を使って勉強するようにした方がいいのかもしれません。

【まとめ】最後の学生生活は自由を満喫しつつスキルアップも目指そう!

内定から入社までの期間は、最後の自由時間。

自由な時間が十分に取れる学生の特権を使い、旅行をするなど学生生活を満喫することは内定から入社までの期間を後悔しなためにも重要です。

しかし学生生活を満喫するだけでなく、入社後のためにパソコンスキルや資格を身につけておくことで、社会に出たあとも内定から入社までの過ごし方を後悔せずに過ごせます。

最後の学生生活を満喫し、入社後のために準備に取り組むことで内定から入社までの期間を最大限有意義に活用してください!

調査概要
  • 調査方法:インターネット調査
  • 調査対象:大学を卒業した、社会人1年目から3年目の139人
  • 調査期間:2020年8月19日~9月9日